ビッグデータ時代のデータ管理と分析には、適切な MySQL ETL ツールを見つけるのが不可欠です。理想としては、データフローを簡単に制御できて他のアプリケーションと統合でき、コーディングの方法を学ぶことなくチームがデータパイプラインを構築できるようなソリューションがいいですね。
MySQL データウェアハウスおよびデータベース用の ETL ツールは多数あるため、自分に合ったオプションを選択するためのガイドが必要です。そこで本記事では、そのような方たちのために ETLソリューションの選択をお手伝いすべく、オススメの MySQL ETL ツールをリストアップしました。
その前に、MySQL ETL ツールについて知っておくべきことを以下にまとめました:
- MySQL は RDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)である。
- MySQL ETL ツールは、データを抽出および変換して MySQL データベースへ格納するために設計されたプラットフォームである。
- MySQL ETL ツールにより、さまざまなソースからデータを抽出することができ、それが正確に処理されることが保証される。
- 最高の MySQL ETL ツールには、ローコード/ノーコード操作、内蔵されたソフトウェア統合、およびデータ変換機能が備わっている。
- MySQL ETL ツールは、Integrate.io、Fivetran、Talend、Qlik など、さまざまな種類がある。
MySQL ETL ツールとは
MySQL ETL ツールは、様々なソースからデータを抽出し、使用可能な形式に変換した後、MySQL データベースに格納するように設計されたソフトウェアアプリケーションです。また、ETL ツールは ETL プロセスを自動化し、貴重な時間とコストを節約すると同時に、最高のデータ品質を保証します。
MySQL ETL ツールの評価方法
現在、市場には多くの MySQL ETL プラットフォームがありますが、そのすべてが同じように作られているわけではありません。なので、ニーズに合ったものを確実に選択するために、オプションを評価する際に考慮すべき重要なポイントを以下に挙げますね。
ノーコード/ローコード の操作
選択する MySQL ETL ツールは、直感的なインターフェースがあるべきです。また、チーム全員がコードを理解する必要なく、データパイプラインをサッと構築できるよう、ノーコード/ローコードの操作が備わっているべきです。
スケーラビリティ(拡張性)
最高の ETL ツールは、スピードを犠牲にすることなく、大量のデータを一度に処理することができます。つまるところ、データに対するニーズは常にあり、そのニーズは時間の経過とともに増大し続けることから、選択する ETLツールは、それに対応する必要があるでしょう。
コスト
コストに関しては、技術予算を考慮して、適切なものを決める必要があります。MySQL ETL ツールのコストはさまざまで、たとえば、オープンソースツールとして無料で利用できるものもあれば、月額または年会費がかかるものもあります。
1.Integrate.io
G2 の評価:5つ星中4.3
主な機能:
- ETL および リバースETL
- ELT および CDC
- API 管理
- データの可観測性
- 内蔵された統合機能
Integrate.io はクラウドベースのデータ統合プラットフォームで、複数のソースから MySQLデータベースにデータを抽出、変換、格納することができます。また、リバース ETL 機能により、MySQL データベースからデータを抽出し、CRM (顧客関係管理)などの他のシステムにプッシュバックすることができます。
Integate.io の特長は、直感的なドラッグ&ドロップ式の UI(ユーザーインターフェース)により、事実上誰でも数分で高度なデータパイプラインを設定および構成できる点です。そして Integate.ioは、内蔵されたコネクタを何百も提供しているため、データを全てシームレスに目的地に流すことができます。
さらに、Integrate.io はシンプルで柔軟な料金設定が特徴であり、基本的な ETL とシンプルなデータパイプラインを含む『Starter プラン』で年額15,000ドルからあります。
2. Pentaho Data Integration (Kettle)
G2 の評価:5つ星中4.3
主な機能:
- ETL
- コードレス操作
- セルフサービス機能
Pentaho Data Integration(または Kettle )は、経験の浅いユーザーでもサッとデータパイプラインを構築できるような優れた UI を備えており、SQL や他の言語を知らなくても始められます。このような機能により、MySQL の ETL だけでなく、BI(ビジネスインテリジェンス)にも適しています。
Pentaho Data Integration では、強固なレポートとダッシュボード機能も提供されており、常にデータを監視することができます。料金については、Pentaho は30日間の無料トライアルを提供してますが、実際の料金は Web サイトでは公開されていないので、詳細は営業への問い合わせが必要です。
3. Domo
G2 の評価:5つ星中4.4
主な機能:
- ドラッグ&ドロップの ETL 機能
- 1,000以上の内蔵コネクタが
- SQL データフロー
Domo は、データの統合、分析、可視化に使える人気の MySQL ETL ツールであり、SQL の専門家でなくてもドラッグ&ドロップで ETL ができるという特徴があります。また、1,000を超えるコネクタが内蔵されており、あらゆるデータソースを簡単に接続することができます。
さらに、ツールの SQL データフロー機能により、ツール内で MySQL 式を記述することで、変換パイプラインを簡単にセットアップできます。料金は Web サイトに掲載されていませんが、価格設定は、プラットフォームの使用状況、データクエリの量などの要因に基づいています。
4. Apache Spark
G2 の評価:5つ星中4.2
主な機能:
- ETL
- 高速データ統合機能
- オープンソース
Apache Sparkは、大規模なデータセットを高速に処理できるオープンソースのデータ分析エンジンです。実際、Apache Spark はデータワークロードの実行速度が他の製品に比べて100倍速いことで知られていますが、速度はワークロードのサイズ、環境の構成、ハードウェアの能力によることに気を付けておくことが重要です。
Apache Spark はその速さから、複雑なデータセットの処理が必要な企業には最適な選択肢ですが、操作が複雑なこともあることから、コーディングやデータエンジニアリングの経験が豊富なチームに最適です。
また、Apache Spark はオープンソースのプラットフォームなので、無料で使い始めることができます。
5. Fivetran
G2 の評価:5つ星中4.2
主な機能:
- ETL / ELT
- 300以上の内蔵コネクタ
- 自動データ変換機能
Fivetran は、データソースと MySQL データベースを接続するクラウドベースのデータ統合プラットフォームです。内蔵されたコネクタやリアルタイムのデータ同期、使いやすいインターフェースにより、技術的なバックグラウンドを持たないユーザーでもデータ統合のセットアップと管理が可能です。
このプラットフォームでは、SSL/TLS 暗号化などの業界標準のセキュリティ・プロトコルが使用され、データがシステム間で常に安全に転送されることを保証します。また、AES-256 などの暗号化技術により、静止状態のデータも保護されます。
さらに、Fivetran は、許可されたユーザーだけが顧客データにアクセスできるよう、厳格なアクセス制御ポリシーに従っており、管理者はユーザーに特定の役割を割り当て、機密データへのアクセスを制限することができます。
Fivetran の料金プランは、MAR(月間アクティブ行数)に基づいています。各 MAR は1ヶ月に1回カウントされますので、使った分だけの支払いとなります。
6. Azure Data Factory
G2 の評価:5つ星中4.6
主な機能:
- ノーコード ETL および ELT
- 90以上の内蔵コネクタ
- 自律型 ETL 機能
Azure Data Factory は、Microsoft のフルマネージドでサーバーレスのデータ統合ツールであり、Azure の内蔵コネクタを使うことで、ユーザーは複雑なコードを記述することなく、サッとデータを統合することができます。また、Azure Data Factory には、ETL と ELT 機能、Git と CI/CD のビルトインサポートが含まれています。
料金については、30日以内に使用できる200ドル分のクレジットが Microsoft で 無料で提供されています。尚、毎月の無料クレジット分を超える金額が必要な場合は、Azure Data Factoryでは、ニーズに応じた従量課金制が採用されています。
7. Talend
G2 の評価:5つ星中4.0
主な機能:
- ETL/ELT
- CDC
- 内蔵コネクタ
Talend は、組織が 効率的なデータ移動や、あるシステムから別のシステムへの変換ができるように支援するオープンソースのデータ統合および ETL プラットフォームです。このプラットフォームにより、企業は独自のシステム内で独自のカスタムデータ統合ソリューションを迅速に構築し、展開することができます。
Talend の[Open Studio for Data Integration] の使用は無料で、最も費用対効果の高い ETL ソリューションの1つですが、一定の制限があります。一方、完全なデータ統合・共有ソリューションをお探しなら、Talend の [Data Fabric] がお勧めです。
尚、このプラットフォームは価格が公表されていないため、営業部門への問い合わせか、デモのリクエストが必要です。
8. Informatica
G2 の評価:5つ星中4.4
主な機能:
- ETL / ELT
- CDC
- オンプレミスおよびクラウドベースのツールとの統合
Informatica は、異種データソースを統合して MySQL データベースに接続することができる、エンタープライズ向けのデータ統合プラットフォームの大手であり、パフォーマンスと精度を維持しながら、大量のデータをリアルタイムでクエリできます。
このプラットフォームには、大量データへ迅速かつ俊敏にアクセスできることや、内蔵された変換機能によって手作業でのデータクリーニングをする必要があまりなくなるなどの利点があります。
また、Informatica は、ワークフローのスケジューリングや自動バックアップなどの自動化ツールにより、複数のデータベースを管理するコストを削減することもできます。
料金に関しては、IPU(Informatica Processing Unit)価格を採用しており、これによってユーザーは使用するサービスに応じて使用量を増減することができます。
9. Hevo Data
G2 の評価:5つ星中4.3
主な機能:
- ETL / ELT
- CDC
- 150以上のデータソース
Hevo は AI を活用したデータパイプラインプラットフォームで、リアルタイムでのデータ管理・分析プロセスをシンプルにします。また、様々なアプリケーションやクラウドストレージサービスと MySQL データベースを統合することができます。
このプラットフォームは、TLS 1.2 プロトコルを使って転送中のデータセットを全て暗号化することによって、データのセキュリティとコンプライアンスを保証し、GDPR (EU一般データ保護規則)の要件と HIPAA (医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)の基準を満たすべく、監査用にユーザーのアクティビティを全て記録します。
料金については、Hevo は利用状況に応じて無料および有料の料金プランを提供していますが、大規模なデータセットをプラットフォームで定期的に処理している場合は、コストが高いと感じる企業もあるかもしれません。
10. Qlik
G2 の評価:5つ星中4.3
主な機能:
- ETL
- データウェアハウスの自動化
- セルフサービス分析
Qlik は強力な BI(ビジネスインテリジェンス)とデータ統合ソフトウェアであり、ユーザーはリアルタイムでデータを分析・視覚化することができます。また、このプラットフォームは、様々なソースからデータを取り込みんで変換し、MySQLデータベースなどの複数のデスティネーションに格納することができます。
Qlik を際立たせているのは、セルフサービス分析モジュールです。これを使えば、ユーザーはプラットフォーム上でレポートやダッシュボードを作成できるため、サードパーティのデータ分析ソリューションが不要になります。
Qlik の学習曲線は険しいですが、その強力な機能により、データに対するより深いインサイトを求める企業にとって価値あるツールとなっています。料金に関しては、Qlik は Webサイト上では公表されていないので、詳細については営業チームへの問い合わせが必要です。
11. Stitch
G2 の評価:5つ星中4.5
主な機能:
- ETL
- ノーコード / ローコード
- 130以上のデータソース
Stitch はクラウドベースのセルフサービス型 ETL ツールであり、コードを記述することなく、さまざまなソースから MySQL データベースにデータを抽出するプロセスを効率化することができます。
主な機能に、スキーマの自動検出およびマッピング、ETL タスクの自動スケジューリングなどがあり、多くの内蔵コネクタを備えていることによって、ユーザーは最小限の労力や技術的な知識で ETL パイプラインをサッとセットアップすることができます。
料金は、『スタンダード』、『アドバンス』、『プレミアム』の3つの料金プランがあり、使用する行数によって異なります。
12. Matillion
G2 の評価:5つ星中4.4
主な機能:
- ETL
- ノーコード/ローコード
- 何百もの内蔵コネクタ
Matillion は、強力な ETL 機能を備えたクラウドベースのデータ統合・変換プラットフォームであり、複数のソースからの MySQL データベースへのデータの変換と格納をシンプルにするように設計されています。
Matillion の主な利点のひとつに、その速やかな導入プロセスがあります。技術的な専門知識がなくてもプロジェクトを立ち上げることができるため、ハードウェアの設置や IT メンテナンスにかかるコストが削減され、クラウドベースのテクノロジーにより、大規模なデータセットを扱う場合でも処理時間が短縮されます。
料金は、Matillion は100万行までの無料プランを提供しており、それ以上は、『ベーシック』、『アドバンス』、『エンタープライズ』の3つの料金プランがあります。
Integrate.ioで MySQL の ETL をシンプルにしよう
MySQL で動作する ETL ソリューションに関しては、多くのツールで対応できます。なので最適な選択肢は、データソースや現在のアプリケーションなどの変数によって違います。
ただ、優れた拡張性と優れたカスタマーサービスを備えたユーザーに優しい ETL ソリューションをお探しでしたら、Integrate.io が最適です。早速デモをご予約の上、Integrate.io のプラットフォームをぜひご体験ください。
MySQL ETL ツールに関する FAQ
Q. MySQL って何ですか?
MySQL は、SQL(構造化クエリ言語)に基づくリレーショナルデータベース管理システムです。オープンソースプラットフォームでもあり、無料で使用できます。また、MySQL はリレーショナルデータベースとして、データをテーブルに格納してデータ分析をシンプルにしてくれます。
Q. MySQL は ETLツールですか?
MySQL は ETL ツールではありません。ETL を実行するには、他のソースからMySQL にデータを抽出、変換、格納する別のツールを使う必要があります。例えば、クラウドベースの Integrate.io を使って、データソースを MySQL に統合するといいでしょう。
Q. SQL と ETL の違いは何ですか?
SQL(構造化クエリ言語)は、リレーショナルデータベースと対話し、保存されたデータを操作するための標準言語であり、データベースオブジェクトの問い合わせ、挿入、更新、削除、作成、変更に使用されます。
対する ETL(抽出、変換、格納)とは、様々なソースからデータを抽出してクエリに適した形式に変換し、ターゲットデータベース、データレイク、またはデータウェアハウスに格納するプロセスです。