今日のデジタル経済において、企業データは貴重な資産です。そのため、企業は常にデータサービスを活用し、貴重なデータをより有効活用することを求めています。そこで企業がこれを実現する方法として、「API」 と「データウェアハウス」の使用という2つが挙げられます。
世界のデータウェアハウスの市場規模が2028年までに510億ドル以上に達すると予測されていることや、世界のAPI管理の市場規模が2027年までに130億ドル以上に達すると予測されていることをご存知でしたか?この数字は、世界中の企業がAPIとデータウェアハウス技術に投資する価値をすでに知っているということを示し、いずれあなたもそうなるでしょう。
本記事では、APIとデータウェアハウスに関する専門的なガイドとして、それぞれがビジネス運営にもたらす様々な利点に焦点を当てます。APIとデータウェアハウス、そしてその利点についてもっと知りたい方は、ぜひお読みください。
データウェアハウスとは
データウェアハウスは、複数のデータソースからデータを集約して、単一の一貫したデータストアにするシステムです。データウェアハウスを活用することで、データサイエンティストやデータエンジニアは、データマイニング、データ可視化、データ分析、ML(機械学習)、AI(人工知能)などのBI(ビジネスインテリジェンス)ツールを通じて、企業に重要なインサイトをもたらします。
データウェアハウスは、現在および過去の膨大な量の生データとデータセットの分析を実行することができ、標準的なデータベース、データレイク、データストレージシステムでは得られない、ビッグデータに関する重要なインサイトを企業に提供することができます。また、データウェアハウスには、クラウドデータウェアハウス、オンプレミスまたはライセンス型データウェアハウスソフトウェア、データウェアハウスアプライアンス(ハードウェアとソフトウェアをあらかじめ統合したバンドル製品)などがあります。
データウェアハウスのアーキテクチャとはどのようなものか
ビジネス運営でデータ保存や重要なデータインサイトの獲得に使われるデータウェアハウスの大半は、上・中・下の3層アーキテクチャに基づいており、そのデータモデルでは、データは下層から上層に流れます。
- 底層(下):データウェアハウスサーバーがある場所。データ収集、クリーニング、ETLによる変換が行われ、後の分析に使用できるようにする場所でもある。
- 中間層(中):一般的にOLAP(オンライン分析処理)サーバーが置かれる場所。OLAPサーバーは、高速なクエリーを可能にする。
- 最上層(上):エンドユーザーがビジネスデータに対してアドホックなデータ分析を行える場所。
データウェアハウスで使用される主なスキーマ
スキーマとは、データウェアハウス内でデータを編成する方法のことであり、「スタースキーマ(Star Schema)」と「スノーフレークスキーマ(Snowflake Schema)」の2つが主なデータスキーマになります。
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スタースキーマ:データウェアハウスでのデータ整理に使われる最も一般的なスキーマ。1つのファクトテーブルで構成され、複数の非正規化ディメンションテーブルと結合することができ、通常、クエリーを高速化することができる。
- スノーフレークスキーマ:スノーフレークスキーマは、広く使われてはいない。このスキーマでは、ファクト・テーブルが複数の正規化されたディメンジョン・テーブルに接続され、それにはすべて子テーブルがある。通常スノーフレークスキーマでは、クエリーの実行速度が落ちるが、データの冗長性は低い。
データウェアハウスがビジネス運営にもたらすメリット
前述したように、ビジネス運営において、データウェアハウスで現在および過去のデータに対して強力な分析を実行できますが、もちろんこれは組織のBIを強化します。データウェアハウスが促進するBIとデータ分析に加え、データウェアハウスが業務にもたらすメリットは数多くあります。その中でも主なメリットは以下のとおりです:
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高品質なデータ:データウェアハウスで、ビジネス運営は全体的なデータ品質の向上を得られる。
よりデータに基づいた意思決定: データウェアハウスが、データマイニング、AI、MLなどのBIツールをサポートすることにより、企業がよりデータに基づいた意思決定を行えるようになる。
- 意思決定の最適化:データウェアハウスで、ビジネス運営は、より良いビジネスインサイトを通じて、より迅速かつ最適な意思決定ができるようになる
APIとは
データウェアハウスと同様に、APIはビジネス運営に多くのメリットをもたらします。API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)は、アプリケーションやソフトウェア間の「仲介役」として機能し、APIを使えば、複数のアプリケーションがAPIコールやAPIリクエストを通じた情報のやり取りができ、互いに直接通信する必要がありません。業務におけるAPIのユースケースは多数あり、「REST API」と「SOAP API」のが最も一般的な2種類になります。
APIの仕組み
APIはかなりわかりやすいですが、APIの仕組みを言語翻訳機に例えるとよりわかりやすくなります。言語翻訳機が英語話者とオランダ語話者のコミュニケーションをサポートするように、APIは2つ以上のアプリケーションが同じ言語を話したり、直接コミュニケーションしなくても情報の共有をサポートできるのです。
また、APIのプロセスは主に4つのステップに分けることができます。
- ステップ1:アプリケーションが、指定された情報を取得する目的でAPIリクエストを開始する。
- ステップ2: APIが最初のリクエストを処理し、それを外部のプログラムやウェブサーバーに送信する。
- ステップ3: Webサーバーまたは外部プログラムが、最初のアプリケーションで要求された情報を含むレスポンスをAPIに送信する。
- ステップ4:APIがWebサーバーや外部プログラムから受け取った情報を検証し、最初にリクエストしたアプリケーションが理解できる形式で転送する。
APIの作成法
API作成に関して、基本的にAPIをデプロイする方法は「手動でのAPI開発」によるものと「API生成」によるものの2通りがあります。
手動での開発
手動でのAPI開発では、フロントエンドとバックエンドのWeb開発スキルを持つソフトウェアデベロッパーが、APIをゼロから構築します。デベロッパーは開発プロセスにおいて、APIデザイン、API機能、APIエンドポイント、APIテスト、APIドキュメントなどを考慮する必要があるため、手動API開発は完了までに数週間から数ヶ月かかることがあります。
API生成
手動での開発に対して、API生成はローコードまたはノーコードソリューションによって実現されます。基本的に、API生成では、デベロッパーと非デベロッパーの両方が、ドラッグ&ドロップ機能を備えた事前構築済みのフレームワークを通じてAPIをうまく構築できるようにし、その結果、ノーコードAPIは、どんなビジネス・ユーザーでも1時間以内に作成・導入することができるようになります。
ビジネス運営におけるAPI生成のメリット
ビジネス運営にAPIを導入しようとする場合、コーディングのスキルをほとんど必要とせず、誰でもほぼリアルタイムで素早くAPIを開発できるAPI生成は、明らかに優勝です。APIは組織に多くの利益をもたらすため、速やかに作成・展開できることが不可欠です。API が業務にもたらす主なメリットとして、次のようなものがあります:
- セキュリティの強化:APIは、プログラムやアプリケーション間のデータ転送の際にセキュリティのレイヤーを追加するため、企業のデータは安心安全に保たれる。
- 利益の増加:公開されたAPIは、ユーザーが購入しなければ利用できない階層型サービスやSaaSに利用されることが多いため、APIは新しい収益化の流れを生み出すのに利用できる。
- システムの自動化:APIの利用によって、企業はDX(デジタル変革)がしやすくなり、自動化されたシステムに切り替えることができるため、社内業務の効率化への貢献になる。
Integrate.ioではじめよう
API とデータウェアハウスは異なるプロセスですが、どちらもビジネス運営が貴重なビジネスデータをより多く活用できるようにするものです。データ統合とデータ管理が自身のビジネスにもたらすメリットについてもっとお知りになりたい方は、弊社にご連絡いただき、14日間の無料トライアルをぜひ始めましょう。