データワークフローの効率化やプロセスの自動化、データ主導の意思決定を行いたい企業にとって、適切なデータ統合ツールの選択は不可欠です。

そこで、市場でよく使われている ETL ツール として Airbyte Integrate.io の2つがあり、それぞれがさまざまなデータ管理のユースケースに対応するユニークな特徴と機能を提供しています。

以下は、Airbyte とI ntegrate.io のデータ統合ツールについて知っておくべき5つのポイントです:

  1. 両プラットフォームとも、膨大なコネクタライブラリを備えた ETL/ELT 機能を提供している。
  2. Airbyte はオープンソース、Integrate.io はクラウドベースで、使いやすさを念頭に構築されている。
  3. Airbyte は無料の「オープンソース版」と「使用量に応じた価格モデル」を提供し、Integrate.io は「使用量に応じたコストのない定額制」を採用している。
  4. Airbyte では有料プランにのみサポートが提供され 、Integrate.io では全顧客に24時間365日のサポートが提供される。
  5. Airbyte はカスタマイズオプションが豊富だが参入へのハードルが高く、Integrate.io は初心者にも上級者にも使いやすい。

本記事では、データスタックに追加する適切なツールの選択のお手伝いすべく、各ツールについての主な機能、価格、カスタマーサポート、ユーザーレビューについて詳しく見ていきます。

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Airbyte とは

Airbyte はオープンソースのデータ統合プラットフォームで、デベロッパーやデータエンジニアのコミュニティから大きな支持を得ています。このプラットフォームは ELT に対応しており、内蔵データコネクタが何百も付属してますが、その多くはコミュニティによって作成されたものです。

また、Airbyte はオープンソースであるため、ユーザーは独自のコネクタを構築し、プラットフォームをセルフホストすることができます。

Integrate.io とは

Integrate.io はクラウドベースの強固な ETL プラットフォームであり、データフローの改善、自動化されたワークフロー、リアルタイムのデータインサイトのために、システムやアプリケーションを統合するための簡単で効率的なソリューションを企業に提供します。

また、このプラットフォームには、すぐに使えるコネクタとオーケストレーション機能が幅広く搭載されており、それによって数百もの広く使われるデータソースにあっという間に接続できます。ノーコードの環境と強力なドラッグ&ドロップのインターフェースによって複雑なデータ統合を簡単に構築できるので、コーディングの専門知識は要りません。

比較の概要

Airbyte

Integrate.io

主な機能

  • ETL/ELT 機能

  • SQL または DBTを使ったデータ変換

  • コネクタ開発キット

  • オープンソース

  • ETL/リバースETL 機能

  • ELT および CDC(変更データキャプチャ)機能

  • ローコードまたはノーコード

  • Rest API

内蔵コネクタ

300以上

140以上

価格設定

無料、オープンソース版、使用量に応じた価格設定、クラウドホスト版

定額制。企業向け価格についてはIntegrate.io まで要問合わせ

カスタマーサポート

無料プランにはカスタマーサポート無し、有料プランにはカスタマーサポート有り

24時間365日の専用メール、ライブチャット、電話、Zoomサポート

評価

G2 で星5つ中4.1

G2 で星5つ中4.3

Airbyte と Integrate.ioの比較: 主な特徴

Airbyte と Integrate.io は、様々なシステムからデータを抽出、格納し、ターゲットシステムに変換することができるデータ統合ツールです。以下は、各プラットフォームの主な機能です。

Airbyte

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Airbyte が Integrate.io と違うのは、オープンソースであることと、コネクタがカスタマイズ可能である点です。Airbyte でコネクタを扱う場合、ユーザーにとって柔軟性が増しますが、技術的な知識がない人は参入のハードルが高いと感じるかもしれません。

主な機能

  • 300以上の内蔵コネクタ: 300以上のデータソースから30以上のデスティネーションにデータを抽出および格納する。
  • データ変換:データインジェストの後に SQL または DBT でデータ変換をカスタマイズする。
  • CDK(コネクタ開発キット):Airbyte の CDK を使って、2時間以内にカスタムコネクタを構築する。
  • オープンソースのコネクタ:特定のニーズに合わせて調整できる、組み込みおよびユーザー作成のコネクタを活用できる。

Integrate.io

Integrate.io は、「非技術系のユーザーからデータエンジニアのような上級ユーザーまでデータパイプラインの管理と自動化ができる、使いやすいドラッグ&ドロップ式の UI(ユーザーインターフェース)である」という点がピカイチです。また、Integrate.io は、データ統合と変換をシンプルにし、エンタープライズ級のETL / ELT 機能を備えています。

主な機能

  • ETL / リバースETL / ELT:さまざまなソースから選択したシステムにデータを抽出、変換、格納する。準備ができたら、選択したシステムからソースにデータを格納できる。
  • CDC(変更データキャプチャ):CDC の機能により、データの一貫性を簡単に確保できる。
  • 140以上の内蔵統合機能Amazon RedshiftMicrosoft Azure SQL DatabaseSnowflake など、最もよく使われるソースから提供される、140以上のすぐに使える統合機能が内蔵されている。
  • 高度なデータ変換::パイプライン内のデータを格納する前に管理および変換することで、特に大規模なデータセットを扱う場合の計算コストが削減される。

内蔵コネクタ

内蔵コネクタは、カスタムコードや手作業による設定が不要であることから、最新のデータ統合プラットフォームの必須機能となっています。

Airbyte

Airbtye には、すぐに使える内蔵コネクタが300以上ありますが、そのコネクタの半分以上はコミュニティによってメンテナンスされているため、コネクタが継続的に更新されるとか、バグがないとかいう確約はありません。さらに、コネクタによっては、完全に使えるようになるまでにカスタマイズが必要な場合があります。

Integrate.io

Integrate.io は、今日のビジネスで使われている最も一般的なデータソースやアプリケーションの多くからのコネクタが140以上内蔵されており、コネクタがすぐに利用できることから、市場で最も効率的な ETL ツールの一つとなっています。また、ユーザーは、Integrate.io の統合ページにアクセスして、いつでも新しいコネクタをリクエストすることができます。

価格設定

価格設定は、データ統合ツールを比較する際に注意すべき重要な点の1つです。価格はプラットフォームによって異なり、使用量ごとに課金されるプラットフォームもあれば、コネクタごとに課金されるプラットフォームもあります。

Airbyte

Airbyte はオープンソースであるため、無料のセルフマネージド版プラットフォームを提供しています。顧客はセルフマネージドプランでサポートオプションを購入することができますが、価格は公開されていません。正確な価格情報を希望する場合は、同社の営業への問い合わせが必要です。

Airbyte には、以下の2つの価格モデルで利用できるプラットフォームの有料のクラウドホスト版があります。

  • 無料:Airbyte の "Free Connector Program (無料コネクタプログラム)"と題される無料プランは 、アルファおよびベータコネクタにのみ適用され、ボリュームとワークスペースは無制限だが、カスタマーサポートの特典は含まれない。
  • 有料:Airbyte の有料プランは "Growth " プランと呼ばれ、無料プランに含まれる全機能に加え、チェックポイント機能、Airbyte API、SSHトンネル、クラウドサポートへのアクセスなどの追加機能が利用できる。

ただし、Growth プランで利用できるプレミアム機能はオープンソースではない点に注意が必要です。

Growth プランは、1クレジットあたり2.50ドルの消費型料金モデルであり、クレジットは同期されたデータ量によって表されます。コストは使用量に直接連動するため、月ごとの請求は予測できないことがあります。
また、Airbyte はエンタープライズプランを提供していますが、価格については営業へのお問い合わせが必要です。あと、Airbyte では14日間の無料トライアルが提供されています。

Integrate.io

Integrate.io は、分かりやすくポイントが押さえられた価格設定モデルを提供しています。他の多くのデータ統合プラットフォームとは異なり、Integrate.io は使用量による課金を行わないため、ユーザーはコストを予測することができます。また、このプラットフォームでは、必要なコネクタの数に応じて定額料金が請求され、例えばスターター層は、無制限のパッケージ、無制限の転送、無制限のユーザー、毎日のスケジューリング、および2つの付属コネクタが付属しています。価格はスターター・パッケージだと年間15,000ドルで、追加のコネクタは年間2,000ドルです。

カスタマーサポート

データ統合プラットフォームを評価する際、信頼性が高く利用可能なカスタマーサポートは非常に重要です。問題発生時には、専任のカスタマーサポートチームがサッと問題を解決して、データチームをデータパイプラインの管理に速やかに戻してくれますからね。

Airbyte

Airbyte の無料版では、カスタマーサポートは受けられません。そうなると、問題を見つけて修正するための技術的なリソースがチームにない場合、将来的に問題に発展する可能性があります。ただ、Airbyte はオープンソースであるため、保証はありませんが、問題解決にコミュニティが助けてくれるかもしれません。

Airbyte でサポートオプションを得るには、有料プランへの加入が必要です。同社の Web サイトには、有料ユーザーは "エンタープライズ級のサポート "を受けられると記載されていますが、サポートページを見てみたところ、応答時間や利用可能な時間にコミットしているようには見えません。

Integrate.io

Integrate.ioは、メール、ライブチャット、電話、Zoom による24時間365日の無制限のグローバルカスタマーサポートを提供しています。Airbyte とは異なり、Integrate.io の顧客はサポート受けるのに追加料金を支払う必要はなく、どの価格帯の顧客でもサポートを受けることができます。また、同プラットフォームはカスタマーサポートの統計を公表しており、平均応答時間2分、平均解決時間51分、顧客満足度92%を誇っています。

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評価

ユーザー評価は、プラットフォームの実際の日々のパフォーマンスに関する貴重なインサイトを提供してくれます。ここでは、顧客からのフィードバックと満足度に基づいて、Airbyte と Integrate.io を比較してみましょう。

Airbyte

Airbyte の G2での評価は星5つ中4.1で、評価はまちまちのようですが、より技術的なユーザーは、そのオープンソースの性質により、Airbyte の使用を楽しんでいるようです。

データエンジニアのトゥシャール氏は、インセンティブ付きレビューに「私は過去4年間 Airbyte を使用しており、オープンソースへの貢献にも積極的に関わっていますが、これはバッチとリアルタイムのジョブをスケジュールするための素晴らしいツールです。」と書き込んでいます。

一方、否定的なレビューの多くは、プラットフォームがスケーリングに問題を抱えていることや、コネクタに断続的な問題があることが挙げられています。認証済みのユーザーからのオーガニック・レビューには、「カスタマーコネクタに断続的な問題が多い 」と書かれており、別の人からは「エラー処理は素晴らしいものではありません。」とも言われています。

Integrate.io

Integrate.io は、G2 で5つ星中4.3点の評価を得ており、2022年秋には、すべての ETL ツールにおいてG2の「リーダー」の1つに認定されました。

このプラットフォームは好評で、認証済みユーザーの ジャガディッシュ氏による最近のレビューでは、「Integrate.io こそ市場で利用可能な最高のクラウドベースのデータ ETL オプションの 1 つです。」と述べられています。

また、他のユーザーは「どんなアプリケーションにも必ず限界がありますが、intergrate.io は違います。Integrate.io はすごくカスタマイズ可能な統合機能とデータ操作オプションを作ってくれました。エンジニアでなくてもこの製品を使うことができるんです。ユーザーに優しく、アプリのドキュメント、ヘルプセンター、説明のおかげで、ほとんどの人が自分でこれを使い始めることができるでしょう。」と書き込んでいます。

どちらが最適なツールか

適切な統合ソリューションの選択は、データチームのニーズ、要件、希望する機能によって変わってきます。

Airbyte はオープンソースであり、コネクタが多数利用可能です。技術的なリソースがあれば、ユースケースに応じてカスタマーコネクタを開発することもできます。そうなると、無料のソリューションが必要な中小企業や、利用ごとに料金を支払う予算があるのであれば、Airbyte はうってつけのツールです。

ただ、何でも多ければ多いほどいいとは限らないので、多額の投資をする前に、そのツールに対応する適切なリソースがあることを確認しましょう。

Integrate.io は Airbyte よりもコネクタの数は少ないかもしれませんが、強力なETL/ELT 機能、使いやすいインターフェース、予測可能な価格設定、カスタマーサポートでそれを補っています。また、Integrate.io だと、初心者から上級者まで、ドラッグ&ドロップのインターフェースを通じて、コードを書くことなく複雑なデータパイプラインを作成することができます。

そうなると、リアルタイムのデータ同期が必要で、より複雑なデータ分析が必要な場合は、Integrate.io の方が良いかもしれません。

Integrate.io のデータ統合機能をお試し

Integrate.io は、市場で最もスケーラブルな ETL ソリューションの一つです。このプラットフォームは、複数のソースからのデータを速やかに接続し、そのデータを変換して、選択したデスティネーションに格納することができます。

14日間の無料トライアルにサインアップして、Integrate.io が皆さんのデータ管理をどのようにお手伝いするか、ぜひご体験ください。