進化し続けるソフトウェア開発および統合において、Apex インテグレーションサービスは Salesforce のエコシステム内の強力なツールセットであり、Salesforce と外部システム間のシームレスな通信とデータ交換を実現します。このガイドでは、Apex インテグレーション の機能やメリット、ベストプラクティスについて見ていき、みなさんが Apex インテグレーションサービス の可能性を最大限に引き出すお手伝いをします。
本記事における重要なポイント5つ:
- Apex インテグレーションサービスは、外部システムと接続するための Salesforce の統合のツールキットである。
- 最新のアプリには、スムーズなデータフローと自動化のための統合が必要である。
- Apex インテグレーションサービスには、多様なニーズに対応するために、SOAP、REST、バルク、ストリーミングの各オプションがある。
- このような統合サービスで、業務に効率性、拡張性、リアルタイムのデータ交換がもたらされる。
- 効果的な統合には、ベストプラクティスに従い、導入の成功事例から学ぶことが重要である。
本記事で、Apex インテグレーションサービス(AIS)の役割や主な機能、メリットやベストプラクティスを見ていきましょう。
はじめに
Salesforce は、1999年の創業以来、ビジネスを変革してきたクラウドベースの CRM(顧客関係管理)プラットフォームであり、営業業務、カスタマーサービス、マーケティングなどのビジネスプロセスを強化してくれます。Salesforceを他のアプリケーションと統合することで、新たなリソースが引き出され、業務の可視性が高まるのです。
このガイドでは、Salesforce と他のアプリケーションを統合するための強力なツールセットである Apex インテグレーションサービスの包括的な概要を説明し、Apex インテグレーションサービス の機能、メリット、ベストプラクティスについて触れています。Salesforce のデベロッパーでも、ビジネスユーザーでも、このガイドを読めば、Apex インテグレーションサービスを理解し、その可能性を最大限に活用することができるでしょう。
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Apexインテグレーションサービスの概要
Apex インテグレーションサービス(AIS)は、Web サービスや API を使って Salesforce を外部システムと統合するための機能セットであり、 以下の2つの機能があります:
- Salesforce から SOAP/REST のエンドポイントへのコールアウト: AIS のこの機能を使うと、SOAP および REST API を使って Salesforce から外部システムへの呼び出しができる。
- SOAP / REST サービスのエンドポイントとしての Salesforce: AIS では、Salesforce を SOAP および REST サービスのエンドポイントとして機能させることもできる。簡単に言うと、Salesforce のデータや機能を他のシステムと共有できるようになる。
AIS では、Salesforce 用のプログラミング言語である Apex を使って、統合ソリューションの実装とカスタマイズを行っています。Apex は、特に Java などの他のオブジェクト指向言語でのコーディング経験があれば、比較的簡単に使用や読み取りができ、Apex と Apex インテグレーションサービスを学ぶのに役立つリソースも多数あります。また、Apex は、Salesforce がスムーズかつ安全に動作するようにルールと制限が適用されており、デベロッパーは、協力的なコミュニティで自分のコードをテストすることができます。つまり、Apex はニーズに合わせて Salesforce をカスタマイズする統合プラットフォームであるということです。
最新のアプリケーションにおける統合の重要性
「統合」とは、2つ以上のソフトウェアのデータと機能を組み合わせることですが、Salesforce の統合とは、API、コネクタ、またはカスタムコードを使って、Salesforce と他の IT 製品の間でデータを調和させるプロセスを指します。
今日のビジネスの世界では、様々なアプリケーションの利用が不可欠です。そのようなアプリケーションは、CRM、ERP(企業資源計画)、MA(マーケティングオートメーション)、会計など、ビジネスのさまざまな側面を処理してくれますが、アプリケーションが複数あると、データのサイロ化、情報の一貫性の欠如、手作業によるエラー、非効率といった課題も生じます。なので、最新のアプリケーションには統合が不可欠なのです。
統合は、アプリをつなげることでそのような問題を解決し、以下のような結果をもたらします:
- 効率性の向上: タスクは自動化されて、データはアプリケーション間をスムーズに流れるため、時間の節約になる。
- 精度の向上: 意思決定や顧客サービスに不可欠な正確な最新データを維持できる。
- 可視性の向上: Salesforce ユーザーはデータを一元的に把握できることから、意思決定と連携が改善される。
- コスト削減: 複数のアプリを管理することで、費用対効果が上がる。
Apex インテグレーションサービスとは
Salesforce で顧客情報を管理し、別のソフトウェアで在庫を管理する小規模なオンラインストアを運営しているとします。統合がなければ、注文のたびに両方のシステムの手動での更新が必要がですが、それには時間がかかり、ミスが発生しがちです。これが Apex の統合だと、この2つのシステムは互いに「会話」してシームレスに情報を共有することができます。それで時間の節約になり、ミスが減り、顧客と在庫に関する正確なデータを常に確保することができるようになります。
定義と概要
Apex インテグレーションサービスは、REST および SOAP の Web サービスを使って Apex コードを外部アプリケーションと統合するための機能セットであり、Apex インテグレーションサービスを使うと以下のことができます:
- Apex から外部サービスにコールアウトする。
- Apex クラスのメソッドを Web サービスとして公開する。
歴史的背景:進化と発展
2006年、Salesforce は、同社のプラットフォーム上でアプリケーションを構築するためにデザインされた、独自のオブジェクト指向プログラミング言語である Apex を発表しました。Apex は Java に似たような構文を使っており、Java デベロッパーにとって取り掛かりやすいものになっています。また、Apex は、Salesforce 内でデータ操作だけでなく、フローやトランザクション制御ステートメントなど、さまざまな操作を実行することができます。
Apex は、主にカスタムビジネスロジック、トリガー、および Salesforce アプリケーションを強化するその他のプログラム要素を作成するために使用され、設立以来、カスタムオブジェクトやカスタムフィールド、ワークフロー、Web サービス、API、他のアプリケーションとの統合、カスタムレポートやダッシュボードなど、幅広いアプリケーションを作成できる汎用性の高いプログラミング言語として進化し続けています。そして近年、Salesforce は「コードではなくクリック」でアプリケーションを構築できる、より宣言的なツールを導入しており、そのツールは、多くの場合、Apexコードよりも簡単で速く、保守性に優れています。
Apex インテグレーションサービスの主な機能
AIS で、効率的なデータ交換や自動化、リアルタイムでの同期が実現します。本記事では、Apex インテグレーションサービスの主な機能を掘り下げ、Web サービス統合、バルクデータ処理、およびストリーミング API を介したリアルタイムデータの同期の機能に重点を置いて説明します。以下の表は、Apex インテグレーション API の統合のタイプが4つ示されています。では、それぞれについて見てみましょう。
API 統合
API 名 |
種類 |
データ形式 |
通信 |
SOAP API |
SOAP (WSDL) |
XML |
同期 |
REST API |
REST |
JSON, XML |
同期 |
Web サービス統合
Apex インテグレーション またはコールアウトは、Apex コードの外部サービスとの接続を可能にし、外部サービスへのリクエストの送信と、レスポンスの受信によって動作します。また、Apex インテグレーションサービスは、クラウド上でカスタムアプリケーションを開発およびデプロイするためのインフラストラクチャとツールを提供する force.com のプラットフォームによってサポートされています。
そして、Apex のコールアウトには以下の2種類があります:
- SOAP コールアウト: SOAP Web サービスを使い、XML を含む
- REST コールアウト: RESTサービス(通常はJSON)を使う。RESTコールアウトは、様々な Web サービスや API に対してより汎用的である。
SOAP API
SOAP(Simple Object Access Protocol)は、Web サービスと構造化データの交換を可能にする密結合プロトコルであり、WSDL(Web サービス記述言語 )ファイルを使って、API を通じてデータにアクセスするためのパラメータを確定します。Salesforce の SOAP API を使うと、外部アプリケーションから Salesforce 内のレコードの作成や取得、更新や削除ができ、それによって、送信中のデータの整合性とセキュリティが保証されるため、エンタープライズレベルのシステムやサービスとの統合に最適です。
RESTful API
REST(Representational State Transfer)APIは、Apex インテグレーションサービスのもう一つの重要な部分です。このAPI は、そのシンプルさや拡張性、柔軟性で知られており、GET、POST、PUT、DELETE の HTTP メソッドを使って、URI(統一資源識別子)で識別されるリソースに対して CRUD(作成、読み取り、更新、削除)の操作を実行します。Salesforce の REST API では、JSON または XML 形式を使って、外部アプリケーションから Salesforce 内のオブジェクトにアクセスでき、それによって、パフォーマンスが上がり、帯域幅の消費が抑えられるため、モバイルアプリや Web ベースのサービスとの統合に適しています。
Bulk API 統合
大規模データの処理
Salesforce の Bulk API は、大量のデータを処理するために特別にデザインされており、Salesforce に大量のデータレコードを挿入、更新、アップサート、削除、クエリすることができます。従来の API とは異なり、Bulk API は非同期で動作するため、データの移行や同期、バッチ処理タスクに適しています。また、Bulk API を使うことで、Salesforce のインスタンスに負担をかけることなく、大量のデータセットを効率的に管理できます。
リアルタイムデータの同期のためのストリーミング API
リアルタイム通信とデータ同期
ストリーミング API で、Salesforce のプラットフォームと外部システム間のリアルタイムの通信とデータ同期がしやすくなります。ストリーミング API は、Pub/Sub モデル(出版‐購読モデル)で動作して、Salesforce データでの特定のイベントや変更を購読でき、レコードの更新や新規の見込み客の作成などの、購読したイベントが発生すると、 関連データを Visualforce のページやモバイルアプリなどの外部アプリケーションに即座にプッシュします。
このリアルタイムの同期は、以下のようにさまざまな場面で貴重なものとなります:
- カスタマーサポートチケットシステム: ストリーミング API を使って、新規チケットや既存チケットの更新など、最新の Salesforce データ変更をカスタマーサポートチケットシステムに反映させる。それによって、顧客はタイムリーで正確なサポートを受けることができる。
- 重要なビジネスイベントの監視:ストリーミング API を使って、在庫レベルの変化や顧客からの注文など、重要なビジネスイベントを監視する。これによって、企業は潜在的な問題を特定し、積極的に対処することができる。
- UI の改善: ストリーミング API を使って、ダッシュボードやチャートなどの UI(ユーザーインターフェース)をリアルタイムのデータ更新でリフレッシュする。それによって、UX(ユーザーエクスペリエンス)とエンゲージメントが上がる。
Apex インテグレーションサービスを使うメリット
AIS には、業務の効率化、データの精度向上、ビジネスプロセスの効率化を実現するための魅力的なメリットがいくつかあります。例えば、医療機関は AIS を使って Salesforce と電子カルテ(EHR)のシステムを統合することができ、それによって、医療機関は患者ケアの向上とコスト削減を実現できます。以下で、AIS を利用するメリットをいくつか見てみましょう:
スケーラビリティ(拡張性)
Apex インテグレーションサービスを利用する主なメリットの1つに、その拡張性があり、これによって、組織は大量のデータを処理できるようになります。顧客データの急増、大規模なトランザクションの処理、膨大な記録の管理など、AIS は作業負荷の増加にシームレスに対応でき、この拡張性により、統合ソリューションはビジネスと共に成長し、それによって、変化するデータニーズへの適応や、高いパフォーマンスの維持が実現します。
柔軟性
AIS は、統合ソリューションのデザインと実装において柔軟性があります。組織は、特定の要件に合わせて統合ポイントをカスタマイズすることができ、そのカスタマイズは、ビジネスニーズに沿った統合プロトコル、データ形式、エンドポイントの選択にも及びます。また、レガシー(旧式)システム、クラウドベースのアプリケーション、外部サービスのいずれに接続する場合でも、AIS は効率的でオーダーメイドの統合ソリューションの作成に必要な適応性を提供します。
リアルタイムのデータ交換
リアルタイムのデータ交換は、現代のビジネス運営において非常に重要な要素です。AIS で、Salesforce と外部システム間のリアルタイムでのシームレスな通信とデータ転送がしやすくなり、そのリアルタイムでの同期により、外部データは常に最新で、Salesforce のデータと一貫性が保たれます。株式取引プラットフォームやカスタマーサポートシステムなど、データの即時更新が重要なシナリオでは、AISのリアルタイム機能は非常に貴重です。
セキュリティ機能
AIS はデータセキュリティを重視しており、統合プロセス中に機密情報を保護するための、さまざまなセキュリティ機能やプロトコルがあります。それには、安全な認証のための OAuth、暗号化されたデータ送信のための SSL/TLS、および保存中および転送中のデータを保護するためのその他の暗号化方式が含まれ、このようなセキュリティ対策で、企業はデータプライバシーの維持や、規制要件の遵守、顧客やパートナーとの信頼の構築ができます。
結論として、AIS は組織がビジネスニーズと目標を達成するのに役立つ様々な統合ソリューションを提供しているのです。
Apex インテグレーションサービス導入のベストプラクティス
AIS の導入を成功させるには、綿密な計画、ベストプラクティスの遵守、継続的なモニタリングが必要です。ここでは、AIS 導入のための主なベストプラクティスを見ていきましょう:
1.企画・戦略
- 統合のニーズを評価する: 統合に着手する前に、組織固有の統合ニーズを評価し、どのようなデータを交換する必要があるのか、統合の頻度、関係するシステムを特定する。こういった要素を明確に理解することが、統合戦略の指針となる。
- 潜在的な課題を特定する: データ形式の不一致、遅延の問題、認証要件など、潜在的な課題を予測する。このような課題を早期に特定することで、効果的な解決策を計画し、リスクを軽減することができる。
2.エラー処理
- 効果的なエラー処理の実装: 強固なエラーおよび例外処理メカニズムを統合プロセスに組み込む。エラーが発生した場合は、それをログに記録し、関連する通知は担当者に送信されるべきである。一時的なエラーに対する再試行メカニズムを実装することで、データの整合性と信頼性が確保できる。
- エラーログとモニタリング(監視)の使用:包括的なエラーログと監視ツールを設定する。それによって、問題の迅速な特定および対処、ダウンタイムの最小化、データの正確性の確保ができるようになる。
3.API 呼び出し制限の最適化
- API の制限内にとどまる: Salesforce はアウトバウンド API コールに制限を設けていることから、この制限を理解し、統合が制限内に収まるようにすることが重要であり、API の使用状況を定期的に監視し、制限に達することで統合が中断されたり、追加コストが発生したりしないようにする。ちなみに、インバウンドAPI コールはこの制限の対象ではないが、適切な認証と承認が必要。
インバウンド統合
アウトバウンド統合
- 効率的な使用: アウトバウンド API の利用を最適化する戦略を実施する。例えば、個別に呼び出す代わりに大規模なデータ転送をバッチ化したり、クエリの最適化を利用して必要なデータのみを取得したり、頻繁に使うデータをキャッシュして API 呼び出しを削減したりする。また、インバウンド API コールでは、Apex WebサービスまたはRESTリソースを使ってカスタム機能とデータを公開し、Apexコードのデザインとテストのベストプラクティスを適用する。
4.テスト及びQA(品質保証)
-
厳格なテスト: デプロイ前に統合を徹底的にテストし、成功事例やエラー事例など、さまざまな統合シナリオをカバーするテストシナリオを作成する。統合が確実に実行され、それが想定通りであることを確認するために、さまざまなデータ量とさまざまな条件で統合をテストする。
-
継続的なモニタリング: 統合は継続的なプロセスであることから、デプロイ後も、継続的なモニタリングとテストの仕組みを導入する。異常な動作やエラーの急増に対するアラートを設定し、定期的なレビューを実施して、統合が効率的でエラーのない状態を維持できるようにする。
- バージョン管理: 統合コードと設定のバージョン管理を行う。これにより、変更点の追跡、バージョンの比較、問題が発生した場合の以前のバージョンへのロールバックができる。
このようなベストプラクティスに従うことで、AIS の信頼性、効率性、安全性を確保することができます。
ケーススタディ Apex インテグレーションサービスの成功事例
AIS で、組織はさまざまな課題を克服し、重要なビジネスプロセスを効率化できるようになりました。ここでは、Apex インテグレーションサービスの実装の成功例を示すユースケースを3つ見ていきましょう。
A社:スケーラビリティの課題克服
- 課題:急成長中の ECプラットフォームである A社は、顧客ベースの拡大に伴い、スケーラビリティの課題に直面していました。同社のデータ統合パターンは、バッチ処理とポイントツーポイント接続に依存しており、Web、モバイル、SNS、サードパーティ製アプリケーションなど、さまざまなソースからのデータ量と種類の増加に対応できていませんでした。そしてその結果、読み込み時間の遅延、エラーの頻発、データの不整合といったパフォーマンスの問題が発生し、ビジネス上のインサイトや意思決定の正確性や適時性に影響を及ぼすデータの遅延が起こっていました。
-
解決策:A社はスケーラビリティの課題を解決するために AIS を導入しました。同社は、Apex コールアウト、フューチャーメソッド、キュー可能な Apex を使ってアウトバウンド API の使用の最適化、大規模なデータ転送のバッチ処理、効率的なデータ同期メカニズムの実装をするために、統合アーキテクチャを刷新しました。また、Salesforce Data Loader と Bulk API を活用して、大量の顧客データを Salesforce のレコードに効率的にインポートおよびエクスポートできるようにしました。
- 結果:AIS の導入により、A社はスケーラビリティの課題の克服だけでなく、ECプラットフォームの全体的なパフォーマンスも上がり、データ同期の高速化、データ遅延の短縮、顧客体験の向上が実現しました。また、大量のデータを効率的に処理できるようになったことで、急成長にも対応できるようになりました。
B社:複雑なデータワークフローの効率化
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課題:ヘルスケアプロバイダーであるB社は、患者記録、保険請求、医療請求に関わる複雑なデータワークフローに取り組んでいましたが、手作業によるデータ入力と異種システムにより、患者ケアと請求プロセスにエラー、非効率、遅延が発生していました。
-
解決策:Apex REST および SOAP API を使って、電子カルテ(EHR)システム、保険プロバイダー、請求ソフトウェア間の自動データ統合を実装しました。また、GET、POST、PUT、DELETE などの HTTPメソッドを使って、標準的なWebプロトコルを使ったさまざまなソースからのデータの作成、取得、更新、削除をしました。例えば、Apex REST API を使って EHR システムから患者情報を取得し、Apex SOAP API を使って保険会社に請求書を提出し、Apex REST API を使って請求ソフトウェアで請求書を生成しました。これによって、手作業を介さずに、患者、請求、請求書のデータをリアルタイムで交換できるようになりました。
- 結果:B 社では、データワークフローが大幅に改善されました。自動化された統合により、患者記録の更新、保険請求処理、医療費請求に必要な時間が短縮され、その結果、診療報酬の迅速化、請求精度の向上、患者ケアの強化が実現しました。
C社:金融データ転送のセキュリティ強化
-
課題:金融機関であるC社は、金融データ転送における厳しい規制要件とセキュリティ上の懸念に直面しており、機密性の高い金融データの機密性と完全性を確保するために、安全でコンプライアンスに準拠したソリューションが必要でした。
-
解決策:AIS で、C社の財務データ転送のセキュリティ強化が実現しました。強固な暗号化メカニズム、SSL/TLSプロトコル、Apex クリプトクラスと 指定ログイン情報クラスを使ったセキュアな認証方法を実装したことによって、財務データは転送中も機密性が保たれ、許可された関係者のみがアクセスできるようになりました。
- 結果:AIS を活用することで、C社は財務データ転送のセキュリティを強化しながら、規制基準へのコンプライアンスを達成しました。それによって顧客やパートナーからの信頼が高まり、ビジネスチャンスが拡大するとともに、機密性の高い財務情報の保護に対する評価も高まりました。
結論として、このケーススタディでは、AIS がさまざまな業種の組織において、いかに課題を克服し、ワークフローを合理化し、セキュリティを強化するかがわかります。Eコマースにおけるスケーラビリティの実現、ヘルスケアにおけるデータワークフローの最適化、金融機関におけるセキュリティの強化など、AIS はビジネスの効率化と成功を促進し続けているのです。
まとめ
AIS は、Salesforce を外部の CRM や ERP システムに接続するための強力なツールです。ただ、AIS 単体では ETL(抽出、変換、格納)の変換はできませんが、ETL に対応している他のツールやフレームワークと組み合わせて使用することができます。Integrate.io はクラウドベースの ETL プラットフォームであり、ユーザーは複雑で強力かつコスト効率の高いデータパイプラインをコーディングのスキルなしであっという間に開発することができます。また、Snowflake、Salesforce、NetSuite、REST API、Redshift など、様々なデータソースや送信先向けの ETL および リバースETL コネクタを提供しています。
Integrate.ioを使えば、以下のようなことができます:
- コード不要の ETL および リバースETL のパイプラインを数分で作成し、使いやすいドラッグ&ドロップのインターフェースで、あらゆるソースからのデータを Salesforceインスタンス内外に統合できる。
- リアルタイムなデータ統一のための CDC(変更データキャプチャ)と光速のETL データレプリケーションを提供する。
- 瞬時の読み書きのために、セキュアでセルフホスティングの REST API コード自動化を提供する。
- オブサーバビリティアラートとモニタリング機能でデータ品質を強化する。
AIS と組み合わせることで、Integrate.io は統合をシンプルにし、それによって、手間のかからないデータソース接続が実現します。データの同期、リアルタイムの外部データアクセス、営業ワークフローの自動化など、Integrate.io は統合の目標に向かう皆さんのお手伝いをします。Integrate.io が Salesforce との統合をどのように強化できるかについては、当社の担当者によるデモをこちらからご予約いただくか、14日間の無料トライアルをこちらから開始してぜひご自身でお確かめください。
Q&A
Q. Apex インテグレーションサービスにおける SOAP API とRESTful API の主な違いは何ですか?
A. Apex インテグレーションサービスで Web サービスを実装する方法は、SOAP API と RESTful API という2つがあり、両者の主な違いは以下のとおりです:
アスペクト |
SOAP API |
RESTful API |
プロトコル |
SOAP |
RESTful (Representational State Transfer) |
データ形式 |
XML |
JSON, XML など様々 |
サービス契約 |
WSDL のファイル が必要 |
HTTP メソッド (GET、POST、PUT、DELETE) に依存してサービス操作を確定する |
複雑性 |
より硬くて複雑 |
より柔軟でシンプル |
機能 |
セキュリティ、信頼性、トランザクションなどの高度な機能がある |
SOAPの高度な機能はいくつか欠けるが、シンプルさとスピードでは優れている |
こんな人におすすめ |
高いセキュリティと信頼性を必要とするエンタープライズ・アプリケーションに最適 |
高速かつ軽量なデータ交換を必要とするモバイルおよび Web アプリケーションに最適 |
Q. Apex インテグレーション のBulk API は巨大なデータセットをどのように扱うのですか?
A. Apex インテグレーション の Bulk APIは、大規模なデータセットを分割して非同期で処理し、リクエストを送信して、後で結果を返します。また、1.0 と 2.0 という2つのバージョンがあり、Bulk API 2.0 には、CSVバッチ の自動分割やジョブ設定のシンプル化などの利点があります。
使用法:
- オブジェクト、オペレーション、フォーマットを指定してジョブを作成する
- 単一または複数のバッチでデータをアップロードする
- ジョブおよびバッチのステータスを確認する
- 操作結果を取得する
- ジョブを終了する
また、認証に OAuth を使って、HTTP リクエストで Apex コードからデータを操作することもできます。
Q. Apex インテグレーションサービスにはどのようなセキュリティ対策が組み込まれていますか?
A. Apex インテグレーションサービスは、データセキュリティに真剣に取り組んでおり、以下のような保護手段を採用しています:
- リモートサイトの設定: Apex から外部サイトへの呼び出しを行う前に、Salesforce の設定で外部サイトへの呼び出しの明示的な許可が必要であり、それによって、データへの不正アクセスを防ぐことができる。
- OAuth 認証: OAuth は、Salesforce の認証情報を提供せずに、サードパーティ アプリケーションに Salesforce データへのアクセスを許可できる安全な認証フレームワークであり、それによって、外部データにアクセスするときの資格情報が安全に保たれる。
- HTTPS プロトコル: HTTPS (Hypertext Transfer Protocol Secure) を使うと、Salesforce と外部サーバ間で送信されるデータが暗号化される。それによって、データは秘密の暗号のように暗号化されるため、外部サーバとのチャット中は誰にも盗聴されることがない。
- WSDL ファイル:SOAP Web サービスのコントラクトとして機能し、安全な対話のためのルール、要件、および応答を明確に定める。
Q. Apex インテグレーションを使用する際に、API コールの制限を最適化するにはどうすればいいですか?
A. Apex インテグレーション で API の制限を最大限に活用するには以下をご検討ください:
- Bulk API 2.0を選ぶ: ビッグデータにおいて頼りになり、人数に関係なく、グループ全体で 1 枚のチケットのようなものである。
- ストリーミング API を取り入れる: リアルタイムで最新の状態を維持。何度も問い合わせる代わりに、データが変更されたら即座に通知を受け取ることができる。
- キャッシュデータを活用する: 毎回図書館に行く代わりにメモを手元に置いておくように、よく使うデータは近くに置いておく。
- バッチ処理を使う: レコードを1つの通話にまとめる。個別のメッセージではなく、グループテキストを送信するようなものと考える。
- スマートクエリを活用する: 必要なものだけを求める。フィルタとクエリ設定を使って、API コールから取得するものを制限する。
Q. Apex の統合中に注意すべき一般的なエラーと、それを防ぐ方法は何ですか?
Apex と外部システムの統合では、一般的なエラーがいくつか発生する可能性があります。以下の表は、Apex 統合時によく発生するエラーとその防止策をまとめたものです。
エラーの種類 |
解説 |
予防策 |
null オブジェクトの参照解除を試みる |
null 変数のプロパティやメソッドにアクセスしようとすると発生する。 |
安全なナビゲーション演算子にアクセスする前、または使用する前に、null値をチェックする。 |
リストに sObjectに代入する行がない |
レコードが返されていない単一の sObject 変数にクエリ結果を代入しようとすると発生する。 |
クエリの結果をリストに格納するか、割り当て前に空でない結果を検証する。 |
リストのインデックスが範囲外 |
無効なインデックスを使ってリスト要素にアクセスすると発生する。 |
インデックス値を検証したり、リストをループして境界外のアクセスを防ぐ。 |
sObject 行が SOQL 経由で取得された。 |
sObject を取得した SOQL クエリに含まれていないフィールドにアクセスするとトリガされる。 |
SOQLクエリに必要なフィールドをすべて含めるか、動的SOQLを使用して必要なフィールドを取得する。 |
メソッドが存在しないか、シグネチャが正しくない |
存在しない、または間違った書式のメソッドを呼び出すと表示される。 |
メソッド名とパラメータを確認し、正しいシグネチャについては Apex Developer Guide を参照する。 |
再帰トリガーのエラー |
トリガーが無限ループでお互いを呼び出すことが原因。 |
静的変数、カスタム設定、またはベストプラクティスを使って、トリガーの再帰を制御する。 |
APIコールの上限を超えた |
24時間以内に組織の API リクエストの上限を超えた場合に発生する。 |
OrgLimits または Limits APIを使って API の使用状況を監視し、最適化のためのベストプラクティスに従う。 |