2024年に向けて、API 管理は現代のビジネス運営において重要な側面となっていますが、優れた API 管理ツールがあれば、全API のデザイン、デプロイ、セキュリティ保護、モニタリングのプロセスができるようになります。
以下は、API 管理ツールについて押さえておくべき5点です:
- API で、ソフトウェア・アプリケーションの通信が実現する。
- API 管理ツールで、複雑な API の管理プロセスがシンプルになる。
- API 管理ツールで、API のパフォーマンスが上がるだけでなく、セキュリティとチームの連携が改善される。
- API 管理は、例えば、API が安全であることや、アプリ間の統合がシームレスであることが保証されるなどの多くの理由で重要である。
- API 管理ツールには、シンプル化された API 生成、アクセス管理、ライフサイクル管理などの機能が含まれるべきである。
本記事では、2024年の API 管理ツールのおすすめ14選を見ていき、各ツールの特徴、利点、欠点に関する実用的なインサイトを提供します。
API 管理ツールとは
API 管理ツールは、API の作成、公開、セキュリティ保護、管理のプロセスをシンプルにするためにデザインされたプラットフォームであり、そのツールによって、社内外のデベロッパー、パートナー、顧客にデジタル資産やサービスを安全で拡張性の高い方法で公開する API を作成および管理することができます。
API 管理ツールを使うメリット
API 管理ツールは、セキュリティの向上、連携の強化、API パフォーマンスの向上など、さまざまなメリットをもたらし、このようなツールは、API の安全性と信頼性を保証するため、ビジネスの成長をサポートするのに非常に重要です。
また、API 管理プラットフォームを使えば、開発プロセスの大幅なスピードアップ、エラーの減少、開発チーム間のコミュニケーションの改善が実現し、それによって、高品質の API をよりサッと簡単に提供できるようになります。
API 管理ツールの種類
API 管理に関して言えば、利用可能なツールにはいくつかの種類があり、ビジネスのニーズに応じて、以下のようなツールの中から1つを選んだりいくつか組み合わせることもできます:
- API ゲートウェイ: 認証、認可、適切なバックエンド・サービスへのトラフィック・ルーティングを管理するのに使用できるツール。
- API のデザインおよび文書化ツール: デベロッパーが API をデプロイする前にデザイン、文書化、テストするのを支援するツール。
- API ライフサイクル管理ツール:デザインから廃止までの API のライフサイクル全体を管理するのに役立つ完全なツール。
- API テストツール: デベロッパーが API の機能性、パフォーマンス、セキュリティをテストするのに役立つツールであり、ユーザーの行動のシミュレーション、負荷の生成、バグの検出ができる。
API 管理ツール14選
以下では、利用可能な API 管理ツールのおすすめと、それが API をより効率的に管理するのにどのように役立のか探ってみましょう。
1.Integrate.io
G2 の評価:5つ星中4.3
主な機能:
- API 生成
- APIのカスタマイズ
- カスタムスクリプト
- データメッシュ機能
- カスタマーサポート
Integrate.io は、企業が API を生成、管理、保護、監視し、データ製品を強化することができる API 生成および管理機能を備えたデータパイプラインのプラットフォームでです。
主な機能には、自動 API 生成、完全なカスタマイズ、柔軟な認証、シンプルなカスタムスクリプト、高度なデータメッシュ機能などがあります。
また、ライブチャットやデベロッパー向けドキュメントなどのリソースを備えた包括的なサポートシステムも提供されており、SQL Server、MySQL、Snowflake、BigQuery など、最もよく使われているデータベースと互換性があります。
そしてこのプラットフォームは、API のデザイン要件を完全にコントロールすることでデータ品質を保証し、ユーザーはプロジェクトの成長に合わせてモジュールや機能を追加することができます。さらに、スケーラビリティは小規模なプロジェクトから大規模な企業展開まで提供されます。
Integrate.io はシンプルな料金設定になっており、例えば「スタータープラン」は年間15,000ドルからで、そこから料金が上がっていきます。
2.MuleSoft
G2 の評価:5つ星中4.4
主な機能:
- 事前構築/カスタムセキュリティ
- 統合アクセス管理
- マイクロサービス向けサービスメッシュ
MuleSoft では、組織の API プログラムの効率的な運用と拡張を支援する包括的な API 管理機能が提供されます。そしてこのプラットフォームには、サービスの安全なロック解除と管理のための API ゲートウェイと、一貫した管理エクスペリエンスがあります。
このような機能により、企業は API 開発のための効果的な戦略を最小限の労力で構築することができ、同時に安全で高性能な管理を大規模に提供することができます。
MuleSoft の料金設定は複雑であり、料金プランは、例えば Anypoint Flex Gateway のコストは API リクエストの量によって変わるなど、特定のニーズによって変わってきます。
3.IBM API Connect
G2 の評価:5つ星中4.6
主な機能:
- 強固なセキュリティ機能
- セルフサービス機能
- 完全な API ライフサイクル管理
IBM API Connec は、企業が単一のプラットフォームから API を全て管理できるように支援する、安全で信頼性の高い API 管理ソリューションであり、特定の消費者市場向けに API をパッケージ化して、ガバナンスとバージョン管理を提供します。
またこのプラットフォームは、セルフサービスのポータルとサブスクリプションのツールによってコミュニティ管理をサポートする一方で、エンタープライズグレードのゲートウェイによってエンドポイントの保護を支援します。
料金は、AWS(Amazon Web Services)の software-as-a-service ベースで月額83ドルから、または IBM Cloud でホストされるシングルテナントサービスで月額6,504ドルから利用できます。
4.Jitterbit
G2 の評価:5つ星中4.6
主な機能:
- ポイント&クリック機能
- 直感的なインターフェース
- シンプル化された API 生成
Jitterbit の API 管理機能では、API ライフサイクル全体に対するパワフルで完全なソリューションが提供されます。
このプラットフォームにより、ユーザーは直感的なグラフィカル・インターフェースでサッと API を作成および管理でき、企業規模の API ゲートウェイを通じて API を公開でき、デベロッパーは安全な API の発見および利用ができるようになります。
また、Jitterbit の API Managerを使えば、ユーザは既存のデータに基づいて API をサッと生成することができます。ポイント&クリックプロセスによるアジャイル開発が可能になり、組織はより少ないリソースでより短い時間で新製品、チャネル、戦略をサッと展開できるようになります。
料金設定は、「スタンダード」、「プロフェッショナル」、「エンタープライズ」の3つの料金プランがあり、料金プランは全て営業チームからの見積もりが必要です。
5.Microsoft Azure API Management
G2 の評価:5つ星中4.2
主な機能:
- 認証およびその他のセキュリティ機能
- リアルタイムのデータ分析
- シンプル化された開発者ポータル
Microsoft Azure API Management は、API の公開、セキュア化、変換、保守、監視ができるようになるフルマネージドサービスであり、API の作成から利用までのライフサイクル全体を管理することができます。
Microsoft Azure API Management の主な機能には、以下のようなものがあります:
- セキュリティ: 認証、リクエストごとの承認、レート制限機能などのセキュリティ機能がある。
- 変換: Azure API Management により、デベロッパーは Web レガシーサービスを強力な REST ベースの API に変換できる。
- 監視および分析: 利用パターン、トラフィックの傾向、エラーの追跡などに関するリアルタイムの分析にアクセスできる。
- 開発者ポータル: このポータルでは、デベロッパーは使いやすい開発者ポータルのインターフェースを通じて、アプリケーションの登録やキーの取得を簡単に行える。
料金プランには、「Developer」、「Basic」、「標準」、「Premium」、「Isolated」があり、料金は1時間あたりの料金になります。
6.Workato
G2 の評価:5つ星中4.7
主な機能:
- フルライフサイクルの API 管理
- API ダッシュボード
- API のカスタマイズ
Workato の API 管理プラットフォームは、社内チームと社外パートナーの両方の API の完全なライフサイクルを管理できるようにデザインされています。また、Workato の包括的なツール群により、デベロッパーはエンドユーザーがすぐに利用できる安全で構造化された API を作成できます。
このプラットフォームにはまた、直感的な UI(ユーザーインターフェース)体験があり、それによって、デベロッパーはプロジェクトをサッと立ち上げて実行しやすくなっています。
Workato の料金設定は、現在 Webサイトでは公開されていないので、ユーザーはデモを予約して詳細を聞く必要があります。
7.SAP Integration Suite
G2 の評価:5つ星中4.3
主な機能:
- リアルタイムの処理およびモニタリング
- 強固なセキュリティ機能
- OData および OpenAPI 仕様への準拠
SAP Integration Suite は、企業がオンプレミスとクラウドベースのアプリケーション、システム、プロセスを接続できるようにする iPaaS であり、その API 管理機能は、API の作成、管理、セキュリティ保護プロセスを効率化してくれます。
このプラットフォームには、リアルタイムでの処理および監視機能があり、企業は顧客、従業員、パートナーに速やかに対応できるようになります。さらに、API 認証、認可、脅威検出のための強固なセキュリティ機能を提供することから、業界標準への準拠が保証されます。
料金は、SAP のスタンダードプランでは、1テナント/あたり月額 4,150ドルとなり、Premiumプランの場合は、営業チームへのお問い合わせが必要です。
8.Postman
G2 の評価:5つ星中4.6
主な機能:
- 生成からテストに及ぶ、さまざまな API ツール
- API ドキュメンテーション機能
- API ガバナンスツール
Postman は、API の構築、テスト、管理に必要なツールが全て詰まった API プラットフォームです。様々な認証プロトコル向けにサポートが内蔵されており、リクエストをコレクションに整理して再利用することができます。
また、このプラットフォームでは、リクエストをコレクションに整理して再利用できるため、すべてをゼロから構築する時間と労力が節約されます。そして、JavaScript でのリクエストの結び付け、一般的なワークフローの自動化、スクリプトを使用した API レスポンスのチャートやグラフとしての視覚化ができます。
料金は、無料プランのほか、「ベーシック」、「プロフェッショナル」、「エンタープライズ」の3つの料金プランがあり、ベーシックプランは、1ユーザーあたり月額12ドルからになります。
9.Apigee
G2 の評価:5つ星中4.4
主な機能:
- API生成機能
- モニタリングおよび分析
- 強固なセキュリティ
Apigee は、企業が API を構築、管理、保護することを可能にする、主要な API 管理プラットフォームであり、ネイティブの Google Cloud の API 管理ツールなので、拡張性、セキュリティ、自動 API 管理機能が強化されています。
このプラットフォームで、企業はあらゆるアプリ、システム、サービスからデータのロックを解除して標準化し、強固なポリシーと高度な制御で各 API のトランザクションを保護することができます。
また、信頼性の高いパフォーマンスと実用的なインサイトを提供する監視および分析ツールがあることから、ビジネスは顧客やパートナーに迅速に対応できるようになります。
料金については、従量課金制だけでなく、ニーズに応じたサブスクリプション型の価格設定も可能です。
10.SwaggerHub
G2 の評価:5つ星中4.5
主な機能:
- スマート API エディタ
- OAS(OpenAPI 仕様)に準拠
- 使いやすい統合
SwaggerHub は、チームの高品質な API のデザイン、開発および保全を支援する強力な API 管理プラットフォームであり、OAS(OpenAPI仕様)に準拠した直感的なエディタが特徴です。
また、このプラットフォームは、自動通知、API のバージョン管理、デプロイをしやすくする安全な統合により、クラウド上でホストされる中央の内部レポジトリから API ライフサイクル全体を促進します。
SwaggerHub を使うことで、API のデザインと管理プロセスがシンプルになり、その包括的な機能と機能のセットにより、より速くて安全な共同 API 開発ができるようになります。
料金は、無料プランの他に「チームプラン」と「エンタープライズプラン」という2つの料金プランがあり、チームプランは月額79ドルからになります。
11.Dell Boomi
G2 の評価:5つ星中4.3
主な機能:
- 完全な API ライフサイクル管理
- 使いやすいインターフェース
- API 監視
Boomi では、インテリジェントでユーザーに優しいインターフェースが使われており、それによって組織は API やサードパーティのサービスを介してリアルタイム統合を設定および公開できるようになります。また、Boomi を使うことで、オンプレミス、クラウドを問わず、データアクセスを管理し、API を簡単に公開および管理することができます。
同プラットフォームで、デベロッパーはモバイル、ソーシャル、IoTネットワークにまたがる複合アプリケーションを作成することができ、Boomi の API 開発者ポータルは既存アプリからのデータアクセスを効率化してくれます。
Dell Boomi の料金はサブスクリプションベースで、ニーズや特定の機能に基づいて払うことができます。
12. Kong Konnect
Gartner の評価:5つ星中4.7
主な機能:
- マルチクラウド のAPI 管理
- セキュリティとトラフィック制御のための強力な内蔵プラグイン
- 強固なカスタマーサポート
Kong Connect は、マルチクラウドの API 管理をシンプルにするためにデサインされたエンドツーエンドの SaaS API ライフサイクル管理プラットフォームであり、複数の環境にまたがる大規模なサービスを安全に接続することができます。
このプラットフォームでは、ランタイム、サービス、チーム、環境を論理的なグループに編成することで、一貫した構成とポリシーを大規模に実装できます。
また Kong Konnect は、カスタマイズ可能なコントロールとプラグインにより、API セキュリティのベストプラクティスを適用し、コンプライアンス要件を満たすことで、APIセキュリティ、コンプライアンス、ユーザー管理を効率化します。
料金については、Kong Konnect は無料で始めることができ、その他にも「Plus」と「Enterprise」というプランがあり、Plus プランは月額250ドルからになります。
13.WSO2
G2 の評価:5つ星中4.5
主な機能:
- オープンソースのプラットフォーム
- OAuth、OpenID、Connect、JWT 標準をすぐに利用可能
- 完全な API ライフサイクル管理
WSO2 API Manager は、API のデザイン、公開および管理を支援するオープンソースのプラットフォームです。これを使って、API の社内外のコンシューマへの公開や業界標準の認可フローの実装、既存のアイデンティティアクセスや鍵管理ツールとの統合もできます。
またこのプラットフォームは、API のライフサイクル全体に対するデザインと実行時のガバナンスを提供し、それによって既存のサービスからの API の構築、社内で構築されたアプリケーションやサードパーティプロバイダからの API の管理、API の開始から廃止までの使用状況とパフォーマンスの監視ができます。
料金は、非商用ユーザーは無料で WSO2 を使用でき、企業は WSO2 のサブスク登録をすることで、追加機能を解除することができます。料金の情報については、気になる方は営業チームにお問い合わせください。
14.TIBCO
G2 の評価:5つ星中4.1
主な機能:
- API の一元管理
- クラス最高の API セキュリティ機能
- パブリッククラウド、プライベートクラウド、またはオンプレミスのデプロイ
TIBCO Cloud API Management は、フルライフサイクルの API 管理機能を備えたエンドツーエンドのソリューションです。パブリッククラウド、プライベートクラウド、またはコンテナ化されたオンプレミスに導入することができ、あらゆる PaaS と互換性があるため、事実上どこからでも API を管理することができます。
このプラットフォームには Visual API Modeling のためのコードレス環境があり、それでサービスの探索とテストをしやすくするための OpenAPI ドキュメントと AsyncAPI ドキュメントが生成されます。これによって、他の API 管理ツールではなかなか見られない、コードを一行も書かずに API を作成することができます。
料金は、30日間の無料トライアルをなどの柔軟な料金プランを提供されており、例えばベーシックプランは月額500ドルからで、そこから料金が上がっていきます。
Integrate.ioで API を効果的に管理しよう
API の管理が複雑である必要はありません。Integrate.io で API の生成や管理、保護および監視を行いましょう。こちらの無料のデモにサインアップして、ぜひこのプラットフォームをお試しください!
API 管理に関するQ&A
Q. なぜ API 管理が重要なのですか?
A. API 管理は、API のセキュリティ、スケーラビリティ、ガバナンスを確保すると同時に、デベロッパーはシームレスな体験を得られ、システム間の統合は可能になることから、企業にとって極めて重要なものとなります。
Q. API 管理は例えばどんなものがありますか
API 管理の例として、API ゲートウェイの使用があります。API ゲートウェイは、API コンシューマーとバックエンドサービス間の仲介役として機能し、それによって、企業は単一のエントリーポイントで API を管理および保護できるようになります。また、API ゲートウェイは API リクエストの送受信を管理し、セキュリティポリシーを実施します。
例えば、支払いを処理するために支払いプロバイダーへの接続が必要な EC Webサイトがあるとします。各決済プロバイダーに直接接続する代わりに、ECサイトは API ゲートウェイに接続することができ、API ゲートウェイは各決済リクエストが有効で安全であることを確認します。
また、API ゲートウェイは、全体的な決済処理のパフォーマンスを上げるために、キャッシュやリクエストスロットルなどの追加機能を提供することもできます。
Q. どのように API 管理プラットフォームを選べばいいですか?
API 管理プラットフォームを選ぶ際は、本記事で取り上げたツールの簡単なリストを作成し、デモをリクエストしてニーズに合うかどうかを確認し、トライアルを開始して、どれが最適かを決めるのが一番いいやり方です。