データモデリングツールについての主なポイント5つ
- データモデリングは、データがどこに保存され、どのようにシステム間を移動するかを企業が理解するのに不可欠である。
- データ モデリング ツールは、現在のシステムとツールをの再構築や、新しいデータベースのゼロからのデザインをするためのインサイトを提供する。
- 一番いいデータモデリングツールは、チームの時間の節約につながる、統合された標準や自動スキーマ生成などの高度な機能を備えている。
- データモデルの維持によって、特に法規制の遵守やセキュリティに関して、データ資産をより効果的に管理出来るようになる。
- データモデリングツールは色々あるが、適切なツールを見つけるというのは、組織の要件を事前に理解しておくということである。
会社が保存しているデータ量を把握してますか?どのような目的のためにどのようなデータが利用されているかわかりますか?あるシステムから別のシステムへデータがどのように流れるか、イメージできますか?このような点を理解することがデータモデリングの目的であり、データモデリングツールは、システム内のデータを視覚的に表現することで、基盤となるアーキテクチャを最適化し、データの保存、管理、活用をサポートします。
データモデリングのソリューションをお探しですか?以下に、市場で最も優れたデータモデリングツールをご紹介します。
データモデリングとは
データモデリングは、手作業でもツールを使っても行え、「異なるデータオブジェクト間の関連付けと、それらの間のデータの流れに影響を与えるルールを示すデータモデルの生成」を目的としています。データモデルは、データの保存場所を視覚的に表現するだけでなく、命名規則、セマンティクス、セキュリティ、デフォルト値、規制遵守、さらにはセキュリティの実践における一貫性もサポートします。
最高のデータモデリングツールだと、上記のことが迅速かつ簡単に実現され、また、データモデルのゼロからの構築や、既存のデータモデルの再デザインをする場合に、それを変更するためのツールも提供されます。同時に、このツールによって、業界や政府のガイドラインに基づいた標準やベストプラクティスを用いてチームを指導し、データモデルの変更を実施できます。
今日よくある環境の複雑さを考えると、データモデリングのツールは必要です。ただ、すべてのツールが同じように作られているわけではないことから、チームは選択の前に、かなりの時間をかけて、現在のシステム、懸念事項、および目的を理解しなければいけません。
データモデルが重要な理由
効率的なデータ管理は、データシステムと、データの保存、移動、使用方法の関係を十分に理解しない限り不可能です。既存のデータベースが直感的であることは稀であり、初日から思慮深いデータベースのデザインを実施し、以降データアーキテクチャ戦略を維持していない限り、ビジネスに論理的なデータモデルが欠けている可能性が高いです。
データベースシステムの乱れを無視して、日々の業務プロセスを進めることは簡単ですが、そうすると、データベース管理者の生産性は下がり、エンタープライズのデータガバナンス、BI(ビジネスインテリジェンス)、効率的なビッグデータ管理に関する問題が発生する可能性があります。
データがない状態でゼロから始めるのでなければ、データベースのクリーンアップは、まずはデータベースのモデリングツールでデータベースをリバースエンジニアリングすることによって、データベースを理解するということです。そのツールによって、単にデータソースの特定だけでなく、さまざまなコンポーネント間の関係をみることができ、その結果、データモデリングは、ビジネスの効率化をサポートすべく、データベースの構造、フォーマット、フロー、依存関係を明らかにします。
さらに、最高のデータモデリングツールは、データモデルの表示だけでなく、コンセプトに基づいて作業することで、変化するビジネスニーズに合わせたデータベースの再デザインや、新しいデータベースのデザインができます。その上、完璧なデータモデルが決まれば、このようなツールでスキーマの自動生成ができるようになります。言い換えれば、適切なデータモデリングツールを使えば、企業のアーキテクトの労力は数週間分節約できることになります。でも、どのようにツールを選べばいいのでしょうか。
データモデリングツールに求められるもの
小規模な企業にとっても、データモデリングは複雑な作業になることがあります。特に、オンプレミスのサービス、クラウドのデータウェアハウス、サードパーティのSaaSツールを組み合わせて扱う場合、このようなシステム間でデータがどのように移動するかを示すフローチャートの作成だけでも、大変な作業になります。ただそこで、適切なデータモデリングツールを選びさえすれば、その重労働を代わりにやってくれます。
データモデリングツールに求められる主な機能には、以下のようなものがあります:
- ビジネス目標やユースケースとの整合性。アプリ開発チームとデータベースのデザインチームが一緒に仕事をする場合、ツールは、両グループが標準的なアプローチを確実に取るために、両者が求める機能の提供をする必要があります。
- IT部門と他のビジネスユーザーとの連携のサポート。例えば、 データモデリングツールを技術的に未熟なユーザーでも利用できるようにするには、ユーザーインターフェースと視覚化機能が大きな役割を担います。
- NoSQLデータベースのような、さまざまなプラットフォームやデータベースの種類の分析。同様に、非構造データの扱いに非リレーショナルデータベースを使っている場合、それに対応したツールが必要です。
- 今後のデータベースへの取り組み方の指針となる記法やベストプラクティスを含む、内蔵のデータモデリング標準。また、データベーススキーマを生成してくれるツールを探して、時間を節約するのもいいでしょう。
- デザインツールとの互換性。例えば、ツールによっては、独自のフォーマットでデータモデルを提供するものもあります。これがよくない選択というわけではありませんが、ツールの使い方が変わってくる重要な検討事項ですので、決定する際にはこの要素を無視しないようにしましょう。
最終的には、データモデリングツールを選択する前に、主要なステークホルダーと話し合って、コンセンサスを得る必要があるでしょう。ビジネスのニーズを把握すれば、どの程度の自動化を望んでいるのか、どのようなモデリング言語を使いたいのかなど、自分の求めているものが見えてくるはずです。そういった情報を念頭に置き、次のステップでは、選択肢の上位の比較を行います。
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オススメのデータモデリングツール
データモデリングソフトウェアは、長い道のりを歩んできました。機械学習を統合したツールもあれば、ドラッグ&ドロップで複雑な実体関係図を簡素化できるツールもあり、さらにチュートリアル、テンプレート、ベストプラクティスを提供して、プロジェクト管理の最適化を支援するツールもあります。要は、同じツールは2つとなく、会社の具体的なニーズに関して、時間をかけて選択肢を綿密に評価することが、正しい決断につながるのです。
解決策を見つけるための第一歩として、ここではオススメのデータモデリングツールをご紹介します。
1.Erwin Data Modeler
Erwinは、MySQL、PostgresQL、Oracle、Netezzaなどをサポートすることができる柔軟なツールです。また、リバースエンジニアリングやフォワードエンジニアリングを使用できるため、ソフトウェア開発チームにとって様々なユースケースに対応できるツールです。
企業(特にレガシーシステムからの移行を検討している企業)の間で好評であることを考えると、Erwinが、ユーザーに優しいインターフェースや強力なツール、および複雑で大規模なシステムを明確にする能力などに関連する数々の賞をとっているツールであるのも頷けます。
Erwin を利用するメリットとしては、以下が挙げられます:
- システム内のどこにあっても、構造化データも非構造化データも可視化できる
- 概念的、論理的、物理的なデータモデルを一元的に作成可能
- データ品質の維持のための、エンタープライズのデータ標準の適用が簡単
- アジャイル開発、ハイブリッドアーキテクチャのサポート
- すべてのステークホルダーがデータに扱えるようにすることによる、データ活用の向上
価格:無料トライアルあり、価格についてはセールスチームへの問い合わせが必要
2.Oracle SQL Developer Data Modeler
Oracle SQL Developer Data Modeler は、特に小規模なチームやシステムにおいて、データ・モデリング作業をシンプルにするための無料ツールです。このツールを使うと、論理的、物理的、リレーショナルなデータモデルの作成が簡単にでき、フォワード・エンジニアリングとリバース・エンジニアリングを同期させた多次元モデルのサポートもあります。
このツールは、市場で最も強力なオプションではありませんが、オンプレミスおよびクラウド環境をサポートできます。無料であるがゆえに、モダンなユーザーインターフェースというコストがかかることになりますが、その中でも特に優れた機能を以下にご紹介します:
- 統合されたソースコード管理による、チームの連携の簡易化
- バーカーやバックマンを使った表記
- ルールのデザイン、名前の標準化、モデルのフォーマット化
価格:無料(オープンソースのツール)
3.MySQL Workbench
MySQL Workbench も無料ツールであり、Oracleのツールに比べ、よりアップデートされたGUI(グラフィカルユーザインターフェース)が提供されます。実際、このツールはその直感的な操作性が評価されており、最小限の学習曲線でチームの時間を節約できることは間違いないでしょう。MySQL Workbenchは、デザイン、開発、管理、そして可視化を比較的簡単に行うことができる機能を備えた、よく考えられたツールです。
無料ツールに期待される以上のものが提供される視覚的な性能を備えたダッシュボードにより、Workbenchでは日常的に期待以上のものが提供され、さらに、マイグレーションをサポートするツールもあります。MySQL Workbench の最も優れた機能は以下があります:
- ERモデル(実体関連モデル)の生成や複雑な変更管理、文書化の作業が必要な場合でも、ビジュアルツールを使って簡単にデータベース管理ができる。
- シンタックスハイライト、再利用可能なスニペット、実行履歴などの機能を備えたネイティブエディタを使って、SQLクエリを作成および最適化し、データベースへの接続を迅速に行える。
- サーバーの状態、ユーザー情報、バックアップ、リカバリーツール、監査データなどを表示するビジュアル性の高いコンソールにより、データベースのすべてを可視化できる。
価格:無料(オープンソースのツール)
4.ER/Studio
ER/Studio は Erwin と同様、プレミアムで拡張性のあるプラットフォームで、エンタープライズや大企業に強力なデータモデリングツールを提供してきた長い歴史があります。このツールは Windows 専用ですが、ER/Studio は多くのデータベースをサポートしています。さらに、ツールに関してオプションが4つあり、一番使われているものは、コンセプトマッピング、スキーマの自動生成、Jiraとの統合をサポートしています。
ER/Studioは、Erwin ほどモダンなインターフェース(またはウェブサイト)ではないかもしれませんが、機能性は万全です。OSとの互換性が限られているにもかかわらず、すべて要約することは不可能なほどたくさんの機能がありますが、最も注目すべきは以下の通りです:
- データディクショナリーを用いて標準的なデータ要素を確定し、データモデル全体に適用する
- ソーシングルールやソース/ターゲットマッピングにより、システム間のデータ移動を視覚的にドキュメント化する
- モデルや構造を双方向に比較し、高度なツールを使って統合する
- メタデータを追加し、上流または下流に表示するオプションで、あらゆる種類のモデルオブジェクト間のユニバーサルマッピングを作成する
価格: 無料トライアルあり、価格については営業への問い合わせが必要。
5.IBM InfoSphere Data Architect
IBM の典型的な手法として、InfoSphere は右肩上がりです。さまざまな機能と優れたクロスプラットフォームの互換性により、InfoSphereはデータ統合を加速させることができ、 その結果、BI(ビジネスインテリジェンス)とデータマネジメントのイニシアチブをより効率的に開始できることがわかります。
IBM は、チーム、プロセス、およびアーキテクチャを連携させるツールの作成に注力し、組織に直接的なビジネス上の影響を与えるようにしました。例えば、InfoSphereを使うことで、市場投入までの時間の短縮、迅速な開発、チームのよりよい連携が期待できます。このツールのその他の機能には、以下のようなものがあります:
- 組織のルールや関係を記述するための非常に詳細な論理データモデルを作成し、実行可能な物理データモデルに簡単に変換する
- ネイティブクエリによる自動メタデータ調査を通じて、システムをリバースエンジニアリングし、データソースの構造を発見する
- ユーザーインターフェースに飛び込んで、ネストされたデータ要素を含む階層を閲覧し、それによってシステムのあらゆる部分の関係とコンテクストをチームが理解できるようになる。
- Db2 などの IBM の他のツールと Microsoft の SQL Server、MySQL、Oracle などとの直接統合を利用できる。
価格:価格については、販売チームへの問い合わせが必要
6.Toad Data Modeler
Toad Data Modeler は有料ですが、このおすすめツールの中ではより手頃な価格のデータモデリングツールの1つで、20以上のプラットフォームでデータ構造の正確かつ迅速な変更が可能です。Toad には論理的および物理的データモデルをサポートし、モデル間を移動しやすくするための同期および比較ツールが提供されており、DDLやSQLの自動生成もできます。
Toad は、複雑なプロセスをシンプルにする際に威力を発揮します。デザイン、維持、文書作成のいずれにおいても、Toadは、時間のかかる作業を効率的に進めるために必要な自動化を実現します。以下は、その他の機能の一部です:
- Oracle、MySQL、SQL Server、PostgreSQL、Microsoft Accessなど、数え切れないほどのプラットフォームとネイティブに統合可能
- 既存のデータベース構造の調査に役立つレポートを自動生成
- カスタマイズツールにより、ダイアグラムに論理データを追加し、データモデルの変更が可能
- データベース構造の作成と、その迅速な文書化のためのシンプルなツール
価格: 無料トライアルあり、価格については営業への問い合わせが必要
7.Archi
オープンソースのソリューションである Archi は、エンタープライズのモデリングをサポートするのに十分強力でありながら、ArchiMate言語を初めて試す人にも十分手が届く価格になっています。ArchiMateは、オープンかつ独立したモデリング言語で、組織のデータアーキテクチャの記述、分析、可視化をサポートするものです。この言語はThe Open Groupによってホストされ、TOGAFと連携しています。
簡単に言うと、ArchiMate を使おうと思っているなら、Archi は最初に検討すべきツールですが、ArchiMate はすべての人にとって最適なモデリング言語ではありません。組織のステークホルダーがすでにArchiMateを検討し始めている場合、Archiの使用は以下のような利点があります:
- Windows、Linux、macOSに対応したクロスプラットフォームソリューション
- さまざまなアドオンを使って機能を拡張できる簡単な機能
- ArchiMateの仕様にきちんと従えば、ツールのコアバリューを解き放つことができるようになる
- XMLやExcelなど様々なフォーマットでプロジェクトを簡単にエクスポート
価格:無料(オープンソースのツール)
Integrate.io のようなプラットフォームがあれば、BI のイニシアチブを簡単にサポートすることが可能であり、高速な CDC ツールを備えた Integrate.io は、強力かつ柔軟でスケーラブルなソリューションとして、ビジネスを成功に導きます。こちらからぜひお試しください。
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上記のようなデータモデリングツールを使えば、非常に複雑なプロセスを比較的短時間で行うことができますが、このプロセスには健全なデータサイエンスが必要です。つまり、時間のかかるミスを防ぐために、早い段階でステークホルダーと関わる必要があります。
最終的に、データモデリングツールを探している大抵の企業は、例えば、オンプレミスからクラウドソリューションへの移行を完了させたい場合や、ビジネスに最も柔軟性を与えるハイブリッドモデルの導入を検討している場合など、単に既存のデータ構造を理解しようとするだけでなく、完全に再デザインしようとしている可能性があります。最終的な目標が何であれ、変更を開始する前に、その明確なイメージがないといけません。
以上のことを頭に入れておけば、データモデリングを始める準備は十分に整っているはずです。データをより簡単に移動させ、ETL(抽出、変換、格納)プロセスを通じてより良く活用するためのツールが必要でしたら、integrate.ioがお手伝いできます。14日間のトライアルにご登録いただいた後、ご要望を我々と共有できるように、ETLトライアルのデモをご予約ください。Integrate.io がお客様のデータアーキテクチャの最適化にどのように貢献できるかをぜひご覧ください。