データ分析のためのETLメソッドの重要な5事項:
- ETL(抽出、変換、格納)は 各ビジネスツールからデータ取り出し、新しくて普遍的に読める「言語」に変換し、データウェアハウスとして知られる単一のレポジトリに格納する。
- データの格納には、「多段式」と「インハウス式」の二通りがある。
- ETLプロセスの負担となるデータが少なければ少ないほど、プロセス全体がよりクリーンで高速になる。
- Integrate.ioには、リバースETL機能を備えた新しいETLツールと、リアルタイムに変更データを取り込むための超高速CDCプラットフォームがあり、ETLプロセス全体を信じられないほど簡単かつ効率的にする。
- データや最も重要なメトリクス、そしてそれをどのように追跡するかが理解できれば、ビジネスのデータ分析に最適なETLメソッドを決定するための判断材料となる。
ETLは、ビジネスの膨大なデータの中から、真の情報を発見するのに必要な重要なプロセスです。異なるデータポイントが、一度全体として分析されると、ビジネスがよりスマートで、より多くの情報に基づいた意思決定を行えるようになります。異なる別々のソースからの膨大なデータを作成する企業は、ETLがビジネスの意思決定に多大な影響を与えることがわかるのです。
でも、ETLとは何でしょうか?そして、必要なデータを見つけ、分析に最適なフォーマットで表示し、ビジネスの疑問に対する答えを出すには、どのETLメソッドが最適なのでしょうか?
ETLとは
ETL(抽出、変換、格納)は、各ビジネスツールからデータを取り出し、新しい、普遍的に読める「言語」に変換し、データウェアハウスと呼ばれる単一のレポジトリに格納します。ETL は、接続されていないさまざまなソリューションからのデータを統合し、企業がいつでもそのステータスの統一されたビューを確認できる、新しい統合データストアを作成します。
1970年代、データベースの普及が進みましたが、その当時でさえ、データを結果に結びつけることは困難でした。ETLが導入された当初は、「このデータを統合して、本当に意味のある深い分析ができるのだろうか」と、斬新な印象を受けました。その後、ビッグデータへと進化していき、最終的にETLは、膨大なデータパイプラインを合理的かつ信頼できる唯一の情報源(Single source of truth)として処理する最も一般的な方法となり、あらゆる種類のビジネスで利用されるようになりました。
ETLは、データ分析や、ML(機械学習)のワークフロー作成のベースとなるもので、様々なビジネスルールが適用された後、このプロセスによって項目が整理され、高度な分析や複数のBI(ビジネスインテリジェンス)要件に対応できるようになります。例えば、ETLを経たデータは、月次レポートなどの平均的なインテリジェンスのニーズに対応するだけでなく、高度な分析を行い、エンドユーザー体験などのワークフロー内の他のプロセスを改善することもできます。
ETLの典型的な流れは以下のようになります:
- レガシーシステムからのデータ抽出
- 品質と統一性を向上させるためのデータクレンジング
- クリーンアップされたデータの新しい別のデータベースへの格納
ETLの実用的なユースケースの実例
クリーンアップされ格納されたデータは、複数のビジネスプロセスに対するインサイトを一箇所で出し、それは最終的にビジネスの意思決定の改善につながります。一般的に、ETLは以下のような場合に特に有効です:
- 複数のソースを1つに統合する必要がある
- 各ソースは異なるフォーマットである
- プロセスは、毎日、毎時間、またはその他の合意された頻度で、繰り返し実行できなければいけない
ETLは、あらかじめ構築されたウェアハウスを最大限に活かすのにも便利です。ETLの実用的な使用例として、以下のようなものがあります:
- 衣料品卸売会社:様々な小売ブランドに商品を卸していますが、その小売ブランドのプラットフォームやシステムは全部バラバラです。データは複数のフォーマットで卸売業者に届きますが、ETLを使用してBI(ビジネスインテリジェンス)ツールや目的に使用できるようになりました。
- 毎日数千の出荷を処理する世界的な運送会社:データは、オンラインおよび物理的な小売業者、ショッピングプラットフォーム、その他のソースから取得されるため、データを分析することは不可能ですが、ETLを使用することで、冗長性と不整合の排除、つまり、データの品質を単に使用可能なだけでなく、向上させることができるというわけです。
- 金融サービス会社:新しい ERP(企業資源計画)ツールへの移行を進めていますが、この企業の既存のツールは、現在どれもデータを共有していないため、頭痛の種となっており、企業が必要とするインサイトが得られません。なので、この既存データをERPツールにうまく移行させる必要があります。Integrate.io のような ETL ツールは、他の方法よりも効率的にこのデータをクリーニングし、ウェアハウスに移動させることができます。
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ETLプロセスのステップ
「ETL」と呼ばれていますが、単にリアルタイムのデータを抽出、変換、格納するだけではなく、多くのプロセスが存在し、ビジネスが考慮する必要のあるパラメータがあります。ETL は面倒であり、慎重な計画を必要としますが、ありがたいことに、Integrate.io は API を使用しており、API ベースの ETL ソリューションは、すべてのデータ処理、コーディング、およびモニタリングをあなたに代わって行います。
ここでは、平均的なETLプロセスの典型的なステップをご紹介します:
- ソースの特定:まず、どのデータを抽出する必要があるか、それは今どこに保存されているか、そしてそれが(例えばスキーマ、ビジネスプロセス、ドメイン、レガシーソース、クラウドデータなど)どのようなデータなのか、ETLの検討において重要な役割を果たすものの把握が、最初で且つ最重要ステップです。JSON、MySQL、Amazon AWSまたはRedshift、Microsoft Azure、Java、Hadoop、Snowflakeなど、生データの生成言語は関係ないことを頭に入れておきましょう。ETLは、あらゆる量のデータとその言語を取り込み、1つの一貫したデータベースに変換します。
- コネクションの構築:データの種類とソースがわかったら、適切なデータ抽出コネクタを特定します。このステップでは、カスタマイズされたコーディング、または既成のETLツールが必要であり、コネクターは、抽出データの品質を損なうことなく、スムーズなデータフローを実現します。特定のデータセットに対応するコネクタが存在しない場合は、Integrate.io にメールでお知らせ下さい。あなたがしなくていいように、我々が拡張性のあるコネクタを構築します。
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データ抽出: コネクタが設置された後、データ抽出のプロセスが開始されます。コードはファイル形式に関係なくデータを抽出し続け、ウェアハウスやデータベースに落とします。この時点では、データは抽出されてウェアハウスに置かれるとはいえ、まだ元の形のままです。ここから、将来の処理を標準化するために、すべてのデータが共有する形式に変更や変換されます。
- データクリーニング:最初にウェアハウスに落とされたとき、すべてのデータは標準化されておらず、まだ検証されていないという意味で、クリーンな状態です。データを検証し、要約することをデータプロファイリングと呼び、データプロファイリングは、データの内容に関するインサイトを出し、データをクリーニングして変換に備えるための最適な方法を知らせます。
- データ参照の構築:データ参照は、データが準拠すべき特定のパラメータです。このような参照は、データソースからターゲットデータベースに変換する際にも役立ちますが、ETLツールが必要としない場合は不要なステップです。
- ログの設定:アクティビティのログを取ることは重要です。ロギングのフレームワークを使うと、ジョブの状態、レコード数、および実行を記録でき、ログでプロセスの動作の詳細な記録や、データのボトルネックやエラーの掘り下げができます。
- データ検証:データ抽出後のデータ検証は、言うまでもなく重要です。各データポイントが確実に設定した範囲内であることをチェックし、範囲外であればデータは拒否されます。例えば、過去1日分のデータを抽出する場合、1日以上前のデータは自動的に拒否されます。
- データ変換:データ検証の後、データ変換が始まります。例えば、CRM(顧客関係管理)やERPツールの顧客名や住所などの情報を、その顧客に関する1つの項目に絞り込むなど、データの重複をチェックし、さらにクレンジング、標準化、ビジネスルールの適用、データの完全性などをしっかりと確認します。
- データステージング:データステージングとは、最終的な格納のために変換されたデータを準備するステップです。データは常に、ターゲットデータベースへの最終的な格納の前にステージングが必要です。ステージングは、致命的なエラーが発生した場合に、データを確実に保持する(ロールバックできる)チャンスであり、また、ステージングステップでは、データが規制に準拠していることを確認するためのレポートを実行することができます。
- 格納:ステージングレベルですべてのデータが実行可能であることを確認したら、次はそのデータをターゲットのウェアハウスに格納する番です。ビジネスのニーズに応じて、新しいデータバッチの格納時にこの初期データを上書きするか、新しいデータがウェアハウスに格納されるたびにデータを追加または修正します。
- チェックポイントの作成:データセットにETLを使用する際には、常にチェックポイントを作成することをお勧めします。データを移行する際にエラーはつきものですが、チェックポイントを作成することで、より小さなデータグループの検証や、エラー発生時のロールバックを開始することができます。また、チェックポイントを設定しておけば、エラー発生時点から格納を再開することができ、最初からやり直す必要がなくなります
- 今後の格納のスケジューリング:スケジューリングは、ETL自動化の最後のステップですが、最も重要なステップです。格納は、毎日、毎週、または毎月スケジュールすることができ、また、格納のスケジュールをカスタマイズすることも可能で、組織に合わせて設定できます。スケジュールに従って格納されたデータには、タイムスタンプをプログラムすることができ、ロールバック時にさらに役立ちます。ただし、タスクの依存関係やスケジューリングが不適切な場合、メモリやパフォーマンスの問題につながる可能性があるため、スケジュールやプログラムには注意が必要です。
ETLのT - データ変換
データのクレンジングが完了したら、ターゲットのウェアハウスまたはステージングのウェアハウスへのデータ移動が必要です。ETLの変換ステップでは、データを標準化し、構造化して、最終目的地であるターゲットのウェアハウスに移動できるようにします。以下は、データ変換の方法2種類です:
- マルチステージ:前述したように、ステージングとは(すべてのケースで必要というわけではありませんが)、抽出後にデータをステージングエリアに移動するETLメソッドのことです。変換はステージングの後、格納の前に行われます。これが本当のETLです。
- ウェアハウス内:ステージングエリアがない場合、この方法はETL(抽出、変更、格納)とは対照的にELT(抽出、格納、変換)となり、データ抽出後、対象となるウェアハウスに格納し、ウェアハウス内で変換を行います。
ここでは、基本的な変換方法と高度な変換方法について見ていきましょう。
基本的な変換
基本的な変換では、以下が行われます:
- フォーマットの標準化:データの種類や長さをフィールドフォーマットによって標準化し、検索しやすくします。
- データクレンジング:データクレンジングは、標準化の後に行われるもので、値のマッピングが行われます。例えば、MaleはMに、フィールドが空の場合は0に、あるいはn/aになど、その組織にとって意味のあるマッピング値が設定され、重複する項目は削除されます。
- データ制約の設定:データ値間の関係を確定します。
高度な変換
高度な変換では、以下のステップが追加されます:
- フィールドデコーディング:データを複数のツールから抽出する場合、同じ種類のデータに対して異なる命名規則が適用されることがあり、また、レガシーシステムや旧式のシステムでは、異なるデータフィールドを表す暗号化されたコードが使用されている場合があります。そのため、フィールドの命名規則や内容を見直し、重複する情報の削除や、ビジネスセンスに合ったタイトルのフィールドへの改名が必要になります。
- 情報結合:関連するフィールドの結合が一般的です。これにより、商品、価格、タイプなど、関連するフィールドを1つの項目として表示することができます。
- 単一フィールドの分割:情報統合の反対で、単一フィールド分割は、氏名など大きなフィールドのテキストを「名字」と「名前」に分割することです。
- 計算値または派生値:総コストや利益率の算出など、データをウェアハウスに読み込む前に集計が必要な場合があります。
サマリー:いくつかのフィールドを計算して合計値を出せるように、値をまとめます。このような計算は、将来の報告のために様々なレベルで保存することができます。
効果的な格納の考慮事項
抽出や変換は問題なくできても、どの段階であれ格納でつまずくと、結果も同じように不十分なものになります。効果的な格納のために考慮すべき点は以下の通りです:
- データをウェアハウスに格納する前に、インデックスを削除する:インデックスは後でいつでも再構築できます。
- パーティションは時間間隔で管理する:パーティショニングの最大の戦略は、年、月、または四半期ごとに行うことですが、ニーズによっては、部署別など、独自のビジネス・プロセスに適した間隔でパーティショニングすることもできます。
- 増分格納する場合、データベースはソースとの同期が必要:増分格納はフルロードと比較すると、少し複雑です。
さて、ETL を使ってデータを「準備」する方法がいくつかわかってきたと思います。でもデータ「分析」に関しては、どの方法が自身ののビジネスに適しているのでしょうか?どの方法が、自身のビジネス特有のデータに対する最大のインサイト出すのでしょうか?結論を出すには、統合のためのベストETLプラクティスの確認が必要です。
組織に最適な ETL プロセスを決めるのにお困りですか?Integrate.io は、最高の ETL ツールの 1 つでです。この新しいETLプラットフォームには、ETLとリバースETL(ELT)の両方の機能があり、eコマースやその他のビジネスに最適な光速のCDC(変更データ取得)プラットフォームがあります。デモをご希望の方は、こちらまでぜひお問い合わせください。
ETLのベストプラクティスとは
ETLがビジネスのデータ分析にどれだけ有効であるかは、プロセスの実施方法と使用するデータ統合ツールに大きく依存しています。ETLプロセスの効率性よって、最適なデータウェアハウス管理にもワークフローの完全な崩壊にもなり得るのです。ETLプロセスを最大限に活用するには以下が必要です:
最小限の入力
どのデータが必要で、どのデータは重要でないのか?扱うデータソースはいくつあるのか?ETLプロセスの負担となるデータが少なければ少ないほど、プロセス全体がよりクリーンで高速になります。最初の段階で不要なデータセットをすべて取り除きましょう。例えば、データセットに重複した項目があることが分かっている場合、開始前にそれらを削除しておきます。そうすることで、プロセスの後半でデータを徹底的にクリーニングする必要がなくなります
増分更新
データセットを選択する際に、更新のたびにすべての情報を送信するのではなく、新しい情報のみを追加するような設定を考えましょう。新しいデータセットだけがETLパイプラインに送られるため、更新のたびにゼロから始める必要はありません。データの増分更新は実装が難しいかもしれませんが、長い目で見れば十分な価値があります。
また、ETLの真言には、次のようなものがあります:
- データ品質の最大化
- 並列処理の考慮
- 小さなデータベースの維持
- 常時キャッシュデータ
- 主要なパフォーマンスメトリクスの設定
- そのメトリクスの追跡
Integrate.io の ETL ツールがお手伝いします。ETLプロジェクトのベストプラクティスを提供するだけでなく、自身が必要とするほとんどすべての統合に特化しており、もしまだない場合は、こちらでそれを構築します。
最後のヒントとコツ
取り入れることがたくさんあるように思えるかもしれませんが、ETLの専門家がいれば、データ分析に最適なETLメソッドを選択することができます。そしてKPI の設定は重要です。何を追跡したいのかを知ることで、必要な答えを導き出すことがより簡単になります。最後に、これらのヒントと戦略をご紹介します。
効果的なETLプロセスのために、、、:
- 整合性制約を含む:これらは、適切なカラムに値があるかどうかをダブルチェックします。新しい行が読み込まれて外部項目が更新されると、制約は外部項目が存在するときに適用されます。
- すべてのデータをきれいにしようと思わない:超クリーンなデータがベストなのでしょうか?もちろんです。でもすべてのデータをクリーニングすることは、データがクリーニングされるのを待つか、データのクリーニングに費用を払うということです。いずれにしても、大抵の企業は、ウェアハウスを立ち上げて運用するところまで到達したいだけなのです。
- でも最も重要なデータはクレンジングしましょう:データベース全体のクレンジングを試みるべきではありませんが、全くデータをクレンジングしないことは、少なくとも最も重要なデータセットをクレンジングするのにかかった時間よりもはるかに長い時間を作業に費やすことになります。クリーンなデータは信頼できるデータなのです。
Integrate.ioによるデータ分析に最適なETLメソッド
組織にとって最適な方法は、以下のような要因によって決まります:
- ETLプロセスにかけられる時間
- 追跡しているメトリクス
- 情報を取得しようとしているツールの数
Integrate.ioの高速CDCプラットフォームは、その後の格納を実質的に全く時間をかけずに行うことができます。自身の組織に最適な ETL 方法を見つけるお手伝いをいたします。今すぐデモを予約して、明日からレポートを実行し、データ分析を始めましょう。