Integrate.io のデベロッパー向けツールキットは、リアルタイムデータストリームを使ったアプリケーションの構築に焦点を当てた技術専門家のための、詳細なリソースとして機能します。そこでこのガイドでは、さまざまなリアルタイムデータソース、メッセージングプラットフォーム、および API を統合する方法について詳しくご説明します。

本記事の主なポイント5つ:

  1. Integrate.io のデベロッパー向けツールキット: リアルタイムデータストリームの統合を必要とするアプリケーションを構築する専門家のためにデザインされている。
  2. 手作業による統合の課題へのソリューション: Integrate.io で、最小限のコーディングと柔軟なデプロイメントでの API の作成ができ、それで柔軟性に欠けるデータ処理のパイプラインや手動データ統合で直面するスケーラビリティの制限などの課題に対応する。
  3. リアルタイムデータ: ヘルスケア、ロジスティクス、製造、ハイテクなどの分野に不可欠であり、リアルタイムデータでリアルタイムのインサイトが提供され、迅速な意思決定ができるようになる。
  4. 手動統合の課題: デベロッパーは、データソースを手動で統合する際に、柔軟性に欠けるデータ処理のパイプラインやスケーラビリティの制限といった問題に直面する可能性がある。
  5. イベント駆動型アーキテクチャ: Integrate.io で、イベントを使ってマイクロサービス間の通信を開始するイベント駆動型アーキテクチャの実装がしやすくなり、それでリアルタイムデータの統合のコンテクストにおけるアプリのパフォーマンスが上がる。

本記事では、イベント駆動型アーキテクチャー、データストリーミングのパイプライン、リアルタイム分析といった重要なトピックを取り上げます。尚このガイドは、効果的なリアルタイムデータ統合に必要な技術的ノウハウをデベロッパーに提供することを目的としています。

アプリケーションのエコシステムにおけるリアルタイムデータの台頭

リアルタイムデータのパイプラインは、世界中の組織に大きな影響を与えており、特に、ヘルスケアやハイテクなど、リアルなインサイトと迅速な意思決定が不可欠な分野で事業を展開する企業には、大きなインパクトをもたらしています。リアルタイムデータの利点は数多く、それで企業は競争力を持つことになり、成長が促されるのです。

これは、アプリケーションに依存して顧客にサービスを提供したり、データに依存してデベロッパーが最適なパフォーマンスとユーザーに優しいエクスペリエンスを提供できるようにする企業に特に当てはまります。

以下に、アプリケーションのエコシステムにおけるリアルタイムデータの主な利点を9個挙げましょう:

  1. リアルタイムのインサイトにより、企業は最新の市場データや業界の変化に基づいて戦略的な意思決定を行うことができる。
  2. 新たなビジネスチャンスをいち早く発見することで、意思決定のスピードが上がる。また、最新のユーザー行動やトレンドに基づいてアプリケーションを最適化できる可能性もある。
  3. UX(ユーザーエクスペリエンス)に影響を与える問題や、カスタマーサービスの対応時間に影響を与える問題などに速やかに対処できる。
  4. ストリーム処理によって、数十万本にも及ぶ膨大な量のストリームをパフォーマンスを損なうことなく対応できるので、データ分析がスケーラブルである。
  5. リアルタイムのストリーム処理により、大量のデータを少ない間隔で分析できるため、精度が上がり、貴重なインサイトを見逃すことがなくなる。
  6. リアルタイムのデータストリーミングにより、イベントや市場の変化に即座に対応できることから遅延が回避され、それでより良いユーザー体験を提供することができる。
  7. 組織内のあらゆる業種のデータにアクセスすることで、UX が上がり、それでユーザーのニーズを満たす、より関連性の高い、インタラクティブで直感的なアプリケーションの構築ができるようになる。
  8. リアルタイムのデータ ストリーミングの分散方法によってサーバー コストが削減され、従来の方法と比べてリソースの負担が軽減される。
  9. 機密データと顧客情報の保護に役立つネイティブ暗号化機能により、セキュリティが強化される。

Integrate.io のデベロッパー向けツールキット:概要

Integrate.io は、大量のソースにわたって機能する自動化されたデータフロー用に視覚化されたデータパイプラインを作成できる、クラウドベースの ETL(データの抽出、変換および格納)ソリューションです。

Integrate.io のデベロッパー向けツールキットで、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の作成や、最小限のコーディングでのプラットフォームのデータストリーミング機能の統合が実現すると同時に、比類のないレベルのスピードとセキュリティを提供できるようになります。なので、正確なリアルタイムデータが求められる、SQL、MySQL、BigQuery などの主要なデータコネクタにすべて対応するスケーラブルなプロジェクトを構築しようとしているデベロッパーにピッタリです。

また、Integrate.io のデベロッパー向けツールキットを使うことで、データストリーミングのパイプラインが、専門的な文書処理ソフトウェアと同様に、様々なファイル形式を効率的に扱うことができるということがわかるでしょう。余分なサードパーティツールが不要になることで、ワークフローもシンプルになりますからね。

そして、ユーザーに優しい ETL の機能や ETL のドラッグ&ドロップインターフェースで人気の Integrate.io が提供するシンプルさで、デベロッパーはデータウェアハウスやオブザーバビリティなどのタスクを自動化できるようになり、このレベルの機能性で、複数のアプリケーション、ユーザー、データパイプライン間でのデータの共有がしやすくなります。

主な特徴:

  • 呼び出しやデータ転送に制限のない API の無制限の作成
  • 最小限のコードでの API の構築
  • API の柔軟なデプロイメント(クラウド、オンプレミス、ハイブリッド)
  • OAuth 2.0 や API キーなどのセキュリティ機能の実装
  • 様々なアプリやサービスでのデータ共有
  • すべてのトップデータベースとの互換性
  • デベロッパーを支援する包括的なドキュメント
  • 充実したカスタマーサポート

リアルタイムデータソースとメッセージングプラットフォームの接続

リアルタイムデータソースとメッセージングプラットフォームを接続する際、デベロッパーは克服すべき課題にいくつか直面する可能性があり、その課題には、柔軟性に欠けるデータ処理のパイプライン、スケーラビリティの制限、コントロール不足によるネットワークパフォーマンスの問題(特にクラウド環境)などが含まれます。

このような課題を克服するために、企業やデベロッパーには、アプリケーションが最適化され、将来を保証され、意図した結果を提供できるように、従うべきベストプラクティスが数多くあります。もっと言えば、主要なガイドラインに従い、必要なテストを実施することで、データの正確性と信頼性が確保され、完璧なユーザー体験を提供することができるのです。

リアルタイムのデータソース統合を改善したい場合は、以下のヒントを参考にしてください。

  1. アプリの長期的な目標と、リアルタイムデータが機能や UX にどのような影響を与えるかなど、時間の経過とともにどのように適応していく必要があるかを検討する。
  2. データの並べ替え、分類、エラーチェックができるように、Amazon S3 などのデータ収集プラットフォームを使ってデータを一元化する。
  3. データセキュリティの向上やデータの一元管理など、統合の目標を明確にする。そのような目標がなければ、リアルタイムのデータストリームはその潜在能力をフルに活用することができず、いかなる利益も最小限にとどまる可能性がある。
  4. MDM(マスターデータ管理)システムを導入して、さまざまなソースからのビッグデータを処理し、それでより効果的にデータ管理ができるように、全データの概要を提供する。
  5. 明確な目標を設定し、プロジェクトの成功をどのように測定するかを決定するために、戦略的データ管理計画を策定する。うまくいく計画にを練るには、組織内の全部門が関与し、リアルタイムデータから何を得たいかが述べられるべきである。
  6. リアルタイムのデータソースをメッセージングプラットフォームと統合する際、見落としてはならない要素の1つが「エコシステムのセキュリティと信頼性」であり、安全な SaaS 環境で運用することで、データの安全な送信だけでなく、信頼性の高い保全が保証される。Integrate.io は、データの完全性を最優先し、データストリームを保護するための何重ものセキュリティプロトコルと高度な暗号化方法を提供している。

ケーススタディ:Fuze クラウドコミュニケーションソフトウェア

クラウドベースのコミュニケーションおよびコラボレーションプラットフォームプロバイダーの Fuze は、ビジネス会話を促進し、モバイル アプリ経由で音声、ビデオ、メッセージング、および会議サービスを提供するソリューションを求めていました。Fuze は多数のソースやイベントからデータ集め、それを Amazon Redshift のデータウェアハウスに集約していますが、プラットフォームのユーザーベースが拡大するにつれ、データウェアハウスに送信されるクエリの数も増加していきます。

このようなクエリの増加により、より速い処理や、クエリに関するインサイトが得られるためのデータ分析が必要となり、Fuze ではそのような課題を克服するために Integrate.io を採用しました。Integrate.io を利用することで、ディスクの利用率が上がり、クエリの速度低下やデータセットが使えなくなる原因を引き起こす可能性のある問題を完全に可視化することができました。

さらに、このプラットフォームにより、Fuze はリアルタイムのデータストリームを使って ETL パイプラインを最適化し、突然の CPU(中央処理装置) 使用率の急上昇などの問題を浮き彫りにすることで、データウェアハウスのパフォーマンスを上げることができました。

API:動的データ統合のバックボーン

従来、システム間のデータ入力は手作業で行われることが多く、それでミスが発生する可能性が高かったのですが、API だと、リアルタイムでエラーをチェックしながらデータ入力を自動化し、さらにこの正確なデータを自動的に共有することで、この問題が解決されます。

動的なデータ統合のために API を使うことは、正確なデータが保証されるだけでなく、自動化で貴重な時間とリソースが節約されるため、より費用対効果の高いソリューションにもなります。データ共有が効率化されることで、デベロッパーとユーザー間のコミュニケーションもより効率的になり、Integrate.io のような単一のプラットフォームを介してアプリケーションを接続することで、データ転送のモニタリングが大幅に改善されるのです。

データインデックスの作成は、API 統合におけるデータクエリのパフォーマンスの最適化や、データベースからより速く情報を取得できるデータ構造の作成という点で、極めて重要です。ただ、これはデータストリーム統合を改善する多くのテクニックの1つに過ぎず、他にも適切なデータ型の使用、サブクエリの最適化、クエリの定期的なテストやベンチマークなどがあります。

イベント駆動型アーキテクチャとデータストリーミングにおけるその役割

イベント駆動型アーキテクチャは、マイクロサービスで構成される最新のアプリケーションで使用され、さまざまなプログラミング言語を使用したり、色々な環境で実行されていても、イベントを使って各サービス間の通信を開始します。

イベントはステートの変化や更新を表し、マイクロサービスが意図した機能を実行できるように、マイクロサービスに対してレスポンスを発行します。

イベント駆動型アーキテクチャーは、以下の3つの主要コンポーネントで構成されています:

  • イベントプロデューサー: イベントをルーターに発行する
  • イベントルーター: イベントをフィルタリングし、関連するマイクロサービスにプッシュする
  • イベントコンシューマー: イベントを処理するサービス

これにより、マイクロサービスは互いに独立してスケール、更新、デプロイされ、アプリのパフォーマンスが上がります。つまりこの技術的進化は、サービスが次のタスクに移る前に応答を待つ必要があった従来のリクエスト/レスポンス・アーキテクチャに、イベント駆動アーキテクチャが取って代わるということです。

リアルタイムでのアプリケーションにおけるイベント駆動型アーキテクチャのよくあるユースケースとして、以下の3つが挙げられます:

  1. 複数のリージョンやアカウントにまたがるシステムにデータを転送するためにイベントルーターを使用し、サービスが互いに独立して動作できるようににする「クロスアカウントおよびクロスリージョンデータレプリケーション」。
  2. エラー、更新、状態変化を管理者に通知する「リソースの状態監視とアラートシステム」
  3. さまざまなスタック上で動作するシステム間で情報を共有し、分離された状態を維持できるようにする。

Integrate.io にできること

Integrate.io の デベロッパー向けツールキットは、ETL 機能により高いパフォーマンスと優れたセキュリティレベルを維持しながら、最小限のコーディングでリアルタイムのデータストリームを利用したアプリケーションを構築する上での重要な役割を果たします。また、内蔵されたモニタリングツールにより、デベロッパーは統合されたデータストリームを完全に可視化することができ、それをさまざまなアプリケーションやサービスで自動的に共有することができます。

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