eコマースは強固な技術スタックに依存していますが、そのスタックには効果的なコミュニケーションが必須です。
主なポイント
- 顧客やベンダーとのコミュニケーションにはシームレスな経路が必要であり、それにはeコマース統合の包括的なガイドが必要。
- eコマース統合によりビジネス情報が集約され、リアルタイムで休みなくデータが更新される。
- 手入力ではエラーが発生しがちなところを、統合することで報告のエラーや遅延を大幅に減らすことができる。
- eコマース統合により、専用スペース1つでビジネスの管理ができる。
- Integrate.ioは eコマース統合を実現するためのツールを提供しており、それがあればコードを一行たりとも書く必要がない。
『eコマース』と『統合』という2つの単語を合わせると、オンライン商取引の全面を網羅することになります。オンラインストアはこの単語なしでは(あるいはeコマース統合ガイドなしでは)成り立ちませんが、この2つの単語には、それぞれ独立した意味があります。
『eコマース』とはオンライン事業のことです。消費者がインターネット上で何かを購入する時は、常にeコマースが関与しており、通貨とデータは取引中に転送されます。
『統合』とは、ソフトウェアプログラムやアプリケーションなど、さまざまな場所にあるデータを組み合わせることです。データ統合により、すべての情報が1つのソースにまとまり、データの確認と利用がしやすくなります。
eコマース統合は、オンラインストアのあらゆる側面に関するデータを収集、検討、更新し、1つの視点から集約することです。そこで本記事では、eコマース統合について以下をみていきます:
- eコマース統合とは
- eコマース統合の種類
- eコマース統合の例
- eコマース統合の利点
- バックエンド統合の今
- ビジネスの準備をする方法
eコマース統合とは
EC(eコマース)ストアは、それが存在するウェブサイトや、それが販売する製品やサービスというだけではなく、その裏側では、いくつかの要素が動いています。そういったバックエンドの要素が統合されていないと、バラバラのデータの集合体として動いてしまいます。例えば、ソーシャル/コミュニケーション・チャネル、在庫管理、支払い処理、会計、ERP(企業資源計画)、CRM(顧客関係管理)ツールがあり、これらはすべて独自のデータ・ストリームを作成しますが、そのプログラムが切り離されたままだと、各プログラム内のデータは孤立してしまい、変更が実行されても、変更が発生したプログラム以外のどこにも反映されません。
物が売れる度に、その商品は物理的に在庫の一部ではなくなりますが、在庫管理プログラムがECサイトに接続されていない場合、手動での入力が必要になります。これでは手間もかかるし、ミスも起こりがちです。そしてこれは、在庫から会計に至るまで、ビジネスのあらゆる側面に言えることです。
eコマース統合の包括的なガイドがあれば、販売情報をすべて同期させることで、すべてのプログラム間でシームレスかつ正確なデータの流れが生まれ、直感的に一箇所で提示、更新、維持できることが、これからおわかりいただけると思います。
例えば、ECサイトとERPを統合することで、一箇所でデータを入力・受信しながら、システム間での情報共有を実現できます。eコマース統合により、リアルタイムの在庫更新など、すべての販売データが自動化されるため、現在使用されているすべてのツールで、重複した情報の入力や再入力の必要がなくなります。
eコマース統合ガイド:eコマース統合の種類
eコマース統合のガイドは、以下のような統合の典型的なタイプについての説明なしには成り立ちません:
- ERP統合
- CRM統合
- 支払処理システムとの統合
- 会計システムとの統合
ERP統合
ERPソフトウェアには、顧客情報、完了した注文、在庫レベル、会計情報など、豊富なデータが含まれています。ERPとeコマースを統合することで、このようなシステム間で情報の流れが生まれ、それによって、CX(カスタマーエクスペリエンス)の向上やバックエンドのオペレーションの効率化が実現します。さらに、双方向のERP統合は、双方向のコミュニケーションを促し、次のような利点をもたらします:
- データ忘れやミスの原因となる、面倒な手入力の排除
- リアルタイムでの在庫更新
- 複数のデータ入力が必要ない価格変更
- 顧客に合わせた販促物の個別化
- 在庫、注文、発送の透明性を高めることによる、顧客の購買体験の向上
- 必要に応じた、販売チャネル追加のサポート
CRM統合
CRM統合で、ECサイトとマーケティングツールが連携されます。サイトへの訪問や注文は、CRMの出荷先情報と同期され、それによって営業チームはより効率的に顧客のニーズに対応できるようになります。
CRMとeコマース統合のメリットには、以下のようなものがあります:
- 販売プロセスの自動化による、注文時のデータ入力ミスの排除
- システム、ソーシャルチャネル、その他すべてのタッチポイントにおける、ECプラットフォームの総合的な可視性の提供
- 購入履歴や放置された注文などのサイトアクティビティによる顧客のセグメント化
- 見込み客とコンバージョンの営業パイプラインレポート
その他の統合
eコマース統合は、上記の統合に加え、以下を含むECサイトのすべてのシステムを統合することで、より大きな成功へと導きます:
- WHM(在庫管理)システム。WHMシステムを統合することで、倉庫の在庫レベル、注文、出荷の精度が上がる。
- BI(ビジネス・インテリジェンス)システム。BIシステムで、ビジネスの核心を垣間見ることができる。他のデータと一緒に分析すると、企業はBIから得られたデータで、より適切で情報に基づいた意思決定を行うことができ、それによって全体的な運用効率が上がる。
- AI(人工知能)システム。顧客をサポートするAIチャットボットや、過去の商品検索や購入履歴に基づいて顧客におすすめ商品を送信するプログラムなどのAI(人工知能)システムは、ECショップと統合することで価値あるツールになる。
- 追加システム。決済システム、会計システム、コンプライアンスシステム、財務システムをECサイトに接続すれば、分析に必要なあらゆるデータを収集できることを想像してみよう。
Integrate.io は、統合のニーズに対するノーコードの答えです。当社には、ビジネスのあらゆる側面において、次のようなeコマース統合のソリューションを提供しています。
…その他にも、超高速の ETL(抽出、変換、格納)、ELT(抽出、格納、変換)、および CDC(変更データキャプチャ) 機能を備えています。デモをご予約頂き、ビジネスの運営をどのように変えることができるかをぜひご確認ください。
eコマース統合のメリット
eコマース統合には、ビジネスの全データを一箇所に集めることに包括的な利点がありますが、それだけで他の豊富な特典が以下のように可能になります:
- すべての販売プラットフォームとソーシャルチャネルにおける体験の個別化、デバイス別の体験の最適化
- 顧客が商品を探しやすいように、Webサイトのナビゲーションをカスタマイズ
- 複数の支払い方法に対応し、効率的な支払いを実現
- ターゲットセグメントによる価格、オファー、割引のカスタマイズ
- 顧客登録プロセスの自動化
- 法人の顧客への、必要に応じて簡単に注文や再注文ができる方法の提供
- ERPやCRMプログラムからの顧客データ統合のためのAPI利用
さらに読む: 5 Tips for Success in Ecommerce with ERP
eコマース統合にはさらに多くの利点があります。顧客の訪問のために実店舗を持つのは、かつてほど重要ではありません。2020年以降、特に2021年には、人は家からあまり出なくなり、歴史上最も多くオンラインで製品を注文するようになりましたが、eコマース統合の実現で、以下のような付加価値が得られるのです:
- もう重複した手動のデータ入力は不要。顧客情報をシステムに手入力する時代は終わりました。潜在的なエラーの排除と同時に、データ交換自体も速くなり、AmazonやShopify、その他のアプリケーションをERPと統合することで、ECサイトのモダナイゼーションが実現し、効率と顧客満足度が上がります。
- 常に正確な在庫状況。今日のビジネスにおけるスピードでは、データの正確性は言うまでもありません。手動で入力するデータは、単純なヒューマンエラーによって不正確になる可能性がありますが、在庫管理システムをECサイトと同期させることで、在庫の更新が自動化され、リアルタイムでの正確な情報の提供が実現します。
- 顧客通知の自動化。フロントエンドのECサイトとバックエンドのアプリが連動していれば、顧客通知の自動化は簡単です。顧客が購入すると、すぐにお礼のメールが届き、注文が発送されると別のメッセージが届きます。このような通知を手動で追跡して送信ししていたら、貴重な時間とリソースを浪費してしまいますよね。
- 価格の更新が簡単。初売りシーズンで割引を提供する場合でも、原価に応じた価格変動が必要な場合でも、価格の更新はシンプルになります。1つのシステムで更新を入力すると、価格はすべてのシステムで自動的に調整されて入力されます。
- ビジネスの成長。eコマース統合のガイドブックには、システムの統合によって多くの時間とリソースが解放され、実際にビジネスに集中する機会が得られると書かれています。業務効率を落とすことなく、成長、拡大、転換ができるのです。成長し、販売チャネルを追加することで、より多くのビジネスを効果的に取り込み、収益源の多様化や、CX(カスタマーエクスペリエンス)の向上、営業利益率の改善・拡大が実現します。
このような利点は、eコマースで得られる「オマケ」に過ぎません。統合によって、増加する需要に追加リソースもなく簡単に対応でき、すでにeコマース統合に適応している企業は、テクノロジーでビジネス風景全体が近代化されたことをわかっているのです。
eコマース統合ガイド:サブスクリプションビジネスの例
ECサブスクリプションビジネスの場合、ERPシステムは直感的なビジネス運営の維持に必要です。ERPをECサイトと統合することで、両者のデータをシームレスに同期させ、整理することができます。それが部門間のスタッフのためのマニュアル作業負荷を軽減することから、効率がよくなります。
ECサブスクリプションビジネスにとって、ERPとビジネスのウェブサイトの統合は、画期的なことです。実際、これは最も重要な統合であり、それによってサブスクリプションビジネスは効果的な ERP を維持することができるのです。例えばOracleのクラウドスタックを使い、Zuoraを使ってサブスクリプションを管理している場合、OracleとZuoraの統合はピッタリ嵌ります。
他にも、Zuoraとの連携でよく利用されるケースが以下のようにあります:
eコマース統合最大の壁
eコマースツールの統合が必要になると、明白な問題も1つ明らかになります:これを実現するためのコードの書き方はわかりますか?開発チームはありますか?実際に機能する経路を作るには、レガシー(旧式)ソリューションに比べてはるかに高度な技術的機能が必要です。レガシーソリューションではダメです。最新のeコマース統合ソリューションが必要なのです。
多くの場合、主要な意思決定者は、ERP だけでなく、すべての統合の必要性に反対するか、あるいは単にその必要性を無視します。彼らは、eコマース統合を、「払えない費用」や、「ビジネスの邪魔になるような手直し」として見ていますが、統合の必要性を無視することの代償の方が、はるかに大きいのです。
完全に統合されたECシステムへのスムーズな移行には、障害がつきものですが、このEC統合のガイドで、以下の4つの大きな壁を軽減できます:
- 理解不足
- 旧式のハードウェア、ソフトウェア、その他のシステム
- チャネルをまたいだ管理ができない
- 可視化されていない
では、それを詳しく見ていきましょう。全てはこの壁を乗り越えることにかかっています:
理解不足
これは、おそらく統合の潜在的な壁の中で最大のものです。ほとんどの企業は、何から始めればいいのかわからないのです。デジタル・エコシステムには多くの未確定要素があり、適切な可視化なしでは不可能に感じられるかもしれません。(可視化については後ほどご説明します。)
eコマース統合は、IT 部門にとって大きな負担となることがあります。IT管理者には、統合のサポートのために十分な人員を確保できるかどうかの懸念があるかもしれません。他にも、一度導入したら、統合を維持するための十分なサポートがあるか?通常のIT業務についてはどうか?また、移行中にエラーやセキュリティ・リスクが発生したり、最悪の場合、データが失われたりしたらどうするのか?なども悩むかもしれません。
まずは、企業内の全部門での内部的な連携が必要です。企業が統合によって何を達成したいのかを正確に理解し、統合によって何が達成できるかを話し合わなければいけません。障害があるとすれば、それは何なのか?どのような課題があるのか?そして、どのようなシステムを統合するのか?などもです。
さらに、「どのようなデータを同期させるのか」や「どのビジネスプロセスを自動化できるのか」といった、企業の目標、システム、およびプロセスは、eコマース統合の指針になるはずです。最適なeコマース統合計画は、最終目標があってこそ始められるのです。
旧式のハードウェア、ソフトウェア、その他のシステム
ビジネスにおいて、すべてがうまく回っているように見えても、時代遅れの技術に頼っていると、受注を逃すことになりかねません。レガシー(旧式)プラットフォームの中には、現在のテクノロジーと互換性がなく、エンド・ツー・エンドの可視性がなければ、プログラムが意図したとおりに動かないものがあります。レガシープラットフォームは、一言で言えば「不格好」です。そして、回避策はなく、ただアップデートするしかないのです。
場合によっては、今まで使ってきたシステムがそのまま使えるかもしれませんが、、、なんとも言えません。もしかしたら、ビジネスニーズに応え続けることができるかもしれませんが、でもそのようなことは、次のステップに進む時や、他社と合併する時、あるいは今日の機能を追加するといった時に初めてわかることです。レガシーシステムは、今日のクラウドアプリケーションやデータ分析プラットフォームとは単純に相性が悪いのです。でもクラウドアプリケーションやデータ分析プラットフォームは、成功したかったら今必要なのです。
現在のプラットフォームがAPI統合の要件に対応できていなかったら、今こそ技術スタックの近代化を真剣に検討する時です。
チャネルをまたいだ管理ができない
ほとんどのECプラットフォームは、販売主が必要とする技術をすべて提供し、サイト上で顧客に製品やサービスを販売することができます。これは、ほんの10年前にあったオプションよりもはるかにいいですが、このアプローチには見落とされている側面が2つあります:
- 最近では、販売主が商品を売る場所は、大体ウェブサイトだけにとどまらない。今日の販売主には、従来の実店舗、コールセンター、カタログに加えて、複数の販売チャネルがあり、また、他のWebサイトやランディングページ、Facebook MarketplaceやEtsyなどのオンラインフォーラムでも販売されています。
- 顧客は、どんなデバイスでどこからでも購入することができる。eコマースの魅力の一つは、文字通り、世界のどこにいても、顧客が選んだデバイスで、シームレスに無数の顧客にアプローチできることです。iPhone、ノートパソコン、デスクトップ、タブレット、その他のインターネット接続機器から買い物をしたい顧客がいても、eコマースの統合で、サイトがデバイス間で正しく表示されるようにするための課題を解決することができます。さらに、データの発信元がどこであろうと、すべてのデータは適切に同期され、あらゆるタッチポイントで顧客と接するシステムと一致します。
可視化されていない
上記の各問題が指摘するように、この「可視性の欠如」こそが、eコマース統合の最大の壁となります(単独で行う場合、ですが)。旧式のシステムで運営されているビジネスでは、シンプルに見えないものは見ることができません。ビジネスの未確定要素をすべて可視化することができないと、リアルタイムのデータに基づいて、十分な情報を得た上での意思決定はできませんが、eコマース統合で、システム統合、プロセス強化、制御の改善など、すべての未確定要素の明確な把握が実現できます。
最新のビジネスモデルを採用すれば、eコマース統合によって、オンラインビジネスのあらゆる側面の完全な可視化ができ、実店舗、ウェブサイト、SNSプロモーションなど、注文と販売がすべて 1 つの統一されたビューポイントに集約されます。Integrate.io の eコマース統合ガイドでは、ビジネスの種類や規模に関わらず、移行がわずか5分で簡単にできます。
eコマース統合ガイド:バックエンド統合
今あなたのECストアで、サブスクリプションアプリやら宝石やらが販売されているかどうかは問題ではありませんが、各顧客のタッチポイントで、あなたのシステム全体に接続されているERPは必要です。eコマース統合が、成功への鍵です。
あなたの選んだECプラットフォームがNetsuite、Shopify、Magento、BigCommerceのどれであっても、そこは問題ではないですが、最終的には、使われるプログラムはどれも、他のすべてのプログラムと「会話」できないといけません。最新のバックエンドの統合だと、顧客に毎回、時間通りに、時にはそれ以上の速さで商品を届けることができます。
2020年の出来事とそれからの数年間は、小売業にとって新しい現実を生み出しました。オンライン注文の増加により、eコマース統合のガイドを味方につけることがこれまで以上に重要となっています。
今後数年間は、バックエンドプロセスの統合は単なるオプションではなく、新しい常識を取り入れた競合他社に適応し、歩調を合わせるための基本になるでしょう。「中間業者」の排除が進んでいるためであれ、2020年にeコマースが一夜にして爆発的に普及したためであれ、今日の企業は、将来の成長にとって敏捷性がいかに必要であるかを理解していなければいけません。
eコマース統合のためのガイドを検討し、提案された変更を実行するのは、組織全体をサポートするための最も重要なステップです。eコマース統合で、出荷や物流から、製品の製造、調達、流通に至るまで、すべてをシームレスに効率化することができます。eコマース機能のモダナイゼーションは、あなたのビジネスでこれまでなされた中で最も有益な決定であることが証明されることでしょう。
eコマース統合ガイド:Integrate.ioでeコマースの可能性を実感しよう
まだ ECプラットフォームを統合していない場合、この eコマース統合ガイドの情報すべてに圧倒されるかもしれません。でもIntegrate.io を統合パートナーとして利用すれば、どんな課題も克服することができます。運営の簡素化、効率の向上、手動プロセスの削除を実現しませんか。完全に統合されたシステムでチームを活性化させましょう。デモを予約して、eコマースの底力をぜひご実感ください。