EDI 文書の総合ガイド

信じられないかもしれませんが、かつては医療機関、グローバル企業、ECショップ、その他の組織が、請求書から発注書まで、他の企業とのコミュニケーションに独自の、そして多くの場合はまったく異なる方法を用いていた時代がありました。EDI（電子データ交換）が導入される以前の企業間のコミュニケーションがいかに大変だったか想像できるでしょう。

主なポイント

以下は、本記事で見て行く主なポイントです：

• EDI とは、ビジネス情報を標準フォーマットでデジタル上で交換することである。
• 組織は EDI を利用して、発注書、請求書、出荷通知書などの文書を転送する。
• EDI 文書は、ビジネス文書を標準フォーマットに変換して、参加企業のシステム間でその文書を電子的に送信する方法を説明するものである。
• EDI 文書は、医療業界における患者データと管理情報の安全かつ効率的な交換の支援をする。
• EDI 文書とは、EDI トランザクションをどのように構成、送信、処理するかをスタッフに伝える詳細な記録や指示のことである。

EDI は、ビジネスの情報交換方法に革命をもたらし、それでデータ転送がシームレスに、効率的に、そして何よりも標準化されました。そこで本記事では、EDI 文書の総合的な概要と、さまざまな分野、特に医療におけるその応用について見ていきます。

EDI の利点、用途、文書要件を理解することで、企業はコンプライアンスの保証、業務の強化し、正確な記録の保持ができるようになります。では、そのような文書とはどういうもので、どのような内容で構成され、どのような文書構造と書式が適切なのでしょうか。

EDI 文書とは

EDI 文書とは、デジタル上のデータ交換の青写真のようなもので、EDI トランザクションがどのように構成、送信、処理されるかをスタッフに伝える詳しい記録と指示書であり、EDI フォーマット（EDIデータマッピングガイドライン、データフォーマット規則、トランザクションセット）、および EDI がどのようにビジネス文書の交換を自動化するかを理解しておくことが重要です。

正確な EDI 文書だと、チームや取引先の企業や事業体のチームの人々は、コミュニケーションがどういうものでどのように行われるかを理解することができます。そしてそのコミュニケーションがどのように構成されているかが正確に文書化されることで、チームは合意された手順を遵守することができます。

EDI 文書の主な側面には以下が挙げられます：

• データフォーマットと標準：EDI 文書の構造とフォーマットについて説明する。
• トランザクションセット：これは、（請求書や注文書など）特定の種類の文書用にあらかじめ定められた構造だと考えられる。
• データ要素：トランザクションセット内の個々のデータ。
• セグメント：データ要素はグループ化されてセグメントが形成される。
• 封筒：これは実際の封筒のデジタル版で、データの送信者・受信者、データが参照するトランザクションの種類を識別する。
• 導入ガイドライン：EDI システムの設定と使用に関する説明。
• 通信プロトコル：データを安全に伝送するための方法の概説。
• データセキュリティおよびコンプライアンス要件：確実に取引所が厳格なデータ保全およびコンプライアンス規制を満たすようにする。

正確な EDI 文書が作成されれば、医療、Eコマース、その他のビジネスコミュニケーションにエラーがなく、コンプライアンス要件を満たしていることが保証されるでしょう。そしてその文書の作成には、EDI 文書そのものを深く理解していることが求められます。

EDI 文書の種類

EDI 文書は、紙の文書に代わる電子文書であり、それで企業間のデータ交換がしやすくなり、さまざまなプロセスの自動化と効率化化が実現します。そして、どのEDI 文書タイプも、特定の機能に関連しています。

最も一般的な EDI 文書とその用途には、以下のようなものが挙げられます：

• EDI 810：請求書。売り手は買い手に 810 のインボイスを送り、商品やサービスの支払いを請求する。EDI 810 には、支払い金額、支払い条件、売り手が買い手に提供したものの明細など、請求書に記載されているような詳細がすべて含まれている。
• EDI 850：発注書。バイヤーが商品やサービスを発注する場合、850 の発注書が使われる。発注書には、買い手が注文する製品／サービス、注文する各製品／サービスの数量、各製品／サービスの価格、売り手が製品／サービスを納入すべき場所に関する情報が記載されている。
• EDI 855：発注書の確認書 ‐ 売り手が「注文を受け取りました」と言う手段。これで、注文が受理されたことを確認し、（在庫間違いなどの）不一致があれば、855 の購買注文確認書には、入荷待ち商品の納期更新や、在庫切れや廃盤商品の価格調整などの変更が含まれることもある。
• EDI 997：デジタル領収書のようなものであり、EDI 855 と同様に、ある当事者が他の当事者から EDI文書 を受け取ったことを確認するものである。この文書は、送信ごとに実行され、完了した文書の処理を記録するために監査証跡を作成する。場合によっては、文書処理中に発見されたエラーを両当事者に通知するためのフラグを作成することもある。

今日のデータ交換は、大抵 AS2 や AS4 といった標準化されたプロトコルを介してインターネット上で行われており、 このようなデータ交換プロトコルで、EDI 文書の安全で効率的な伝送は保証され、現代のビジネス取引の信頼性と速度は上がります。

EDI 文書の主要部分

どの EDI 文書にも同じ情報が含まれているわけではありません。例えば、請求書と発注書は似ていないし、発注書と出荷書類も似てません。

ただし、どの EDI 文書にも以下の４つの主要部分があります：

1. ヘッダー：EDI 文書のヘッダーには、メタデータが含まれている。これは［About］セクションのようなもので、送信者情報、受信者情報、作成日、タイムスタンプなどの詳細が記載されている。
2. データセグメント：データ要素のセクションに整理された、文書の中心部分。
3. トレーラー：文書のデータセグメントの終わりを示す情報であり、要約情報が含まれていることもある。
4. コントロール：コントロールで、データの整合性と文書の順序を証明することができ、データおよび文書自体の品質管理チェックとして機能する。

EDI 文書内に情報を正しく配置することで、正確でコンプライアンスに準拠したコミュニケーションへの道が開けます。

EDI フォーマットについて

組織で EDI 文書のガイドを作成する場合、EDI 仕様は、チームがエラーのない、コンプライアンスに準拠した EDI 文書を作成するのに必要なものがすべて詳細に説明されていることから、最も重要な事項の１つとなります。

EDI ファイルのフォーマットと標準

XML ベースと従来の EDI フォーマットには大きな違いがあります。

最も一般的な EDI 文書のフォーマットには以下が挙げられます：

• 米国規格協会 ANSI X12：北米で広く使われており、国境を越えた販売のニーズに応えるため、多くのトランザクションセットが世界的に採用されている。
• EDIFACT：一部のグローバルトランザクションで使われる、データ交換のための国際的に認められた標準。
• TRADACOMS：主に英国の小売業界で使用されている EDI フォーマット規格。

EDI 仕様

EDI 仕様とは、EDI 文書の設計図のようなものであり、これで、デジタルトランザクションを構成する構造やフォーマット、コンテンツが定められ、正確で一貫性のある業界標準のデータメッセージングが確保されます。

その EDI 仕様について、重要な理由や含まれているものなどを詳しく見てみましょう：

• 構造とフォーマット：EDI 仕様は、どの EDI ドキュメントも従わないといけない特定の構造と形式を規定し、仕様には、取引先のシステムが正しく理解できるように、文書内でデータ要素、セグメント、トランザクションセットをどのように配置すべきかが含まれるべきである。
• 内容要件：EDI 仕様では、どのデータ要素が必須か任意であるかが説明されており、これによって、必要な情報がすべて含まれ、その表現が標準的であることが保証される。例えば、850 の購買発注仕様書では、購買発注番号、品目詳細、数量、納品指示などのデータ要素が要求される可能性がある。
• コンプライアンス：EDI 仕様に従うことで、企業は業界標準や規制要件への準拠を保つことができる。これは、コンプライアンス違反が高額な罰則や事業の中断につながりかねない医療や金融などの業界では特に重要。
• 相互運用性：EDI 仕様の標準化で、さまざまなシステムや組織、業界、地域間の相互運用性が促される。標準化されたフォーマットと構造を使うことで、どのソフトウェアプログラムや EDI 統合、データ統合プラットフォームを使うかに関係なく、幅広い取引先とシームレスにデータを交換することができる。
• エラーの防止：データ交換中のエラーを防ぐために、包括的な EDI 仕様はわかりやすいものでああるべきである。データのフォーマットや構造に関する詳細でユーザーに優しいガイドラインを提供することによって、EDI 仕様で、誤った解釈やデータ要素の欠落、その他ビジネスプロセスを混乱させるありがちな問題のリスクが下がる。

EDI の導入は大変です。なので企業は、EDI 文書が最新の仕様を正確に反映し、システムがすべてこのようなガイドラインに従って EDI 文書の生成や処理をするように設定されていることを確認すべきです。

また、定期的なトレーニングやアップデートで、スタッフは最新の EDI 仕様やベストプラクティスに関する知識を維持することができます。

EDI トランザクションとは

EDI トランザクションは、EDI の構成要素であり、トランザクションによって、企業は取引相手とさまざまな文書を電子的に交換することができます。

EDI トランザクションは多種多様であり、それぞれが特定のビジネス目的に対応しています。EDI トランザクションでは以下が提供されます：

• 定義と目的：取引パートナー間で特定の種類のビジネス文書を配信する。文書には、請求書、注文書、出荷前通知書、その他の確認書などがあり、各トランザクションタイプは、特定のビジネスプロセスを促し、情報が正確かつ効率的に交換されるように設計されている。
• 標準化：EDI トランザクションは、北米では ANSI ASC X12、国際的にはUN/EDIFACT など、業界固有のガイドラインに従っており、このような標準は、さまざまなプログラムやシステムがデータを解釈して処理できるように、一貫した文書フォーマットを備えている。
• 効率化：EDI トランザクションでビジネス文書の交換は自動化され、業務効率は大幅に上がる。手作業によるデータ入力や紙ベースのプロセスは時代遅れであり、現代的なビジネスの自動化されたワークフローで、トランザクションの管理に費やされる時間と労力が軽減され、注文処理や支払いの迅速化、さらにはサプライチェーン管理の改善につながる。
• エラーの低減：EDI トランザクションでビジネス文書の検証や、手作業によるデータ入力のエラーの最少化が実現する。また、標準化された形式と自動化されたプロセスにより、データが正確に送信され、取引先間の不一致や誤解のリスクが軽減される。
• セキュリティ：EDI トランザクションは、AS2 や AS4 などの安全な通信プロトコルを介してデータを送信する。セキュリティプロトコルで、違反に対する保護、不正アクセスの制限、送信中の機密ビジネス情報の保護ができる。

EDI トランザクションの種類

EDI トランザクションは多種多様で、それぞれが特定の文書やビジネスプロセスに対応しています。一般的な EDI トランザクションには、請求書（売掛金）、発注書（買掛金）、確認書などがあります。

「でも、それは EDI 文書ではないのでしょうか？」と思いましたか？

いい質問ですね。

EDI 文書には送信するデータと情報がすべて含まれており、EDI トランザクションはそのドキュメントの記録と送信、つまり対応する EDI 文書のデータを作成するのに発生したアクションまたはアクティビティです。

トランザクションの種類が EDI 文書作成に及ぼす影響

EDI トランザクションの種類によって、トランザクションの構成や必要な内容が決まります。例えば、850 の購買発注書には発注品目、数量、納品指示の詳細が記載され、810 の請求書には支払金額、支払条件、請求項目が記載されます。正確でコンプライアンスに準拠した文書の作成には、チームは各取引の具体的な要件を知らないといけません。

標準を維持することで、データ交換が正確で一貫性があり、業界規制に準拠していることを保証することができます。そしてその維持によって、信頼性、細部への配慮、透明性が証明されるため、組織と取引パートナーとの関係がより強いものになります。

EDI 伝送プロトコル

EDI 伝送プロトコルは、荷物を送ったり受け取ったりするときに使うさまざまな配送方法のようなものです。伝送プロトコルは、さまざまなシステムや組織間で EDI 文書を転送する方法であり、各プロトコルにはそれぞれ強みがあり、それでセキュリティや信頼性、複雑さのレベルが異なります。

EDI 伝送方法を理解するのに、さまざまな種類の郵送サービスについて考えてみましょう。送る内容の性質に応じて、他のサービスよりも適したサービスがあります。

それを念頭に置いて、一般的な EDI 伝送プロトコルには次のようなものがあります：

• FTP（ファイル転送プロトコル）：毎日郵便を配達してくれる郵便配達員のようなもの。基本的なネットワークプロトコルで、ネットワークを介してクライアントとサーバー間でファイルを移動する。FTP は EDI 用に特別に設計されたものではないが、速くて使いやすいため、EDI 文書の転送に使われることがある。ただし、FTP は機密情報には最適というわけではなく、組織はセキュリティを強化すべく、FTP を FTPS（FTP Secure）や SFTP（SSH File Transfer Protocol）のような別のセキュアな転送プロトコルと組み合わせる場合がある。
• AS2（Applicability Statement 2）：EDI プロトコルの認定翌日航空便のようなもの。広く使われており、HTTP でインターネット上での安全かつ信頼性の高い EDI 文書の交換ができるようになる。AS2 は、暗号化とデジタル署名を使って、送信プロセス中もデータを安全かつ無傷に保つ。また、この方式は受信証明も提供するため、送信者も受信者もメッセージの送受信を確認することができる。AS2 は安全で大量のトランザクションを処理できるため、小売業や製造業などの業界でよく使われている。
• AS4（Applicability Statement 4）：AS2 と同様、認証済み郵便に似ているが、翌日配達で署名が必要な郵便物のようなもの。AS4 は、AS2 と同様の機能を提供するように設計されているが、より多くの機能があり、より複雑なメッセージングの場面に対応できるようになっている。AS4 は、Web サービスを使ってセキュリティ、信頼性、柔軟性を強化した EDI 文書の交換を行い、特に、ヘルスケアや金融など、セキュリティやコンプライアンス要件が厳しい業界に適している。
• VAN（付加価値ネットワーク）： EDI「郵便」を厳密に取り扱う民間の宅配便のようなもの。取引パートナー間の安全な EDI 文書交換をシンプルにする管理ネットワークであり、データ変換や安全な送信、トランザクション管理など、さまざまなサービスを提供し、高レベルのセキュリティ、信頼性、メッセージ追跡、監査、エラー処理などの付加機能を備えている。この方法は、独自のシステムに投資したり保守したりすることなく、強力で管理された EDI インフラストラクチャが必要な企業にとって特に有用。
• SMTP（簡易メール転送プロトコル）：EDI 文書の送信に一般的な電子メールサービスを使うようなもの。この方法は EDI 文書をメールの添付ファイルのように送信するため、広く利用可能で簡単に使えるが、他のプロトコルほど安全でも信頼できるものでもない。なので組織はセキュリティの強化のために、暗号化のメールソリューションや安全なメールゲートウェイを使う可能性がある。
• HTTPS（ハイパーテキスト転送プロトコルセキュア）：安全な Web サイトを通じて EDI 文書を送信するようなもの。HTTP の拡張として、HTTPS は暗号化を使って、インターネット上で送信されるデータを保護する。EC 販売などの Web ベースの EDI トランザクションに一般的に使われ、安全で信頼性の高い文書交換手段を提供する。HTTPS はデータの完全性と機密性を保証するため、安全なオンライン取引が必要なビジネスには適しているが、高度な機密性を維持しないといけない通信には使われるべきではない。

EDI 伝送プロトコルを選択する際、企業はセキュリティ、信頼性、コスト、導入のしやすさといった要素を考慮すべきです。各プロトコルには長所と短所があり、ビジネスや業界、取引先の具体的なニーズによってどれが一番いいのかは変わってきます。適切なプロトコルを使うことで、企業は安全かつ効率的で、コンプライアンスに準拠した EDI トランザクションを維持することができるのです。

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EDI 文書： トラブルシューティング、ベストプラクティスへの取り組み、リソースの活用

EDI 文書の作成時、実装フェーズ時、さらには組織の EDI 方法を確立した後でも発生する可能性のある一般的な課題に注意が重要です。

トラブルシューティング

よく起こる可能性のある問題として以下が挙げられます：

• 不正確なデータ：検証プログラムを使って、送信前にエラーを探す。
• コンプライアンス：要件の定期的なレビューを予定し、コンプライアンス文書を最新の状態に保つ。
• レガシー（旧式）または独自のシステム統合の問題：データ統合プラットフォームを使って、さまざまなプログラムやシステム間のギャップを埋める。

その他に起こり得るエラーは以下が挙げられます：

データフォーマット

データのフォーマットミスは、求められる EDI フォーマットや標準にデータが適合していない場合に発生し、この不適合は、データ要素の欠落や不正なデータ型、不適切な構造のセグメントなどに起因することがあります。

解決するには以下を行います：

1. EDI 検証ツールを使って、EDI 文書の問題を正確に特定する。
2. 誤りを修正し、必要なフォーマットに適合させ、必要な標準に適合させるためにデータを調整する。
3. 送信前にデータがすべて正しくフォーマットされていることを確認するために、検証チェックを実施し、スタッフのトレーニングを行う。

伝送の失敗

伝送エラーは、EDI 文書の送信または受信に問題がある場合に発生し、一般的な原因としては、ネットワークの問題、受信者情報の誤り、送信方法の問題などが挙げられます。

以下の手順でトラブルシューティングを行います：

1. ネットワーク接続、送信ログ、受信者の詳細をチェックし、障害が発生した場所を特定する。
2. 必要に応じて、ネットワーク上の問題の修正、受信者情報の修正、プロトコル設定の調整を行う。
3. 信頼性の高い送信プロトコルを使って定期的なネットワークメンテナンスを行うことで、送信障害を最小限に抑える。

コンプライアンスの不一致

コンプライアンスの不一致は、EDI 文書が業界固有の標準や規制に準拠していない場合に発生し、不一致は、取引先や規制機関による拒否につながる可能性があります。

トラブルシューティングには以下を行います：

1. EDI 文書がすべて必要な標準や規制を満たしていることを確認する。
2. 必要な規格に準拠するように文書を更新する。
3. EDI プロセスの定期的な見直や更新で、進化する標準や規制に対応する。

一般的な問題のトラブルシューティング方法を学ぶだけでなく、スタッフに最新のベストプラクティスを常に伝えましょう。

ベストプラクティスへの取り組み

以下のような EDI 文書のベストプラクティスに取り組むことで、このような課題を減らすことができます：

• 明確な基準とガイドラインを定める：スタッフからパートナーまで、全関係者がきちんと要件を理解できるようにする。
• 一貫したフォーマットを使う：フォーマットの誤りを防ぐために、標準化されたデータフォーマットを採用する。
• EDI 文書を定期的に更新する：業界標準、変更、更新に沿った最新の文書を維持する。

ツールとリソースの使用

EDI 文書の作業を支援するツールやリソースには、以下が挙げられます：

• EDI ソフトウェアプログラム：このようなツールで、データの変換と送信の効率化が実現する。
• 業界別ガイド：業界規制当局では、多くの場合は組織が標準に適合するための文書が提供されている。
• 規制コンプライアンスリソース：業界に適用される規制を知り、ツール、ガイダンス、コンプライアンス要件の更新について規制機関に問い合わせる。

各業界における EDI の活用

EDI は、さまざまな業界特有のニーズに対応する汎用性の高い技術であり、自動化と標準化を通じて、さまざまな分野での業務効率、正確性、安全性を高めます。

ここでは、各業界でどのように EDI が利用されているかを簡単に見ていきましょう（より詳細な情報は後ほど）：

Eコマースと小売業における EDI

Eコマースや小売業界では、EDI でサプライチェーンやビジネスの在庫管理がしやすくなっています。

データ交換に EDI を使うことで、オンライン小売業者や従来型の小売業者は、以下のような点で助かっています：

• 発注書
• 請求書
• 出荷通知
• 在庫更新

...そして在庫の更新は、CSAT スコアに関して言えば、おそらくリストの中で最も重要です。特に、EC ストアや、オンラインプレゼンスのある従来の小売業者にとって、正確な在庫記録の維持は、顧客側にとって極めて重要です。

多くの企業で EDI が導入されていますが、大手小売業者の中にもまだ導入していない企業があります。それで在庫レベルがリアルタイムで更新されなかったために、不満を持った顧客が購入した商品ではなく返金を受け取ってしまうという事態が起こっています。

EDI を導入する小売企業には、次のようなメリットがあります：

• 発注プロセスの改善
• 社内エラーの減少
• 正確でリアルタイムな在庫レベル
• 在庫が所定のレベル以下になった場合の自動発注

EDI で、EC ストアは、変動する市場の需要への速やかな対応や、最適な在庫レベルの維持、正確な在庫表示を通じて顧客満足度を上げることができるのです。

ヘルスケアにおける EDI

EDI は、医療業界における患者データと管理情報の安全かつ効率的な交換に非常に重要です。

医療提供者、保険会社、その他の関係者は、EDI を使って以下のような伝送を行います：

• 請求
• 加入情報
• 支払い内容
• 資格確認
• 福利厚生情報

HIPAA（医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律）は、電子医療取引に関する国家標準を定めており、それでデータの正確性の改善や事務作業の軽減、患者ケアの強化のための EDI の使用が進みました。EDIで、機密性の高い医療情報が規制要件に準拠して安全かつ効率的に交換されることが保証されるのです。

自動車業界における EDI

自動車業界では、メーカー、サプライヤー、ディストリビューター間のコミュニケーションに EDI が多用されており、EDI で以下のようなデータ交換がしやすくなります：

• 発注
• 出荷予定
• 請求
• 製品仕様

この速くてリアルタイムなデータ交換で、自動車部品を必要なときに正確に届ける「ジャスト・イン・タイム生産」ができるようになることから、メーカーの在庫コストは下がり、生産効率は上がります。

また、EDI で自動車会社とそのサプライ・チェーン・パートナー間の連携が強化されることで、全関係者が同じ生産スケジュールや高い品質基準を維持できるようにもなります。

物流における EDI

小売、自動車、輸送業界では、EDI は輸送業界の物流において重要な役割を果たしています。オンラインの顧客注文 １件だけでも、非常に多くの要素が動いていますからね。

EDI で、以下のようなデータ交換がしやすくなります：

• 顧客への発送
• 追跡情報
• 配送確認

物流業者は EDI を使って配送業者、倉庫、顧客と調整できるため、配送品はリアルタイムで追跡され、時間どおりに出荷および配達されます。物流において、EDI で、サプライチェーンの可視性の向上、輸送時間の短縮、全体的な顧客満足度の向上が実現するのです。

金融における EDI

金融業界では、組織は EDI を使って、次のような財務文書を電子的に交換している：

• 請求書
• 支払指示書
• 送金アドバイス

EDI が使われている金融機関や企業は、取引の自動化、処理時間の短縮、買掛金や売掛金などの取引の精度の向上などができ、速くて正確な支払いプロセスを促すことができるようになります。

政府機関における EDI

政府機関は、ビジネスパートナーや他の機関との以下のような情報交換の効率化に EDI が使われています：

• 調達プロセス
• 税務申告
• 規制当局への報告

政府機関でこのようなデータ交換が自動化されれば、事務作業の軽減やデータの正確性の改善、業務効率の向上が実現します。EDI は、業種を問わず強力なツールであり、企業はで社内のパフォーマンスが上がり、顧客やビジネスパートナーとの関係が改善されます。

ただそのためには、EDI の仕組みと、それを結びつける基礎となる文書についてよく理解しておくことが求められます。

正確な EDI 文書で組織を守る

正確な EDI 文書だと、組織と他の企業との関係が守られ、適切な文書で、規制の遵守の確保やエラーの低減、業務全体の強化が実現します。

Integrate.io には、EDI 文書用の強固なソリューションがあり、それで企業は正確な記録を維持し、データ交換を効率化することができます。

EDI 文書における Integrate.io の活用法

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Q&A

Q. EDI の目的は何ですか?

A. EDI は従来の紙ベースの文書に代わるもので、より速くて正確、かつコスト効率の高いコミュニケーションを実現します。EDI でビジネスプロセスが合理化される効率性から、小売、医療、製造、物流などさまざまな業界で広く使われています。

Q EDI 文書とは何ですか?

A. EDI 文書とは、EDI トランザクションのフォーマット、送信、処理方法を概説した総合的な記録とガイドラインのことであり、データ交換に関わるすべての関係者が EDI メッセージの作成、送信、解釈の方法を明確に理解できるようにすることを主な目的としています。

正確なドキュメントで、データの整合性の維持や、業界標準への準拠の保証、取引先とのシームレスなコミュニケーションが実現します。

追加リソース（英語）

• EDI and VAN Explained (eBook)（EDI と VANについて）
• TRADACOMS EDI Document Standard（TRADACOMS EDI ドキュメント標準）
• ANSI ASC X12 Standard（ANSI ASC X12 標準）