Google Sheets から BigQuery へのデータ転送は、中小企業のデータアナリストには一般的な作業であり、このプロセスは、BigQuery の強力なクエリ機能を活用することで、効率的なデータ分析とレポーティングを実現します。そこで本記事では、ETL 分野での実地経験に基づき、Google Sheets と BigQuery の効果的な接続について総合的にご案内します。

主なポイント

  • Google Sheets  と BigQuery を統合するための3つのステップバイステップの方法と、それを実行するためのヒント。

統合について

Google Sheets はデータ入力と予備分析に広く使用されているツールであり、BigQuery は大規模なデータ分析や機械学習アプリケーション用に設計された強固でサーバーレスのデータウェアハウスです。この2つを統合することで、アナリストは以下のことができるようになります:

  • データの一元化:複数のシートのデータを1つのレポジトリに集約。
  • 分析の強化:BigQuery の高度なクエリ機能を活用。
  • 連携の向上:スプレッドシートツールの制約を受けずに、チーム全体でインサイトを共有。

Google Sheets と BigQuery を接続する方法

1.BigQuery の Web UI を使う

BigQuery は、その Web インターフェースを通じて 以下のように Google Sheets と直接統合することができます:

  • BigQuery にアクセスする:Google Cloud Platform の BigQuery コンソールに移動する。
  • データセットを作成する:まだ作成していない場合は、表を格納するデータセットを作成する。
  • 表を作成する:「Create Table (表の作成)」を選択し、ソースとして Google Drive を選択する。
  • シートの URL を入力する:Google Sheet の URL を入力する。
  • 設定を定める:ファイル形式を「Google Sheet」に設定し、スキーマを定める(自動検出か手動を指定可)。
  • 表を作成する:作成を完了すると、BigQuery でシートデータにアクセスできるようになる。

この手法は Google Sheets を外部データ ソースとして扱うため、同期機能を必要とせずに、シートの更新が BigQuery にすぐに反映されます。

2.連結シートを使う

連結シート は、以下のように Google Sheets と BigQuery のシームレスな相互作用ができるようになる機能です:

  • Google Sheets を開く:既存のスプレッドシートを開くか新規作成する。
  • BigQuery に接続する:Data(データ)→  Data connectors(データコネクタ)→ Connect to BigQuery(BigQuery に接続)。
  • データセットを選択する:適切なプロジェクトとデータセットを選択する。
  • データを分析する:接続されると、Sheets の機能を使って BigQuery データの分析や可視化ができるようになる。

この手法は、BigQuery の処理能力を活用しながら Google Sheets 環境で作業することを好むユーザーには便利です。

3.Integrate.io のような ETL ツールを使う

より複雑なデータ統合のニーズに対しては、Integrate.io のような ETL プラットフォームだと以下のように BigQuery データコネクタが備わっています:

  • Integrate.io のセットアップ:Integrate.io アカウントにサインアップして設定する。
  • データパイプラインを作成する:Google Sheets をソース、BigQuery を送信先としてパイプラインを定める。
  • 変換を設定する:互換性とクリーンさを確保するために、必要なデータ変換を適用する。
  • スケジュールと自動化:スケジューリングを設定し、任意の間隔でデータ転送を自動化する。

Integrate.io だと、データの抽出、変換、格納が手作業でコーディングすることなく処理されることでプロセスがシンプルになることから、高度な技術的専門知識を持たないチームでも使いやすくなっています。

よくある課題

  • データフォーマットの不一致:Google Sheets と BigQuery のデータ形式の不一致は、エラーにつながる可能性がある。これを軽減するには、日付フォーマット、数値、テキストフィールドが一貫したフォーマットで、BigQuery が想定するデータ型と確実に互換性があるようにする。
  • 大規模なデータセット:Google Sheets で大規模なデータセットを扱うと、パフォーマンスが下がる可能性がある。そのような場合は、管理しやすいチャンクにデータを分割するか、BigQuery に格納する前の中間ステージング領域としてGoogle Cloud Storage を使うことを検討する。
  • API Quotas と制約:データ転送プロセスの中断を避けるために、Google Sheets と BigQuery の両方が課すAPI Quotas と制約に注意する。使用量を監視してデータ転送方法を最適化することで、このような制限内に収めることができる。

Google Sheets から BigQuery への ETL のベストプラクティス

  • データの検証:Google Sheets のデータがきれいで、一貫したフォーマットに従っていることを確認し、格納プロセスでのエラーを防ぐ。
  • スキーマの確定:Google Sheets のデータ構造に合わせて、BigQuery でスキーマを明確に定める。これには、データ型の指定や NULL 可能なフィールドの適切な処理が含まれる。
  • 増分読み込み:大規模なデータセットの場合、増分読み込みの戦略を取り入れて変更されたデータのみを更新することで、処理時間とリソース消費を抑えることを検討する。
  • 自動化ETL ツールのスケジュール機能を活用して定期的なデータ転送を自動化することで、BigQuery が常に最新の情報を確実に入手できるようになる。
  • セキュリティへの配慮:Google Sheets にも BigQuery にも適切なパーミッションが設定されていることを確認してデータのセキュリティを維持し、GDPR などのコンプライアンスを遵守する。

高度なテクニックとしては、以下のようなものが挙げられます:

  • データの変換:データを BigQuery に格納する前に、データの集約、フィルタリング、または拡充に必要な変換を実行する。これは、BigQuery 内の SQL クエリを使うか、Integrate.io のような ETL ツールがにある変換機能によって実現できる。
  • スケジューリングと自動化:自動ワークフローを設定して、Google Sheets からBigQuery へ定期的にデータを更新する。Integrate.io のようなツールには、データ転送の頻度とタイミングを定められるスケジューリング機能があることから、手動で操作しなくてもデータウェアハウスを最新の状態に保つことができる。
  • エラー処理とロギング:ETL プロセスを監視するために、強固なエラー処理とロギングメカニズムを実装する。これにより、あらゆる問題が速やかに特定されて対処されるので、データパイプラインの完全性と信頼性が維持される。

まとめ

Google Sheets のデータを BigQuery と統合すると、スプレッドシートのアクセシビリティとスケーラブルなデータウェアハウスのパワーが組み合わさって、データ分析機能が強化されます。また、ベストプラクティスに従い、Integrate.io などの適切なツールを活用することで、データを効率的にエクスポートし、下流のアプリケーションに対応させることができます。データの自動化を始めるには、こちらから当社のソリューションエンジニアにぜひご相談ください。

Google Sheets と BigQuery の統合についての Q&A

1.Google Sheets から BigQuery へのデータのアップロードを定期的にスケジュールできますか?

はい、Integrate.io、Google Cloud の App Script、または外部のスケジューリングスクリプトなどの ETL ツールを使って、データ転送プロセスを自動化できます。これにより、Google BigQuery のデータは、最小限の手動操作で常に最新の状態に保たれます。

2.BigQuery のデータソースとして Google Sheets を使うことにどんな制約がありますか?

Google Sheets には行数およびセル数の制限(1スプレッドシートあたり1,000万セル)があるため、大規模データの保存には適していません。また、Google Sheets 上での BigQuery クエリは、データが外部システムに存在するため、処理速度が下がる可能性があります。最適なパフォーマンスを得るには、大規模なデータセットを BigQuery の表に直接転送することを検討してください。

3.統合プロセス中にユーザー権限を管理することは可能ですか?

もちろんです。Google Sheets でも BigQuery でも、共同作業者の権限を定めることができます。Google Drive の共有設定を使ってシートへのアクセスを管理し、BigQuery の IAM ロールを使って BigQuery のデータセットと表へのアクセスを管理します。また、Google Analytics、Excel、その他のツールでさらにリアルタイム分析を行うために、これを通じてデータを安全にインポートすることができます。