エンタープライズワークフローのボトルネックや不利なデータサイロがわかった場合は、エンタープライズオートメーションが解決策になる可能性があります。
以下は、本記事における5つのポイントです。
- エンタープライズオートメーションとは、ソフトウェアプログラムやその他の技術を応用して、企業全体で一般的で反復的なビジネス・プロセスを実行することだ。
- 組織は、エンタープライズオートメーションやその他のビジネステクノロジーを戦略的に使って、さまざまなソフトウェアプログラムとアプリの統合や、ワークフローの効率化、反復的なタスクの自動化を行う。
- インテリジェントオートメーションのプラットフォームで、データの分析や、AI(人工知能)と ML(機械学習)アルゴリズムを通じてリアルタイム データを使った意思決定ができるようになる。
- エンタープライズオートメーションで使われる主なテクノロジーには、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)、BPM(ビジネスプロセス管理)、BPA(ビジネスプロセスオートメーション)、および iPaaS(統合プラットフォームアズアサービス)が含まれる。
- エンタープライズオートメーションで、会社のワークフローの効率化や、データ入力エラーの削減、スタッフの時間が解放されて組織的に重要なタスクやキャンペーンに集中できるようになることで、組織の生産性と効率が上がる。
エンタープライズオートメーションは自動化戦略を一元化し、ビジネス価値の実現と俊敏性の向上を実現します。
そこで本記事では、ワークフローの最適化、従業員の生産性の向上、データサイロの解消、さまざまな部門やチームとの繋がり、組織のエコシステム全体での DX(デジタル変革)の推進について見ていきます。
エンタープライズオートメーションについて
組織は、エンタープライズオートメーションやその他のビジネステクノロジーを戦略的に使って、次のようなことを行います:
- さまざまなソフトウェアプログラムとアプリの統合
- ワークフローの効率化
- 反復的なタスクの自動化
また、プロセスやワークフローの改善に役立つエンタープライズオートメーションの側面には、主に以下のようなものが挙げられます:
- ルールベース。この形式のオートメーションでは、タスクの実行をトリガーするルールの事前確定が必要であり、そのルールを確定するのに、特定のプログラムされたアクションが発生するたびにエンタープライズオートメーションのプログラムが取らないといけないアクションを決める条件が選択される。ルールベースの自動化により、一貫性と構造が維持される。
- 統合ベース。統合ベースのオートメーションにより、API、CRM(顧客関係管理)プログラム、ERP(企業資源計画)ソリューションが結び付けられ、このシステム間のデータとワークフローが効率化される。
- インテリジェンスベース。インテリジェントオートメーションで、データの分析や、AI(人工知能)と ML(機械学習)アルゴリズムを通じてリアルタイムデータを使った意思決定ができるようになる。インテリジェンスベースのオートメーションは、複雑なタスクを実行することから、リアルタイムでデータから学習し、人間の手を借りずにさまざまなシナリオに適応できる。
エンタープライズオートメーションによって、組織は複数のメリットを実現できますが、多くの主要な意思決定者は、テクノロジーの重要な側面を誤解していることが多いため、それを試すことに消極的です。
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エンタープライズオートメーションに関するよくある誤解
エンタープライズオートメーションに不安を感じているのは特別なことではなく、多くの企業がオートメーションを控えていますが、この不安は通常、次のようなテクノロジーにまつわる噂から来ています。
誤解1:エンタープライズオートメーションはコストがかかりすぎる
エンタープライズオートメーションを取り巻く最大の誤解は、コストがかかりすぎる、または金銭的投資を回収するのに時間がかかりすぎるという点です。確かに、オートメーションシステムは時に多額の投資となりますが、長い目で見れば以下の節約になるので、事業投資の価値はあります:
- 人件費の削減
- 生産時間の短縮
- 時間の経過に伴う効率の向上
…これはすべて、プラスの ROI(投資収益率)につながる。
誤解2:エンタープライズオートメーションで人間の役割がなくなる
多くの組織のリーダーは、雇用の減少を恐れて、エンタープライズオートメーションを見送っています。確かに、自動化によって時代遅れになる役割もあるかもしれませんが、雇用全体には微妙な影響しか見られないでしょう。ちなみにマッキンゼーによると、エンタープライズオートメーションで実際に現在の役割は強化され、将来的には新しい役割が出てくるだろうとのことです。
誤解3:エンタープライズオートメーションは中小企業向けではない
一般的に中小企業は、大規模な組織にはより多くのデータがあるため自動化が必要であり、自動化などのテクノロジーに投資する能力も高いため、エンタープライズオートメーションは大規模な組織に向けたものだと考えています。ただ実際には、中小企業も、エンタープライズオートメーションから競争力や生産性、全体的な効率の向上など、すべて収益の向上につながるような大きな利益を得ることができます。
誤解4:エンタープライズオートメーションは単純ではない
多くの組織は、自動化が難しすぎると考えて、自動化のルートを見送っています。もしかしたら皆さんは、自動化の実装や、全可動部品の維持には、そのスタッフに専門家が必要だと考えているかもしれません。そうですね、確かにエンタープライズオートメーションの実装は複雑ではありますが、処理はそれほど複雑ではありません。実際、エンタープライズオートメーションシステムは、大抵使いやすさを念頭に置いて作成されており、それを理解して利益を得るのにそこまで多くのトレーニングは必要ありません。
これでみなさんの疑問に対処できたかと思います。では、エンタープライズオートメーションで使われる主なテクノロジーを見てみましょう。
エンタープライズオートメーションの主なテクノロジー
エンタープライズオートメーションで使われる主なテクノロジーには、次のものがあります:
- RPA(ロボティックプロセスオートメーション):RPA とは、一般的に反復的であるルールベースのタスクを自動化するためにボットを使うことである。RPA ボットは、人間の行動の模倣、複数のシステムとの対話、さまざまなタスクの実行、データの操作を行う。
- BPM/BPA(ビジネスプロセス管理の自動化):BPMとBPAは、人間が関与する必要性を最小限に抑える自動化ソリューションを使い、このビジネスプロセスツールは、与えられたプロセスの全タスクをいかにシームレスに統合できるかを重視するエンドツーエンドの戦略である。エンタープライズオートメーションのソリューションで、ビジネスプロセス管理と自動化がプロセスを実行して戦略を実行するための環境が得られる。
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iPaaS(サービスとしての統合プラットフォーム):iPaaS プラットフォームは、大抵はアプリケーションと他のエンタープライズシステム間の統合データフローを促すのに不可欠であり、その結果、自動化のための適切な接続ランドスケープが実現する。
- iPaaS には、以下のような機能がある:
- 今日の技術スタックとレガシー(旧式)アプリケーションの統合機能
- クラウドの弾力性とマルチテナント機能
- 統合のデプロイと開発
- 統合管理
- 統合ガバナンス
- システムの拡張性
- ストレージに依存しない (クラウド、オンプレミス ストレージ ソリューション、またはハイブリッド化されたストレージの場所の使用)
- iPaaS には、以下のような機能がある:
エンタープライズオートメーションの利点
2021年に Salesforce が実施した調査では、職場の自動化によって従業員の満足度が上がることがわかりました。Science Direct 誌に掲載された最近の研究では、人がストレスの多い状況をどのように認識して反応するかに関する変数はたくさんあると結論付けています。言い換えれば、進行中のエンタープライズオートメーションの取り組みに関する仕事関連のストレスが増しているように見えますが、人がテクノロジーについてどのように、そしてなぜ感じるかを区別するには、変数が多すぎるということです。
多くの組織では、リーダーシップがサイロ化されたアプローチを採用しているため、自動化のメリットを十分に享受できていません。自動化の価値を本当の意味で理解するには、組織全体の総合的なアプローチが必要であり、その包括的なアプローチがエンタープライズオートメーションなのです。
総合的な自動化アプローチには、次のような利点があります:
- 手作業の削減とプロジェクトのより速やかな完了による生産性の向上
- 手作業によるプロセスよりも精度が上がり、エラーが減る
- 直接的および間接的なコストの削減
- データ管理の改善により、規制コンプライアンスとレポート作成が強化される
エンタープライズオートメーションのこのような利点は、完全に実装された組織では明らかです。では、どうすれば活用できるのでしょうか?
組織にエンタープライズオートメーションを実装するための4ステップ
組織を自動化するには以下を行います:
- 現在のワークフローを評価する。自動化の機会が存在する領域を特定し、自動化ツールを追加するためのチームの準備状況を評価する。
- 適切なオートメーションのソリューションを選ぶ。自動化の理由と自動化する場所を評価し、その結果を使って適切なオートメーションプログラムを決める。比較のためにベンダーの候補リストを作り、上位のソリューションを3つ選んでデモを予約する。
- 計画と実行。組織がオートメーションのソリューションをどのように実装するかについての段階的な計画を立て、変更管理の戦略をブレインストーミングする。
- 成功を測る。適切な KPI(主要業績評価指標)を選び、アクティビティを監視して、必要に応じてアプローチを微調整する。会社が思い描いた自動化のレベルに達するまで、自動化の継続的な改善と拡張に取り組む。
これは比較的簡単ですが、エンタープライズオートメーションに移行する際に以下のような特定の問題に直面するかもしれない企業もあります。
エンタープライズオートメーションの課題
エンタープライズオートメーションには多くの利点がありますが、難しい課題をもたらす問題に遭遇する可能性があります。なので、実装中に以下のような潜在的な問題が発生した場合にどのように対処して克服するかを検討するのが重要です:
サイロ
多くの組織では、特定のチームが各々の部門の目標のみに集中する自動化のサイロ化を経験しています。そうですね、これはそのような部門だけに焦点を当てている企業には有効かもしれませんが、マイクロ以上の利益を求めているのであれば、多くのメリットを見逃していることになります。このように範囲が限られていると、自動化をまったく試みない場合よりも悪い影響が生じるような非効率的なプロセスが生成されてしまう可能性があります。
導入時のボトルネックの特定
ボトルネックの特定は簡単ではないと感じるかもしれません。なので、詳しい評価を行って、エンタープライズオートメーションが最も切実に必要である場所を知る必要があります。これは、独自のシステムやレガシーシステムを導入している組織にとっては特に重要であり、自動化戦略は、このようなシステムに合わせて調整するか、リーダーシップがどのプログラムやツール、アプリ、その他の独自のシステムやレガシーシステムを新しいテクノロジーに置き換える必要があるかを評価する必要があります。
そして実装上の課題には、変更への抵抗、不明確な戦略、さらには完全な受け入れと導入を妨げる文化的な障壁も含まれます。
正確なデータ入力
正確かつ完全なデータ入力は、プロセスの自動化の重要な部分です。不整合や不正確さは、ワークフローのエラーを引き起こし、エンタープライズオートメーションから得られるメリットが打ち消される可能性があります。なので、データ品質の問題の原因の特定やエラーの修正を行い、組織の全システムにおけるデータ整合性の重要性をチームがきちんと理解できているようにしましょう。そして、今後時折発生するデータエラーを処理するためのベストプラクティスを確立しましょう。
おすすめ記事(英語):The Essential Role of a Data Steward in Modern Business Intelligence(現代のビジネスインテリジェンスにおけるデータスチュワードの重要な役割)
非標準のタスク自動化
これまで人間の目が必要だったタスクをエンタープライズオートメーションで実装するのは大変です。人間レベルの正確さがなければ、結果のタスク、アクティビティ、またはデータからの意思決定が妨げられたり、完全に不正確になったりする可能性があるため、そのようなタスクの自動化が必要かどうかを判断しましょう。
スケーラビリティ(拡張性)
この意味でのスケーリングは、組織のスケーリングではなく、エンタープライズオートメーションのシステムが、数や頻度に関係なく増加する「ジョブ」を処理する能力を指します。この自動化イニシアチブを複数の部門にデプロイする場合、自動化のシステムが変動するデータ、トランザクション、または処理量をすぐに処理できることを確認することが重要です。
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Q&A
Q. エンタープライズオートメーションとはどのようなもので、どのような仕組みでしょうか?
A. エンタープライズオートメーションとは、オートメーションソフトウェアプログラムやその他のオートメーションテクノロジーを使って、企業全体で一般的で反復的な業務を実行して企業リソースの最適化を実現することです。エンタープライズオートメーションでは、次のうち 1つまたはすべてを使って、ほんとうの意味での自動化を実現できます。
- AI(人工知能)
- ML(機械学習)
- RPA(ロボティックプロセスオートメーション)
Q. 企業で自動化するワークフローをどのように特定しますか?
A. どのビジネスプロセスが自動化されるべきかを決めるには、チームが日常的に実行するタスクを検討します。自動化できるデータ駆動型のタスクには、以下のようなものがあります:
- 繰り返し
- 頻繁
- 大量
- 構造的
- 時間がかかる
- エラーが起こりやすい
- コストがかかる
Q. エンタープライズオートメーションの実装における課題は何ですか?
A. エンタープライズオートメーションの成功を阻む課題には、次のようなものが挙げられます:
- オートメーションのサイロ化
- ボトルネック
- 採用や賛同の欠如
- 不正確なデータ入力
- 非標準タスク
- 拡張できない
Q. エンタープライズオートメーションで生産性と効率がどのように上がりますか?
A, エンタープライズオートメーションで、企業のワークフローの効率化や、データ入力エラーの減少、スタッフの時間が解放されて、より組織的に重要なタスクやキャンペーンに集中することができ、組織の生産性と効率が上がります。