データセキュリティが最も重要な時代において、データ転送プロトコルの頑丈さを理解することは不可欠です。企業が効果的なレポートティング、分析、インサイトの収集を優先する中で、ETL(抽出、変換、格納)プロセスは極めて重要な役割を果たし、このプロセスは、さまざまなソースからデータを集め、多くの場合データウェアハウスに安全に保存することを目的としています。その1つの方法である SFTP(セキュアファイル転送プロトコル)は、20年以上にわたって業界標準となっていますが、ビジネスデータを保護する上で、SFTP はどの程度信頼できるのでしょうか? そこで、本記事で SFTPの複雑な仕組みについて深く掘り下げてみましょう。

本記事の主なポイント5つ:

  • SFTP の概要: FTP から進化した SFTP は、SSH プロトコルを通じて強化された暗号化を提供する。
  • SFTPの利点:SFTP は、ビジネスシーンにおける多用途性で際立っており、それによってレイヤーセキュリティが提供され、コンプライアンスが確保される。
  • SFTP セキュリティ:AES 暗号化と SHA-2 ハッシュを利用することで、最適なセキュリティを実現するには人間の勤勉さが不可欠であることが強調されている。
  • SFTP と ETL の統合:事前設定されたコネクタのないソースに対しても、シームレスで安全なデータ統合を提供する。
  • 推奨:SFTPに対応するクラウドベースの ETL ソリューションは、安全で効率的なデータ管理の鍵となる。

本記事では、多くの企業が信頼する安全なソリューションとして、SFTP が本当に評判どおりなのかどうかを見ていきます。

SFTP とは

SFTP は、FTP を進化させ、よりセキュアにしたものです。FTP(ファイル転送プロトコル)は、1970年代から1990年代まで、クライアントとサーバー間でファイルを転送するための事実上の方法であり、SFTP は、どんな転送にも関わる暗号化によってその安全な性質を表している「(Secure の)S」ともに1990年代に誕生しました。

FTP とは違い、SFTP は安全なリモートログインに対応する SSH プロトコル上で動作します。これは、デジタル通信中に強力な認証のためのオプションを多く提供することにより、より安全なファイル転送が保証されます。

さらに読む(英語)What is the Difference Between FTP and SFTP?(FTPとSFTPの違いとは)

SFTP の利点

SFTP が注目される理由は、その安全性だけでなく、さまざまなビジネスシーンにおける適応性と汎用性にもあります。企業は特定のコンプライアンス基準を満たす必要があるかもしれませんが、SFTP はこれを達成する上で極めて重要な役割を果たことがあります。以下に、SFTP の明確な利点を挙げましょう:

  • 他のプロトコルがチャネルを複数使うのに対し、SFTP はデジタル通信に単一のチャネルを使う
  • 基礎となる SSH プロトコルには、さまざまなタイプのセキュリティの層がある
  • そのレイヤーには、データ暗号化、データ完全性保護サービス、サーバー認証が含まれる
  • 認証は、ユーザー定義のプライベート・セキュリティ・キーまたは英数字のユーザー名とパスワードによって行われる
  • OS(オペレーティングシステム)やアプリケーションを問わず幅広くサポートされている
  • 大抵のデータガバナンスと規制コンプライアンス要件を満たしている

SFTPは、多くの理由でデータ転送プロトコルとして好まれています。卸売業者や小売業者は、SFTP を使って出荷や注文に関する情報を安全に転送することができ、SaaS アプリケーションは、よく SFTP を使って相互に情報を転送します。また、後でお話しますが、SFTP は ETL ソリューションの不可欠な一部となり、暗号化された安全な状態を維持しながら、効率的にデータをマージや統合することができます。

SFTP の安全性 - 安全なファイル転送プロトコル

SFTP は、その名前に「セキュア(Secure)」と入っていることから、当然期待も高まります。ただ、実際のところ SFTP はどの程度安全なのでしょうか?その答えは、、、ありがたいことに、、、「非常に安全」です。

サイバー犯罪者が SFTP で転送されるデータを傍受しても、何の役にも立ちません。データは何重にも暗号化されているため、事実上役に立たないのです。また、SFTP(より正確にはその下の SSH プロトコル)は、データの暗号化に AES(高度暗号化技術)を使用しており、この対称型ブロック暗号は、素数を含む数学的プロセスを使って、特定のキーでデータを暗号化します。そしてこれは、データが目的の受信者の手に安全に渡ってから、システムが正しい鍵を提供することを目的としています。

また、SFTP には、データの整合性を確保する方法や、さらに安心なことに、外部干渉により何らかの形でデータが変更された場合にデータ受信者に警告する方法もあります。SSH が提供する「SHA-2」と呼ばれるハッシュアルゴリズムは、「ハッシュ 」と呼ばれる特定の文字と数字の組み合わせを作成するようにデータを処理します。データ転送が成功すると、ハッシュのアルゴリズムが再び実行され、受信者はシステムがまったく同じハッシュを生成していることがわかるはずです。もしもさまざまなハッシュが表示された場合は、転送中にデータに何かが起こったことが考えられます。

SFTP ユーザーは、独自のユーザー名とパスワード、または特定のセキュリティー・キーを設定することもできますが、もちろんそれは、企業が従業員に対してパスワードの開示や書き留め、あるいは共有のコンピュータへの保存をしないよう教育している場合にのみ機能します。また、従業員やデータ管理者が強力なパスワードを使い、そのパスワードを定期的に変更または使い捨てに限定することも極めて重要です。

企業はまた、デフォルトのパスワードを避け、例えば従業員が会社を辞めたり、役割が変わったりした場合など、データ管理者が必要に応じてパスワードを調整できるようなパスワード集中化プロセスを採用すべきです。データと人間の相互作用は、データを可能な限り安全に保つための主要な要因であり、実際、このような人間とのやり取りが、潜在的なセキュリティ上の懸念のほとんどを引き起こしているのです:では、 SFTP の安全性はどうなるのでしょうか?

転送されたデータを誰かが持ち出して再び転送した場合、SFTP ではこれを防ぐことはできません。でも他のファイル転送セキュリティプロトコルでも防ぐことはできません。なので企業によっては、特に GDPR(EU 一般データ保護規則)のような厳しいデータセキュリティ規制に準拠する必要がある場合、不正なファイル転送を防止するために追加のデータセキュリティ機能が必要になることがあります。また、SFTP は特定のネットワーク上の転送の中央文書を全て自動的に記録するわけではないため、データ転送の手動ログの維持が必要な場合があります。

また、SFTP では転送中のデータしか暗号化されないため、データ管理者やエンジニアは、PII(個人を特定できる情報)などの保存された機密データが、業界の規制を満たすのに必要な関連する暗号化が必ず施されているようにしないといけません。これは、使用するデータ転送プロトコルに関係なく、またデータが静的であっても必要なことです。

SFTP と ETL

ネットワーク経由でデータを転送する場合、SFTP がシンプルで安全なソリューションであることは明らかです。それこそが、効果的なデータ統合に役立つツールである所以です。ビジネスデータを全て単一のデスティネーションに統合することで、最も迅速で運用性の高い分析やレポートを作成できるため、さまざまなデータ ソースにスムーズに接続できることが重要です。

そのソースの多くには、ETL ツールが簡単に通信して必要なデータを引き出すことができるようになる API などのコネクタがあります。例を挙げるとすれば、Salesforce などの CRM サービスや、Google Ads や Facebook Ads などのマーケティングサービスなどがありますが、データソースにすべてあらかじめコネクタや API が用意されているわけではありません。

SFTP を使えば、それは問題ありません。現在、SFTP 接続を提供するサービスがない企業の場合、独自の SFTP サーバーをセットアップし、サーバーに接続先と必要なデータを正確に伝えるコマンドを実行することができます。どのような接続を行うにせよ、ビジネスデータが全て集まり、常に安全に転送されているという安心感が得られます。

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Integrate.io は、完全な拡張性と伸縮性を備えた、コード不要のクラウドベースの ETL ソリューションであり、SFTP に完全に対応し、企業が最も重要なデータを管理および統合するための安全な手段を提供します。また、データストアや SaaS プラットフォームへの接続があらかじめ多数構築されているため、企業はデータの真の可能性を活用するための最適なデータパイプラインを作成することができます。

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