ITのモダナイゼーションに関しては、「クラウド導入のための戦略」や「デジタルトランスフォーメーション」について述べられることが多いかと思います。しかし、こういった議論やクラウド採用計画フェーズにおいて、多くのベンダーがサービス(SaaS)プラットフォームを推奨することに躍起になっています。
組織が大混乱に陥ることを避けるために、クラウド導入においてリスクのない簡単な成功に焦点を当てることにより、ITのモダナイゼーションへの取り組みをスタートする必要があります。ここでいうクラウド採用の「簡単な成功」とは、以下が挙げられます。
- 金銭的なメリットが顕著で明らかである。
- 導入プロセスがシンプルで、ほとんどすぐに導入できる。
このブログでは、こうしたWin-Winソリューションを発見するための4つのヒントについて紹介します。それによって、皆さんがレガシーシステムを解体することなく、最新のハイブリッドクラウドITインフラストラクチャの恩恵を受けることができます。
Table of Contents:
1. バックアップシステムを移行する
2. Saasアプリケーションへ乗り換える(それが容易な場合)
3.電話機器を排除する
4. 開発・テスト環境をクラウドへ移行する
クラウドへ移行する前に尋ねておくべき質問事項
ヒント1:リソースを大量に使用する、まれにしか使用しないバックアップシステムを移行する
クラウド以外のすべてのITインフラストラクチャは、そのリソースの大部分を、めったに使用されないデータを保持するのに充てています。こういった資産は通常、バックアップストレージやコンプライアンス目的で必要になりますが、別の言い方をすると、ミッションクリティカルではないため、クラウド移行のために一時的にオフラインにすることは、運用全体に影響を与えない低リスクな提案だと言えます。
オンプレミスのエンタープライズ級のデータストレージサーバーの初期投資とメンテナンス料金について考えてみましょう。通常、メンテナンス料金は非常に高いため、わずか数年で、サーバー自体に対して支払ったのと同じ額をメンテナンス費用として支払います。Reddit ユーザーからの以下の投稿では、これらのコストがどれほど高くなるかについての洞察を提供してくれています。
「私たちは3年前にRecovery Pointのサイトで2台のEMC vnx5400を約34万ドルで購入しました。保守契約の更新時期が来ましたが、EMCは次の3年間で保守コストとして18万ドルを要求しています。」
オンサイトのサーバーを放棄することが選択肢にない場合、「ストレージ維持コストを削減する戦略」により出費を和らげることができますが、クラウドストレージソリューションに移行して費用を削減するのとは比べものになりません。オンサイト機器の保有およびメンテナンスコストを排除することで、クラウドストレージは限りなく経済的で、安全で、スケーラブルです。さらに嬉しいことに、5人以上のユーザーを持つ企業に無制限のクラウドストレージを提供するGoogle G Suites Enterpriseなどの既に使用しているプラットフォームを介して、無料でクラウドストレージにアクセスできるかもしれません。
ヒント2:Saasアプリケーションへ乗り換える(それが簡単な場合)
SaaSクラウドベースモデルに簡単に乗り換えることのできるオンプレミスアプリケーションを探してみましょう。移行プロセスが単純である限りにおいて、オンプレミスのアプリケーションをクラウドに移行することは、以下のメリットがあるので、明確なバリュープロポジションだと言えます。
- 大量のハードウェアとソフトウェアのコストを排除:SaaSモデルは、ソフトウェアのライセンス、インストール、およびサポートに関連するコストに加えて、ハードウェアの取得と保守に関連するコストを排除します。
- 柔軟な支払いオプション:SaaSに関連付けられた柔軟な支払いオプションは、ハードウェアとソフトウェアの費用が定期的な運用コストへ移行されることを意味します。これにより、予算の予測が容易になり、コントロールしやすくなります。
- 高い垂直スケーラビリティ:SaaSソリューションを上下にスケーリングすることでビジネスに合わせて拡大または縮小すること(または毎月のコストをコントロールすること)は、通常は任意のタイミングで非常に簡単に実行することができます。
- 自動更新:新しいソフトウェアのライセンスを取得する(またはセキュリティ更新プログラムを手動でインストールする)代わりに、SaaSプロバイダーがソフトウェアに自動的にパッチを適用して更新するため、社内のITメンテナンスの負担が軽減されます。
- どこからでもアクセス可能:あなたのチームは、インターネットに接続されたあらゆるデバイスからSaaSアプリケーションにアクセスすることができます。
多くのアプリケーションにとって、SaaSへの移行は、Microsoft OfficeのオンプレミスバージョンからOffice 365への移行のように簡単です。それ以外のアプリケーションのために(例えば社内CRMからSalesforceへの切り替えなど)、こういったプロセスには抽出、変換、および新しいソリューションへのデータのロードが含まれています。そういった箇所で 、Integrate.ioのような自動ETLプラットフォームが役立ちます。 Integrate.ioを使用して、 レガシーのCRMからSalesForcehへデータを移動する複雑さを軽減するためのわかりやすいガイドをリンクからご確認ください。
ヒント3:電話機器をなくす
従来の企業は、依然として400ドルの電話機器を配っています。それがスマートフォンであっても、固定電話であっても、従業員が、ワークステーションコンピューターや個人のスマートフォンを使って効率的にコミュニケーションできるのであれば、インフラストラクチャにコストを必要としません。
Microsoft Teams、Microsoft Lync、G Suite、Flock、Slack、Campfire、Fuze、Atlassian、Zoomなど、手頃な価格のSaaSビジネスコミュニケーションプラットフォームが多数あり、電話のすべての機能だけでなく数千倍の機能を提供します。たとえば、これらのプラットフォームでは、テキストおよびボイスメッセージング、音声通話、ビデオ通話、多人数会議、ドキュメント共有、およびリアルタイムのドキュメントコラボレーションが可能です。
さらに、組織がG SuiteまたはMicrosoft 365を使用している場合、ソリューションがサービスにバンドルされて含まれているため、チームはSaaS通信プラットフォームに追加費用なしでアクセスできることだってあり得るのです。切り替えることで、高コストと電話機器を所有するという企業の負担を排除できます。それは簡単なことです。
ヒント4:開発・テスト環境をクラウドへ移行する
アイドル状態の開発・テスト環境用アプリ(オンプレミスでホスティングしているような)をホストするために必要なライセンスとリソースに対して料金を支払う代わりに、開発・テストをクラウド環境に移行することは、開発してテストした時間分だけ支払うことを意味します。さらに、開発・テスト環境用アプリは、ミッションクリティカルではない資産のため、クラウドに移行すること自体にリスクのない提案です。
クラウドベースの環境でアプリを開発およびテストすることで得られるものは次のとおりです。
- 開発者からステークホルダーまでより良い協力とコミュニケーション(アプリ開発とテストのための集約されたすぐにアクセス可能な環境を通して)
- ホスティングサービスを必要に応じてスケールアップまたはスケールダウンできるため、コスト削減と柔軟性が得られます。
- すでにクラウドベースの環境でテストと開発を行っているため、リリースの準備ができたらアプリをクラウドで管理する方が簡単。
追加のボーナスとして、アプリケーションベンダーは、新しい製品やアプリケーションを無料で開発およびテストできるクラウドベースの環境を援助してくれる可能性があります。この潜在的なメリットについても質問することを忘れないでください。
クラウドへ移行する前に尋ねておくべき質問事項
ここまで紹介したクラウド移行のヒントを実践する前に、次のことを確認することが重要です。
- どのようなコスト削減を達成できますか?
- どのような費用を負担しますか?
- どのような管理上の負担が生じますか?
- どのようなITスタッフの負担が発生しますか?
- このテクノロジーには新しい従業員またはスキルセットが必要ですか?
- スタッフは、テクノロジーを使用するためのトレーニングが必要ですか?
- WANインフラストラクチャをアップグレードする必要がありますか?(クラウドにさらに多くのシステムがある場合、オフィス全体で高速で信頼性の高いインターネット接続がこれまで以上に重要になります。)
- 移行にはどれくらい時間がかかりますか?(必須の本番環境のアセットでダウンタイムが発生しますか?)
- 余分で重複するサービスに料金を払っていますか?(追加の費用を発生させることなく、既にそういったサービスにサインアップしていないことを確認します。)
- どのようなビジネス、技術、財務、時間の節約、その他のメリットを達成することができますか?
こういった質問に回答することで、クラウドへの移行が価値があるかどうかを明確に理解できます。
Integrate.io : 複雑なクラウド移行を簡単に
この記事では、「リスクなしで簡単にクラウドに成功する」、つまり、ビジネスの効率性と経済的な節約を促進するために、すぐに体感できるクラウド採用時の簡単な成果について説明しました。しかし、最終的には、ERPシステム全体、オンプレミスデータウェアハウス、およびレガシーアプリケーションをクラウドに移行するなど、クラウド導入においてより高いハードルおよび成果に焦点を移して行きたいと思うでしょう。
これらの移行プロジェクトでは、データの抽出、変換、読み込みに関連する複雑なデータ移行の課題に直面する可能性があります。そのためには、すぐに使える統合機能を備えた強力で使いやすいETLプラットフォームが必要になります。これを使えば頭痛に悩まされることなくデータを自動的に変換およびロードすることができます。
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- Integrate.ioの式エディタを使用して、複雑なデータ準備処理を作成する。
- システムにすぐに接続し、データリポジトリおよびSaaSアプリケーションと統合する。
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Originally Published: March 19, 2018(オリジナル記事は2018年3月に公開されたものです)