- MongoDB はドキュメントデータベースであり、Postgres はリレーショナルデータベース管理システムである。
- MongoDB は分散型アーキテクチャであり、PostgreSQL はモノリシックなアーキテクチャである。
- Postgres は SQL が使用され、MongoDB は BSON が使用されている。
あらゆる企業の機能において、最も重要な部分のひとつとなるのが、「安全なデータベース」です。フィッシング攻撃やマルウェアなどの脅威が増加する中、データの安全な保管や、効果的な処理には、正しい選択をすることが必要不可欠ですが、現在市場に出回っている多種多様なデータベースソリューションの中から選ぶのは非常に難しいことです。ただ【MongoDB】と【PostgreSQL】の2つはよく使われています。
そこで今回は、Mongo DBとPostgreSQLの比較から、以下の重要なポイント5つをご紹介します:
- MongoDB はオープンソースの非リレーショナルデータベースシステムで、NoSQL のカテゴリーに分類される。
- PostgreSQL はリレーショナルデータベース管理システムである。
- データベース管理ソリューションには、それぞれ理想的なユースケースがある。
- データベースは全て、データインテグリティにビジネス全体で焦点を当てると、より良く機能する。
- Integrate.ioは、MongoDB と PostgreSQL の両方のデータベースへのネイティブコネクタを持つノーコードデータパイプラインプラットフォームを介して優れたデータ観測性を提供し、組織が様々なソースからビジネスに不可欠なデータを照合できるよう支援する。
では、MongoDB と PostgreSQL について知っておくべきことは何でしょうか?本記事で、それぞれの主な特徴、機能、性能を比較しながら見ていきましょう。
MongoDB とは
MongoDB は、スキーマのないドキュメント型高性能データベースで、無料プランと有料プラン両方あります。ドキュメントデータベースである MongoDB には、NoSQL(Not Only SQL)データベースという、従来の RDMS(リレーショナルデータベース管理システム)とは違う構造と構文があり、様々なOSで使えます。
NoSQLデータベースは一般的にシンプルであるため、MongoDBはプログラミングの経験がなくても比較的簡単に習得できます。ドキュメントデータベースは、データをJSONタイプのドキュメントとして処理し、このデータは完全な構造化ではなく、半構造化されています。つまり、他の多くのソリューションよりも大量のデータを高速に処理できるということです。また、ユーザーがすべての異なる処理段階、さまざまなフォーマットや構造のデータを検索し、処理できるということでもあるので、従来のリレーショナルデータを扱うデータベースに比べ、より高い柔軟性が得られます。ユーザーはデータにアクセスし、必要に応じてスキーマの変更や更新を行うことができますが、SQLデータベースモデルでは、ユーザーがデータにアクセスし保存できるのは、加工され適切にフォーマットされた後のデータのみです。
MongoDB は BSON(Binary JSON)が使われており、BSON では、long 型、浮動小数点、日付など、通常の JSON では使われない特定のデータ型を使用することができます。また、 『MQL』という SQL に代わるクエリー言語も提供していますが、MQL には SQL と同じ機能があり、さらに様々なプログラミング言語に対応しています。このデータベースは分散型アーキテクチャを採用しており、コンポーネントが複数のプラットフォームで互いに連携して機能るということになります。これは、MongoDB が必要に応じて複数のプラットフォームで拡張できるため、ほぼ無限のスケーラビリティがあるということでもあります。リレーショナルデータベースは垂直方向にしか拡張できず、データベースの複数のレプリカを拡張するために複数のサーバーを必要とすることから、ある時点から高価になります。なお、MongoDB は、水平方向に拡張することができます。
MongoDBは、C、C++、JSでプログラミングされたものです。
MongoDBは、TLS(Transport Layer Security )とSSL(Secure Sockets Layer)によるクライアント側でフィールドレベルの暗号化を提供しています。TLSとSSLは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)をHTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)にするためのインターネット暗号化プロトコルであり、実際、TLS は SSLをアップグレードしたもので、セキュリティの脆弱性を下げるために作られたものです。これにより、ユーザーは MongoDB ネットワークトラフィックを全て暗号化することができ、さらに MongoDB には、ユーザーID を適切に認証するためのさまざまな安全策があります。サポート面 は、コミュニティサポート、チュートリアル、そして有料ではありますが、サポートエンジニアの監督下での完全なトレーニングやアップグレードの両方を提供しています。
MongoDB は、特にデータが半構造化されているだけという事実のおかげで、非常に高速なタスク遂行を実現しています。MongoDBについてのレビューは様々ありますが、「膨大な量のデータを定期的に扱う場合でも、市場で最も高速なソリューションの1つである」とのことです。そのため、データがリアルタイムまたはほぼリアルタイムである必要がある状況に最適で、それによって企業はリアルタイムでビジネスの全体像を把握し、データの最適化を改善することができるのです。
また、MongoDBは、Google Cloud Platform、AWS(Amazon Web Services)、Microsoft Azureなどのクラウドプラットフォームでホスティングすることができます。
MongoDB の一般的なユースケースとしては、顧客分析、コンテンツ管理、ビジネス取引、製品データなどがあります。また、このデータベースは、その拡張性の高さから、数百万人規模のユーザーへの拡張が必要なモバイルソリューションに最適です。
MongoDB の最新バージョンでは、自動データアーカイブ、削除操作、シャード間での時系列データセット配布などに対応する新機能が追加されており、2007年に発売された MongoDB は、現在、EA、eBay、Shutterflyなど、世界的な大企業にサービスに提供しています。
Integrate.ioのネイティブMongoDBコネクタの詳細については、Integrate のページをぜひご覧ください。
PostgreSQLとは
PostgreSQL は、100%無料でオープンソースの ORD(オブジェクトリレーショナルデータベース)であり、その歴史は1987年まで遡り、MongoDB よりかなり古いです。このデータベースは、データをドキュメントのように保存するのではなく、構造化されたオブジェクトとして保存し、SQLデータベースの伝統的な構文とスキーマに従います。
スキーマは、決まった語彙を使ってデータベースに適用できるテンプレートや構造であり、あらゆるテーブル、カラム、キーなど、さまざまなスキーマ・オブジェクトが含まれています。このようなデータベースにデータ格納する前に、データの構造化が必要であり、これはより多くの時間を必要とする傾向がありますが、データをより管理しやすく、読みやすい形式にすることもできます。
PostgreSQL はモノリシックアーキテクチャを採用しており、これはコンポーネントが完全に一体化しているということになり、データベースがそれを実行するマシンと同じだけしかスケールできないということにもなります。また、最も一般的なプログラミング言語の1つであるC言語でプログラムされており、コードはオープンソースで、デベロッパーがアクセスできるようになっています。サポート面では’、PostgreSQLはコミュニティサポートを提供しており、特定の他社を通じてのみ追加の有料サポートオプションを提供しています。
さらに、Postgres には、基本的なファイル保護機能、IPアドレスによるクライアント接続の制限機能、さらに安全性を高めるための様々な外部パッケージとの互換性などがあります。
PostgreSQL のユースケースには、銀行システム、リスク評価、マルチアプリデータレポジトリ、BI(ビジネスインテリジェンス)、製造業、様々なビジネスアプリケーションのパワーアップなどがあり、トランザクショナルなワークフローに最適です。また、PostgreSQL はフェイルセーフと冗長性を備えており、ストレージの信頼性が特に高くなっています。つまり、ヘルスケアや製造業などの重要な業界にピッタリなのです。
両データベースは、同じタスクを多く実行するために、PostgreSQL がテーブルを使うところで MongoDB はコレクションを使ったり、PostgreSQL が行を使ってデータを記録するのに対してMongoDB はドキュメントを使うなど、異なる構文と用語が使われています。また、両者には互いに異なる特徴が多くあります。
PostgreSQL の最新バージョンには、クエリの性能向上や B木 のインデックスエントリーが重複した場合の性能向上や容量削減などの新機能が追加されており、Groupon、Trivago、Revolt などの企業は、PostgreSQL を使ってデータを管理しています。
当社のコードレスデータパイプラインプラットフォームは、MongoDBとPostgreSQL の両方に対応するコネクタをすぐに利用でき、それによってデータを統一し、データウェアハウスからより有意義なインサイトが得られます。14日間のトライアルで、ぜひご覧ください。
MongoDB と PostgreSQLにおける主な機能
ここでは、MongoDBとPostgreSQLの比較で特徴を見ていきましょう:
ACID コンプライアンス
MongoDB は、特にトランザクションワークフローを想定したデータベースにおけるデータの妥当性を追求する原則や構成要素であるACID(Atomicity(原子性)、Consistency(一貫性)、Isolation(独立性)、Durability(永続性))準拠の可能性があり、Postgres は ACID準拠 が内蔵されています。
データ構造
MongoDB は、Postgresがテーブルを使うのと同じ目的で、検証ルールの設定や最大サイズの設定のためのオプションなどのコレクションを使い、Postgresは非常に特殊な言語でテーブルを記述し、データベースや ETL ツールが処理できるような方法でデータを構造化します。
また、両者の用語や構文の違いの例として、MongoDB はデータを取得する際にドキュメントを使用しますが、Postgres は同じ目的で行を使用します。
MongoDB は FOREIGN KEY制約に非対応ですが、PostgreSQL は対応しており、外部キーは1つのカラム、またはカラムのグループで、複数のテーブルのデータのリンクを同時に作成するために使用することができます。また、MongoDB の集計パイプラインは、データ変換のための複数のステージで構成されています。さらに、Postgres はGROUP_BYを使用してクエリを実行しますが、MongoDB はアグリゲーションパイプラインを使用しています。
データセット管理
MongoDB では冗長なレプリカセットが使われ、Postgres はデータセットの維持のために同期または2セーフレプリケーションを実行します。Postgres のようなSQLデータベースでは、複数のテーブルのデータを1つのテーブルにまとめるために結合を使用しますが、使用できる結合の種類は、完全結合、左結合、右結合、内側結合の4種類になります。例えば2つのテーブルがあり、全部ではなく、一部のデータを結合したい場合は、「左」、「右」、「内側」を使って、両方のテーブルを最初のテーブル、2番目のテーブル、または両方のテーブルの一部を3番目のテーブルに結合することになります。データ全部同時に1つのテーブルに結合したい場合は、完全結合を使用します。
MongoDB ではインデックスが使われていますが、これは結合の1つの要素に過ぎず、このデータベースは、通常の結合を行うようには設計されていません。インデックスはデータ構造の一種で、非常に少ない量のデータを読みやすい形で保存することができます。データを単純化し、それによってスキャンしやすくすることで、クエリをより効率的に解決できるようになります。
以下に、MongoDB と PostgreSQL を並べて比較して見てみましょう:
MongoDB |
PostgreSQL |
スキーマがない |
SQLベースだが、様々なNoSQL の機能に対応 |
ドキュメントデータベース |
リレーショナルデータベース |
BSON を使用 |
SQL を使用 |
分散型アーキテクチャ |
モノリシックアーキテクチャ |
ACID 対応の可能性 |
ACID準拠 |
コレクションを使用 |
テーブルを使用 |
データ取得に文書を使用 |
データ取得に行を使用 |
外部キー制約に非対応 |
外部キー制約に対応 |
クエリーの実行にアグリゲーション・パイプラインを使用 |
GROUP_BYを使用 |
冗長化されたレプリカセット |
2セーフレプリケーション |
インデックスの使用 |
結合の使用 |
この2つは、今日の市場で最も重要かつ一般的なデータベースソリューションであるため、自社に必要なものを正確に把握し、データベースの可能性を最大限に活用する方法が不可欠です。
Integrate.io で PostgreSQL と MongoDB への ETL を実行しよう
MongoDB と PostgreSQL の主な違いは、そのシステム、アーキテクチャ、シンタックスに関係しています。
どちらのデータベースからデータを処理する場合でも、企業が抱える最大の問題の1つに、時間と複雑さがあります。ビッグデータを MongoDB や PostgreSQL のデータベースにETL(抽出、変換、格納)する場合、大規模なコーディングや複雑で時間のかかるプロセスを伴うことが多く、さらに、データをある場所から別の場所に移動する際には、データガバナンスの枠組みを遵守する必要があり、そうでなければ多額の罰則を受ける可能性があります。ELT やリバース ETL のような他のデータ統合手法も、大規模なデータエンジニアリングチームがない場合は、同じように大変でしょう。
なので Integrate.io は、MongoDB と Postgres の両方でデータの変換と管理を可能にするデータ統合ソリューションを提供しています。ドラッグ&ドロップベースのインターフェースが使用されている Integrate.io では、コーディング経験がないユーザーでもデータパイプラインを構築し、大量のデータセットを効果的にクリーニングして転送することができます。このプロセス全体には複雑なコードは必要ないので、データエンジニアリングの経験がなくても、好きなデータベースにデータを移動させることができるのです。大変な作業は、Integrate.io がみなさんに代わって全て行います。ETL、ELT、リバース ETL、CDC(変更データキャプチャ)などのデータ統合手法から選択してください。
MongoDB と PostgreSQL のどちらかを選択する際に、Integrate.io を利用するメリットは他にもあります。このプラットフォームは、使用したデータではなく、使用したコネクタの数に対して課金される独自の価格モデルが採用されています。さらに、世界規模でのサポートにアクセスでき、リレーショナルデータベース、トランザクションデータベース、CRM(顧客関係管理)システムなどの間でデータを移動させる既成のコネクタを100以上使えるのも利点です。
Integrate.io を使えば、Python や Java などの複雑なコーディング言語を習得することなく、データ統合タスクを最適化し、既存のデータベースソリューションを最大限に活用することができます。MongoDB と PostgreSQL のどちらを選ぶか迷っている間に、今すぐ Integrate.io に連絡して、当社のサービスの包括的な 14日間のトライアルをぜひお試しになりませんか。当社のプラットフォームをご自身でお試しになり、ぜひ当社の専門チームによるデモをご予約ください。