Microsoft(MS) SQL は、組織がデータを管理や保存するのに使われる一般的なリレーショナル・データベース管理システムです。データ量の増大に伴い、データの抽出、変換、格納は多くの企業にとって不可欠なものとなっています。
以下に、MS SQL の ETL ツールについて押さえておくべき5点を挙げましょう:
- Microsoft SQL Server は RDBMS(リレーショナル・データベース管理システム)である。
- MS SQL ETL ツールは、Microsoft SQL Server データベースにデータを抽出、変換、格納するために開発されたアプリケーションである。
- MS SQL ETL ツールで、さまざまなソースからのデータ抽出や、データの品質向上、正確な処理ができるようになる。
- MS SQL ETL ツールは、直感的な UI(ユーザーインターフェース)、データ変換機能、および事前構築済みの統合機能が備わっている。
- Integrate.io、Fivetran、Microsoft の SSIS など、様々な MS SQL ETL ツールが存在する。
信頼性が高く効率的な ETL ツールだと、データ統合プロセスが大幅に強化され、複数のソースからの情報の抽出と分析がこれまで以上に身近なものになります。
そこで本記事では、データ管理プロセスの効率化に役立つ MS SQL ETL ツール11選を見ていきます。
MS SQL ETL ツールとは
MS SQL ETL ツールは、様々なソースからデータを抽出し、それを使用可能な形式に変換して、Microsoft SQL Server データベースに格納するようにデザインされたソフトウェアアプリケーションです。
このようなツールで ETL プロセスは自動化され、貴重な時間とコストの節約になると同時に、最高のデータ品質が保証されます。
MS SQL ETL ツールを使うメリット
MS SQL ETL ツールは、複数のソースからのデータを統合や分析しようとするビジネスにとって、効率的でコスト効率の高いソリューションであり、非構造化データが大量に発生する組織では不可欠なツールです。
MS SQL ETL ツールがデータ パイプラインの統合にどのように役立つかは次のとおりです:
- さまざまなソースからデータを抽出: MS SQL ETL ツールで、データベース、フラットファイル、Web サービスなど、さまざまなソースからデータを抽出し、それを SQL サーバーに格納できる。
- データ品質の向上: ETL プロセスには「データクレンジング」と「データ変換」が含まれ、重複レコードの削除、エラーの修正、そして最も重要なデータフォーマットの標準化によってデータの品質を上げる。
- 拡張性が高い: MS SQL ETL ツールは拡張性が高いため、大量のデータを簡単に処理できる上に、複数のサーバーまたは分散環境で実行するように構成できるため、大量のデータを迅速に処理できる。
- データの正確な処理:ETL プロセスは、MS SQL ETL ツールを使って自動化され、それで手作業が減り、データが一貫して正確に処理されるようになる。
MS SQL ETL ツールの主な機能
現在、数多くの MS SQL ETL ツールが市場に出回っていますが、皆さんが十分な情報を得た上で ETL ツールを決定できるよう、評判の良い MS SQL ETL ツールにあるべき重要な機能を以下に挙げてみました:
- ETL/ELT/CDC 機能
- 直感的な UI
- 複数の構築済みコネクタ
- ワークフロー管理機能
- データセキュリティ認証
- テクニカルサポート
ETL における MS SQL ツール11選
ここでは、データ統合プロセスを効率化し、複数のソースから SQL サーバーへのデータの抽出、変換、格納をかつてないほど迅速にできるようになる、MS SQL ETL ツール11選をご紹介します。
1.Integrate.io
G2 の評価:5つ星中4.3
主な機能:
- ETL および リバース ETL
- ELTとCDC(変更データキャプチャ)
- API 管理
- データオブザーバビリティ
- ビルトイン統合
Integrate.io はクラウドベースのデータ統合プラットフォームで、複数のソースから Microsoft SQL データベースにデータを抽出、変換および格納することができます。また、リバース ETL 機能により、Microsoft SQL のデータベースからデータを抽出し、CRM(顧客関係管理)などの他のシステムにプッシュバックすることができます。
Integrate.io は、直感的なドラッグ&ドロップ式の UI により、事実上誰でも数分で高度なデータパイプラインを設定および構成できる点で秀でています。また、何百もの構築済みコネクタがあるので、データが全てシームレスにデスティネーションに流れることが保証されます。
Integrate.io は、データ統合プロセスを加速し、最高のデータ品質を保証することで、Microsoft の ETL ツールである SSIS を大幅に改善します。さらに、独自のサーバー環境の維持や、インフラやハードウェアの要件を心配したりする必要がないため、SSIS(SQL サーバー統合サービス) よりも柔軟でスケーラブルです。
料金については、Integrate.io はシンプルで柔軟な料金設定が特徴であり、基本的な ETL やシンプルなデータパイプラインを含む Starter プランで年額15,000ドルからあります。
2.Fivetran
G2 の評価:5つ星中4.2
主な機能:
- ELT
- 300以上の構築済みコネクタ
- 自動データ変換機能
Fivetran は、データソースを Microsoft SQL データベースに接続するクラウドベースのデータ統合プラットフォームであり、事前構築済みのコネクタ、リアルタイムのデータ同期、使いやすいインターフェースにより、技術者でないユーザーでもデータ統合のセットアップと管理を行うことができます。
このプラットフォームでは、SSL/TLS 暗号化などの業界標準のセキュリティプロトコルが使用され、データがシステム間で常に安全に転送されることが保証されます。また、AES-256 などの暗号化技術により、静止状態のデータも保護されます。
さらに Fivetran は、許可されたユーザーだけが顧客データにアクセスできるよう、厳格なアクセス制御ポリシーに従っており、管理者はユーザーに特定の役割を割り当て、機密データへのアクセスを制限することができます。
料金プランは、月間アクティブ行数(MAR)に基づいており、各 MAR は1ヶ月に1回カウントされるので、使用した分だけのお支払いとなります。
3.SSIS
Gartner の評価:5つ星中4.4
主な機能:
- ETL
- グラフィカルなツール
- 他の Microsoft SQL アプリケーションとの手軽な統合
SSIS(SQL サーバー統合サービス)は、データ統合とワークフローアプリケーションのための Microsoft の ETL プラットフォームでり、これによって、ユーザーは複数のソースからのデータを結合し、それを要件に従って変換してSQLサーバーに格納することができます。
主な機能には、データフローのタスク、コントロールフローのタスク、イベントハンドラ、データプロファイリングのタスクなどがあります。
ただ、SSIS は Microsoft SQL Server の一部であるにもかかわらず、その複雑さ、習得のしにくさ、限られた数のサードパーティコネクタのために、企業は SSIS の代わりになるものを探しがちです。
料金は、Microsoft SQL Server のライセンスがあれば、SSIS は無料で使えますが、Microsoft SQL Server のコストは、例えば、スタンダードパッケージは$230から$3,945 など、ニーズによって様々です。
4.Azure Data Factory
G2 の評価:5つ星中4.6
主な機能:
- ノーコードの ETL および ELT
- 90 以上の内蔵コネクタ
- 自律型の ETL 機能
Azure Data Factory は、Microsoft のフルマネージドでサーバーレスのデータ統合ツールであり、ユーザーは、Azure の内蔵コネクタを使用することで、複雑なコードを記述することなく、データをサッと統合することができます。また、Azure Data Factory には、Git と CI/CD のサポートが内蔵されているだけでなく、ETL と ELT 機能が含まれています。
また、Azure Data Factory を使って、オンプレミスの SSIS を簡単にリホストしたり拡張したりでき、これは、データのハイブリッドソリューションを探しているユーザーにとっては素晴らしい選択肢となります。
料金については、Microsoft では、30日以内に使用できる200ドル分のクレジットが無料で提供されており、毎月の無料クレジットを超える金額が必要な場合は、Azure Data Factory ではニーズに応じた従量課金制が採用されています。
5.Talend
G2 の評価:5つ星中4.0
主な機能:
- ETL/ELT
- CDC (変更データキャプチャ)
- 内蔵コネクタ
Talend は、組織の効率的なデータ移動や、あるシステムから別のシステムへのデータ変換を支援する、オープンソースのデータ統合および ETL プラットフォームです。このプラットフォームにより、企業は独自のシステム内で独自のカスタムデータ統合ソリューションをサッと構築してデプロイすることができます。
Talend の Open Studio for Data Integration は無料で使えるため、最もコスト効率の高い ETL ソリューションの1つとなりますが、制限がいくつかあります。 一方、完全なデータ統合および共有ソリューションをお探しの場合は、Talend の Data Fabric を使うべきです。
料金については、このプラットフォームの価格は公表されていないため、営業部門への問い合わせか、デモのリクエストが必要です。
6.Informatica
G2 の評価:5つ星中4.4
主な機能:
- ETL/ELT
- CDC
- オンプレミスおよびクラウドベースのツールとの統合
Informatica は、企業が異種のデータ ソースを組み合わせて Microsoft SQL データベースに接続できるようにする、主要なエンタープライズ データ統合プラットフォームであり、パフォーマンスと精度を維持しながら、大量のデータをリアルタイムでクエリできます。
また、大量のデータへ迅速かつ俊敏にアクセスできたり、内蔵された変換機能のおかげで手作業によるデータクリーニングをする必要があまりなくなるなど、いくつかの利点があります。
さらに、Informatica で、ワークフローのスケジューリングや自動バックアップなどの自動化ツールを通じて、複数のデータベースを管理するコストを削減することもできます。
料金は、Informatica では「Informatica Processing Unit」(IPU)価格が採用されており、ユーザーは使用するサービスに応じて使用量を増減することができます。
7.Hevo Data
G2 の評価:5つ星中4.3
主な機能:
- ELT
- CDC
- 150以上のデータソース
Hevo は AI を活用したデータパイプラインプラットフォームで、リアルタイムのデータの管理および分析するプロセスをシンプルにしてくれます。また、様々なアプリケーションやクラウドストレージサービスの Microsoft SQL Server のデータベースとの統合や、その逆も可能です。
このプラットフォームでは、TLS 1.2プロトコルを使って転送中のデータセットを全て暗号化することにより、データのセキュリティとコンプライアンスが保証されます。また、監査のためにユーザー のアクティビティは全て記録され、GDPR (EU一般データ保護規則)の要件と HIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)の 標準は満たしています。
料金は、Hevo では利用状況に応じて料金プラン(無料および有料)がいくつか提供されていますが、大規模なデータセットをプラットフォームで定期的に処理している場合だと、コストが高いと感じる企業もあるかもしれません。
8.Qlik
G2 の評価:5つ星中4.3
主な機能:
- CDC
- データウェアハウスの自動化
- セルフサービスでの分析
Qlik は強力な BI(ビジネスインテリジェンス)およびデータ統合ソフトウェアであり、ユーザーはリアルタイムでデータを分析および視覚化できます。そしてこのプラットフォームは、様々なソースからデータを取り込んでそれを変換し、Microsoft SQL のデータベースなどの複数のデスティネーションに格納することができます。
また、Qlik はセルフサービス分析モジュールで際立っており、ユーザーは、これを使えば、プラットフォーム上でレポートやダッシュボードを作成できるため、サードパーティのデータ分析ソリューションが不要になります。
Qlik は習得が難しいですが、その強力な機能により、データに対するより深いインサイトを求める企業にとっては価値あるツールとなっています。そして料金に関しては、Qlik のWeb サイト上では価格が公表されていないので、詳細については営業チームへの問い合わせが必要です。
9.Stitch
G2 の評価:5つ星中4.5
主な機能:
- ETL
- ノーコード/ローコード
- 130以上のデータソース
Stitch はクラウドベースのセルフサービス ETL ツールであり、様々なソースから Microsoft SQL Server にデータを抽出するプロセスを、コードを書くことなく効率化することができます。
主な機能には、スキーマの自動検出とマッピング、Microsoft SQL のテーブルとカラムへの JSON ファイルの直接の格納、ETL タスクの自動スケジューリングなどがあります。
Stich はまた、ユーザーが最小限の労力や技術的な知識で ETL パイプラインを素早くセットアップできるよう、多くの事前構築済みコネクタを備えています。そして料金については「Standard」、「Advanced」、「Premium」の3つの料金プランがあり、費用は、使用する行数に基づいています。
10.Matillion
G2 の評価:5つ星中4.4
主な機能:
- ETL
- ノーコード/ローコード
- 数百におよぶ事前構築済みコネクタ
Matillion は、強力な ETL 機能を備えたクラウドベースのデータ統合および変換プラットフォームであり、複数のソースから Microsoft SQL のデータベース、データレイク、データウェアハウスへのデータの変換および格納をシンプルにすべくデザインされています。
Matillion の主な利点の一つとして、その迅速な導入プロセスがあります。技術的な専門知識がなくてもプロジェクトを立ち上げることができるため、ハードウェアの設置や IT メンテナンスにかかるコストが削減されます。また、クラウドベースのテクノロジーにより、大規模なデータセットを扱う場合でも、処理時間が短縮されます。
Matillion は、その幅広い機能により、データ統合プロセスの効率化、パフォーマンスの向上、データに対するより深いインサイトの獲得を目指す企業にとって不可欠なツールとなっています。そして料金は、は100万行までの無料プランが提供されており、それ以上は、「Basic」、「Advanced」、「Enterprise」の3つの料金プランがあります。
11.Domo
G2 の評価:5つ星中4.4
主な機能:
- ETL
- ドラッグ&ドロップのインターフェース
- 1,000以上のコネクタ
Domo は、企業がデータの力を活用することでより良い意思決定を行えるよう支援する、クラウドベースの BI および分析プラットフォームであり、ユーザーは、深いインサイト、予測分析、ビジュアライゼーションにリアルタイムでアクセスできます。また、Domo は Microsoft SQL Server のようなオンプレミスデータベースなど、ほぼすべてのデータソースに接続できます。
このプラットフォームでは、接続されたソースから流れてくる新しいデータが利用可能になり次第、自動的にレポートが更新されるため、手作業によるレポート作成作業が不要になります。さらに、直感的なドラッグ&ドロップ式の UI により、コードを一行も書くことなく、複雑な統合やレポートの作成をサッと簡単に行えます。
料金については、Domo のWeb サイトでは公表されていないので、利用を検討しているユーザーは、カスタム見積もりについて営業チームへの問い合わせが必です。
Integrate.io で Microsoft SQL Server のデータを手軽に転送
Integrate.io は、ビジネスシステムと Microsoft SQL データベース間のデータの抽出、変換、格納に使用できる強力なデータ統合プラットフォームであり、このプラットフォームのドラッグ&ドロップのインターフェースで、最高のデータ品質とセキュリティを確保しながら、手作業でコーディングするよりも速やかに高度なデータパイプラインを作成することができます。
ワークフロー アプリケーションをすべて Microsoft SQL サーバーに統合するための強力なツールをお探しの場合は、Integrate.io をお試しになり、これでどのようにデータ統合プロセスを効率化できるようになるかをぜひご確認ください。
MS SQL ETL に関する Q&A
Q. Microsoft SQL Server とは何ですか?
A. Microsoft SQL Server は、Microsoft 社が開発したオンプレミスまたはクラウドベースのリレーショナル・データベース管理システム(RDBMS)であり、顧客情報、販売取引、在庫記録など、大量の構造化データを保存および管理します。
Q. Microsoft SQL はETL ツールですか?
A. Microsoft SQL は ETL ツールではなく、データの抽出や格納はできませんが、企業は Microsoft の SSIS ツールを使って、様々なソースからデータを取り込むことができます。データ統合プロセスを効率化したい場合は、Integrate.io のような、SSIS に代わるクラウドベースのツールを使いましょう。
Q. SQL と ETL の違いは何ですか?
A. SQL(Structured Query Language)は、リレーショナル・データベースと対話し、格納されたデータを操作するための標準言語であり、データベースオブジェクトの問い合わせ、挿入、更新、削除、作成、変更に使用されます。
一方、ETL(抽出、変換、格納)とは、様々なソースからデータを抽出し、それをクエリに適した形式に変換し、ターゲットデータベース、データレイク、またはデータウェアハウスに格納するプロセスのことです。