Salesforce は、営業、マーケティング、カスタマーサポートの意思決定をスマートに行うためにユーザーデータを集めてそれを活用するための、大手 CRM(顧客関係管理)ソフトウェアプラットフォームの1つです。ただし、技術スタック内の他のソフトウェアもこのようなデータから利益を得ることができ、適切な Salesforce ミドルウェアを使えば、他の重要なツールと簡単にデータを交換できます。
Salesforce ミドルウェアについて知っておくべき主なポイント:
- Salesforce ミドルウェアを使うと、Salesforce を他のアプリケーションやデータソースに接続してデータを交換できる。
- Salesforce ミドルウェアを使うと、データアクセスがよくなり、データの更新をリアルタイムで受け取ることができる。また、ミドルウェアは、接続されたシステムで読み取り可能で使用可能な形式で表示されるようにデータを変換してくれる。
- ミドルウェアに接続されたシステムは、交換されたデータを活用して、タスク完了やデータベースの更新、およびその他の機能を果たすことができる。
- Salesforce ミドルウェアを購入する際には、各プラットフォームの機能セット、価格、およびカスタマーサポートオプションの考慮が必要。
- Salesforce のミドルプラットフォームのには、Integrate.io、MuleSoft、TIBCO、Talend、Jitterbit、ActionDesk、Dell Boomi、RapidiOnline などが筆頭である。
そこで本記事では、Salesforce ミドルウェアを深く掘り下げ、既存の技術スタックを Salesforce に接続するための最適なツールをご紹介します。
Salesforce ミドルウェアとは
Salesforce ミドルウェアは、Salesforce を他のアプリケーションやデータソースに接続するためのツールであり、Salesforce を他のソフトウェアとシームレスに統合し、接続されたシステム間でのシームレスなデータ交換を実現します。
Salesforce と他の接続されたシステムは、交換されたデータを活用してタスクの完了やデータベースの更新およびその他の機能を果たすことができます。つまり、Salesforce ミドルウェアは、Salesforce と他のシステムをつなぐ双方向のデータブリッジとして機能します。ミドルウェアは、データの送信だけでなく、接続されたシステムで読み取り可能で使用可能な形式で表示されるようにデータを変換してくれるのです。
Salesforce ミドルウェア統合ツールを使う理由
現代のビジネスは、機会の特定や、企業目標の達成を早めるための賢明な意思決定のために、ユーザーデータに依存しています。Salesforce には、自社の強みになる貴重な顧客データがたくさんあり、Salesforce ミドルウェアの統合により、Salesforce の顧客データを他のアプリケーションやシステムで活用することができます。
例えば、ミドルウェアで Salesforce を自動マーケティングやカスタマーサポートツールと接続でき、自動マーケティングツールでは、Salesforce の顧客データを利用してマーケティングメッセージを個別化し、より効果的なマーケティングを行うことができます。
また、Salesforce から顧客との対話記録にアクセスし、新規または既存の顧客の問題を解決するのに使えるため、顧客サポートツールにも同様にメリットがあります。
そして、Salesforce のミドルウェアを活用し、相互接続された技術エコシステムを構築するメリットは、他にも以下のようなものがあります:
- より良いデータ: Salesforceには貴重な顧客データがあるが、すべてではないことから、Salesforceと他のアプリケーションを統合することで、顧客データのギャップを埋め、既存の顧客データを充実させることができる。
- データアクセスの改善: 全顧客のデータを Salesforce のような CRM に保存することは最適ではないが、Salesforce ミドルウェアツールだと、接続されたシステム間のデータ同期がしやすくなるため、他のシステムで関連する顧客データを表示できる。
- リアルタイムのデータ更新: シームレスなデータ同期により、単一のシステムでのどんなデータ変更も、接続されたシステムにすぐに反映される。リアルタイムの自動データ更新により、複数のシステムでデータを手動更新する手間やリスクがなくなり、さまざまな部門のチームメンバーが常に最新のデータにアクセスできるようになる。
Salesforce ミドルウェア統合ツールを探す際の注意点
Salesforce ミドルウェアツールを購入する際に考慮すべき点は、[機能]、[価格]、[カスタマーサポートのオプション]の3つです。
機能
最適な Salesforce ミドルウェアツールには、ユーザーに優しく、システム接続やデータ転送をシンプルする機能が備わっています。
例えば、ミドルウェアには、すでに使っているシステムを簡単に統合するためのコネクターがあるべきであり、ETL(抽出、変換、格納)に対応し、データが使用可能な形式で他のシステムに転送されるようになるべきです。
価格
Salesforce ミドルウェア統合ツールの価格はさまざまですが、例えば、チームメンバー全員をサポートできない安価なミドルウェアツールでは意味がないので、予算に見合った、必要な機能を備えた製品を選びましょう。
カスタマーサポート
ミドルウェアの使用中にトラブルに見舞われた場合に、速やかなサポートを受けられるといいですね。なので、年中無休のカスタマーサポートがあるミドルウェアプロバイダーを選びましょう。また、ライブチャット、電話、メールなど、好みのチャネルでカスタマーサポートに連絡できるべきです。
それでは、技術インフラを接続するための Salesforce ミドルウェア統合ツール8選を見ていきましょう。
1. Integrate.io
G2 の評価:星5つ中4.3
主な機能:
- 内蔵 Salesforce コネクタ
- ETL およびリバース ETL
- ELT および CDC(変更データキャプチャ)
- データオブザーバビリティ機能
Integrate.ioは、Salesforce ミドルウェア統合のためのユーザーに優しいサードパーティ製 ETL ツールです。Salesforce と他のアプリケーションのシームレスな統合を促進し、Salesforce からデータを抽出したり、Salesforceにデータを格納して、貴重なリアルタイムの顧客インサイトを得ることができます。また、データを使ってさまざまなプロセスを自動化することもできます。
Integrate.io には複数のコネクタがあるため、Salesforce と他のシステムを接続して双方向のデータストリームを簡単に実現でき、このミドルウェアは、接続されたシステム間での ELT と CDC の提供も簡単です。また、Integrate.io のローコード、ドラッグ&ドロップインターフェースにより、数分で Salesforce との統合を設定できます。
Integrate.io の料金はシンプルで透明性の高い価格設定で、ETL は年間15,000ドルからあります。
2. MuleSoft
G2 の評価:星5つ中4.4
主な機能:
- ETL および ELT のデータ統合
- Salesforce との双方向統合
- 他のアプリケーション用の事前構築済みコネクタ
MuleSoft も評判の高い Salesforce ミドルウェア統合ツールであり、その Anypoint Platform は、Salesforce や他のソフトウェアに接続してデータの取得や送信をすることができます。
MuleSoft は、ETL と ELT によるデータ転送に対応していますが、Integrate.ioと比べると、学習曲線と価格が厳しいです。なお。価格の詳細については、営業部門へのお問い合わせが必要です。
3. TIBCO
G2 の評価:星5つ中4.2
主な機能:
- 事前構築済みのコネクタ
- API 主導型またはイベント駆動型の統合オプション
- カスタムコネクタ
TIBCO には、2つ以上のシステム間でデータを同期するためのクラウドベースのデータ統合ソリューションがあり、Salesforce のデータを他のシステムのデータと統合することで、データへのアクセスとコントロールをシンプルにできます。また、最新のデータでの意思決定ができるように、システム間でリアルタイムの更新を受け取ることができます。
TIBCO の価格は必要な製品によって異なり、例えば、クラウド統合プラットフォームは月額400ドルからあります。
4. Talend
G2 の評価:星5つ中4.3
主な機能:
- ELT、ETL、CDC データ転送
- パイプライン・デザイナー
- Stitch data loader
Talend には、Salesforce と他のアプリケーション間でデータを安全に共有するためのユーザーに優しい API があります。また、あらゆるデータタイプを統合してデータパイプラインを構築できます。
また、さまざまなソースからデータを収集、変換、マッピングして、Salesforce を「信頼できる唯一の情報源(Single source of truth)」に変えます。
料金については、Talend は現在、価格を公表していないため、詳細については営業への問い合わせが必要です。
5. Jitterbit
G2 の評価:星5つ中4.6
主な機能:
- Salesforce コネクタ内蔵
- ドラッグ&ドロップの UI(ユーザーインターフェース)
- 迅速なオンボーディング
Jitterbit を使えば、Salesforce と他のアプリケーションを接続して、顧客データをあらゆる角度から一箇所で見ることができます。また、Jitterbit を活用することで、カスタマージャーニーの様々な段階におけるデータフローやプロセスを自動化することができます。
価格については、Jitterbit には「スタンダード」、「プロフェッショナル」、「エンタープライズ」の3つのプランがあり、詳細は営業への問い合わせが必要です。
6. Actiondesk
G2 の評価:星5つ中3.5
主な機能:
- カスタムデータインサイトとレポート
- 直感的なダッシュボード
- ローコードであり SQL 不要
Actiondesk は Salesforce などの SaaS ツールやデータベースへ接続し、生データの自動取得や自動更新されたレポートの提供をします。それでダッシュボードでのレポートの閲覧や、データ駆動型の意思決定を行うための貴重なインサイトを得ることができます。
また、Actiondesk は B2B の SaaS企業が通常使うツール全てに対応しているため、ミドルウェアを技術スタックに接続するのも迅速かつ簡単です。なお、価格については、Actiondesk のプランは月額150ドルからとなっています。
7. Dell Boomi
G2 の評価:星5つ中4.3
主な機能:
- ローコード、クラウドネイティブプラットフォーム
- iPaaS、API ゲートウェイ、API マネージャー機能
- リアルタイムのデータ統合
Dell Boomi は、Salesforce とその他のアプリケーションを接続するためのノーコード/ローコードインターフェースを備えた iPaaS および API ゲートウェイであり、それで事前構築されたコネクタを使ってアプリケーションを接続することも、カスタム API を構築することもできます。また、接続されたアプリケーションは、ETL のようなデータフローでデータを交換できますが、Integrate.io とは違って、Dell Boomi は大量のデータ統合には適していません。
料金については、ニーズに合わせて4つの料金プランが用意されていますが、具体的な詳細はオンラインでは公開されていないため、営業への問い合わせが必要です。
8. RapidiOnline
G2 の評価:なし
主な機能:
- プログラミング不要のデータ統合
- 設定済みのコネクタテンプレート
- フルカスタマーサポート
RapidiOnline には、ほぼすべての ERP(企業資源計画)と Salesforce を統合するための柔軟なソリューションがあります。ミドルウェアのインストールと接続はサッと簡単にでき、事前構築されたコネクタを使って既存の技術スタックを統合できます。また、接続されたシステムは自動的にデータと同期するので、データエントリを手動で更新する必要がなくなります。
料金は、月額310ドルからの基本的なプランがあり、ニーズに応じた他のプランもあります。
Integrate.io で Salesforce のデータ統合がシンプルに
今回挙げた他の Salesforceミドルウェア統合ツールと比較して、Integrate.io はよりユーザーに優しく、コードなしでパイプラインを作成することができます。
さらに、信頼できる無制限のカスタマーサポート、速やかなセットアッププロセス、事前構築済みの Salesforce コネクタがあります。ぜひ今すぐデモをリクエストして、組織で Integrate.io の機能をご体験ください。
Salesforce ミドルウェアに関する Q&A
以下は、Salesforce ミドルウェアに関するよくある質問とその回答です。
Q. なぜ Salesforce のデータ統合にミドルウェアを使うのでしょうか?
A. Salesforce のデータ統合にミドルウェアを使うと、接続されたシステム間でデータをシームレスに同期するための、汎用的でスケーラブルかつシンプルなソリューションが提供され、ミドルウェアは開発時間とコストを削減できるため、Salesforce のデータ統合にも適しているのです。
Q. Salesforce ミドルウェアはどのような仕組みですか
Salesforce ミドルウェアで、接続システム間のデータ交換と同期がしやすくなります。また、データベースやアプリケーションなどの接続システムからデータを集め、Salesforce と互換性のある形式に変換します。
そして、変換されたデータを Salesforce プラットフォームで表示し、使用することができます。ミドルウェアは双方向のデータフローに対応しているため、Salesforce からデータを収集および変換して、接続されているシステムに対応する形式で送信することもできます。
Q. ミドルウェアとポイント・ツー・ポイントの統合の違いは何ですか?
ミドルウェアは、複数のアプリケーション間の橋渡しの役割を果たし、それによって効率的な通信とデータ交換が実現します。また、接続されたシステム間のデータ変換とルーティングを処理し、統合とデータ同期をシンプルにします。
一方、ポイント・ツー・ポイント統合は、2つの個別のシステム間に直接接続を作成し、2つのシステムを統合するたびに、個別の接続が必要になります。そのため、複数の統合システムがある場合、複雑な接続ネットワークになってしまいます。
このような複雑なネットワークは管理、維持、拡張が難しく、ポイント・ツー・ポイントの統合はミドルウェアに比べて柔軟性や拡張性に劣ります。