Amazon Aurora PostgreSQL は、Amazon のクラウド機能の革新性とPostgreSQL の信頼性の高いフレームワークを巧みに組み合わせた、データベース技術の大きな飛躍を象徴するものです。そしてこれは単なるデータベースではなく、高いパフォーマンス、可用性、PostgreSQL との互換性が約束されたクラウド用にデザインされたソリューションです。

そこでこのガイドでは、そのセットアップのプロセスをわかりやすく説明します。前提条件からデータの移行とリストアの最後の仕上げまで、Aurora PostgreSQL の導入が確実に強固で安全で、ベストプラクティスに沿ったものであるようにするために、各ステップを詳しく見ていきましょう。

まずは、以下に Amazon Aurora PostgreSQL のセットアップについて主に知っておくべきことを5つ挙げましょう:

  • 基本的なデータベースの概念と SQL をしっかりと理解していることが重要である。
  • Aurora PostgreSQL DB クラスタを作成するには、AWS のコンセプトとサービスに関する深い知識が求められる。
  • Aurora PostgreSQL クラスタに接続するには、ネットワーク設定がきちんと正しく設定されていないといけない。
  • データの移行と復元は、ソースとターゲットの両方のデータベースに関する専門知識が求められる複雑なプロセスである。
  • パフォーマンスチューニング、セキュリティ対策、定期的なバックアップは、Aurora PostgreSQL クラスタを円滑に運用するための重要なベストプラクティスである。

データベースを始める

データベースでは、「よく組織化されたセットアップ」というのは望ましいだけでなく、非常に重要なものです。データは今やビジネスの生命線であり、データベースの選択とそのセットアップ方法は、パフォーマンス、スケーラビリティ、そして最終的にはオペレーションの成功に重大な影響を与える可能性がありますからね。そして Aurora PostgreSQL には、そのクラウドネイティブなデザインにより、従来のデータベースセットアップに関連する多くのペインポイントの軽減が約束された、魅力的な一連の機能があります。ただ、多くの利点がある反面、初期設定は複雑で、細心の注意が必要です。

適切に設定された Aurora PostgreSQL のセットアップは、最適なパフォーマンスを保証するだけでなく、潜在的な脅威や中断からデータベースを守り、重要なデータ資産を保護します。さらに、適切なセットアップはスケーラビリティの基礎を築き、それによって企業は法外なコストや技術的負債を負うことなく、変化するデータ需要に速やかに対応することができます。

以下のセクションでは、Amazon Aurora PostgreSQL の複雑な仕組みとその数々の利点について、データベース環境のセットアップに関するステップバイステップガイドとともにお話します。また、よくある課題や、スムーズで効率的なセットアップを行うためのベストプラクティスについても見ていきましょう。

Amazon Aurora PostgreSQL について

Aurora Postgres とは

Aurora Postgres(Amazon Aurora PostgreSQL)は、PostgreSQL と互換性のある高度なリレーショナル・データベース・エンジンです。クラウド用のデータベース エンジンを再考し、可用性とコスト効率の高いサービスを提供する AWS(アマゾン ウェブ サービス) のサービスであり、ハードウェアのプロビジョニング、データベースのセットアップ、パッチ適用、バックアップといった時間のかかる管理タスクを自動化する、PostgreSQL互換のフルマネージドデータベースエンジンとして動作します。

Aurora Postgres は、AWS のスケーラビリティ、耐久性、およびセキュリティを活用するようにデザインされており、必要に応じてストレージを10 GBから最大128 TBまで自動的に拡張できるアーキテクチャが提供されています。また、PostgreSQL との互換性は、デベロッパーや企業が信頼するようになったPostgreSQL アプリケーション、ドライバ、ツールのセットに対応するということになります。ただ、それは互換性だけの問題ではなく、 Aurora は、機能を強化や拡張することで従来の PostgreSQL データベースを超え、それによってユーザーは、使い慣れた PostgreSQL のエクスペリエンスを受けられますが、AWS クラウド インフラストラクチャがもたらすさらなる利点も得られます。

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Aurora Postgres のメリット

Aurora Postgres を採用する利点は多面的で、以下のようなデータベース管理やパフォーマンス面に対応しています:

  • スケーラビリティ: Aurora Postgres の最大のメリットの1つは、シームレスなスケーラビリティであり、ワークロードの要求に応じて、データベースのデプロイメントを簡単に増減できる。この弾力性によって、従来のデータベースシステムのような初期コストや複雑さを伴わずに、ビジネスの成長に対応することができる。
  • パフォーマンス:Aurora Postgres は、標準的な PostgreSQL よりも性能が上がっており、同じハードウェア上で動作する標準的な PostgreSQL の最大3倍のスループットを誇る。この性能の向上は、データベースワークロードのために特別に構築された SSD に裏打ちされた仮想化ストレージレイヤーなどの様々な最適化によって達成される。
  • セキュリティ: AWS はセキュリティを重視しており、Aurora Postgres も例外ではない。Amazon VPC を使ったネットワーク分離、AWS Key Management Service を使った静止時の暗号化、SSLを使った転送時の暗号化など、データベースに対して複数のレベルのセキュリティがあり、さらに、Aurora はデータを Amazon S3 に継続的にバックアップし、複数の AZ(Availability Zone)にまたがるレプリケーションによって、データ保護と高可用性を強化する。

このような利点を併せ持つ Aurora Postgres は、マネージドデータベースサービスのパワーを活用したい企業にとって魅力的な選択肢です。増大するデータ要件に対応するスケーラビリティ、迅速なデータベース運用を保証するパフォーマンス、重要な情報を保護する強固なセキュリティ機能を備えた Aurora Postgres は、最新のクラウドベースのアプリケーションのためにデザインされた優れたデータベースソリューションなのです。

Amazon Aurora PostgreSQLのセットアップ: ステップバイステップガイド

前提条件

Amazon Aurora PostgreSQL のセットアップを詳しく見ていく前に、スムーズな設定プロセスができるようになる基礎的な要素を確立することが重要です。まずは、有効な AWS アカウントが最初の前提条件ですが、AWS を初めて利用するのであれば、AWS のWebサイトから簡単にアカウントを登録することができ、それでクラウドリソースをオーケストレーションするためのハブである AWS Management Console にアクセスできるようになります。

AWS アカウントが配置されたら、必要な権限と役割が確実に割り当てられているようにするのが次の重要なステップであり、これには、ユーザとシステムが AWS リソースで実行できるアクションを確定するための AWS の IAM(Identity and Access Management )設定が含まれます。具体的には、Aurora Postgres の場合だと、アカウントにデータベースインスタンスの作成と管理、セキュリティグループの管理、バックアップとログに必要な S3 バケットへのアクセス権限がきちんとあるようにする必要があります。

そして、データベースは、11から15の間のバージョンの PostgreSQL を実行しているはずであり、このバージョン範囲であれば、サービスとの互換性が確保され、シームレスな接続と統合が可能になります。さらに、ホストの IP またはドメインは、データベースインスタンスに接続する際に重要な部分となるため、すぐに利用できるようになっているべきです。

セキュリティの前提条件として、安全なデータ転送を保証するためにデータベース上でTLS(トランスポート・レイヤー・でキュリティ)を有効にすることが不可欠であり、Amazon では Aurora Postgres データベースで TLS をセットアップするための具体的な手順が提供されています。

また、サーバーレスの Aurora のインスタンスでは、PostgreSQL のバージョン13 以降が必要であることに注意することが重要です。サーバーレスの設定には、自動での起動やシャットダウン、およびワークロードのニーズに応じたデータベース容量のスケーリングによって、費用対効果の高いソリューションがありますが、より新しいバージョンの PostgreSQL が必要です。

Aurora Postgres DBクラスタの作成

Amazon Aurora PostgreSQL のデータベースクラスタには、始めに AWS  Management Console を介したいくつかの重要なステップの実行があり、この一元化されたインターフェースで、Aurora PostgreSQL のクラスタを構成し、起動します。以下で、そのセットアップのプロセスを詳しく見てみましょう:

  1. RDS ダッシュボードにアクセスする: AWS Management Console へのログインで開始する。「RDS」のサービスを探して選択し、Amazon RDS ダッシュボードにアクセスする。ちなみに RDS (リレーショナル・データベース・サービス) は、Aurora が存在するデータベース管理のための AWS プラットフォームである。
  2. DBインスタンスを起動する: RDS のダッシュボードの中に「Create database(データベースの作成)」というオプションがあり、これをクリックすると、データベースの作成方法のページが表示される。細かいセットアップの場合は「Standard Create(標準作成)」のオプションを選択し、標準設定で事前に設定されたセットアップの場合は「Easy Create(簡易作成)」のオプションを選択する。
  3. DB エンジンを選択する:データベースエンジンを選択する。利用可能なオプションから「Amazon Aurora」を選択し、続いて、Aurora のさまざまなエディションの選択肢があるので、「Amazon Aurora with PostgreSQL compatibility(PostgreSQL と 互換性のある Amazon Aurora)」を選択する。
  4. DB の詳細を指定する: エディションを選択したら、DB インスタンスの詳細を指定する。ここでは、DB インスタンスのクラスを決める必要があり、これによってデータベースのコンピューティングとメモリ容量が決まる。ちなみに、Aurora には、パフォーマンスとコスト要件に基づいた、様々なインスタンスタイプからの選択肢がある。
  5. 詳細セッティングを設定する: 「Settings(セッティング)」セクションに移動し、DBインスタンスに名前を付け、マスターユーザー名とパスワードを設定する。この認証情報は後でデータベースにアクセスする際に使われれるので、安全な保管が必要。
  6. DB クラスタを設定する: 「DB Cluster(DB クラスタ)」のセクションで、DBクラスタ識別子を指定し、PostgreSQL の適切なバージョンを選択する。前述の通り、必ずバージョン11から15の間、またはサーバーレスの場合はバージョン13以降であるようにする。
  7. ネットワークとセキュリティを設定する:「Network & Security(ネットワークとセキュリティ)」のオプションでは、自身の VPC か、AWS が提供するデフォルトの VPC を選択することができる。また、ここでデータベースのサブネットグループとパブリックアクセシビリティを設定し、セキュリティの強化には、仮想ファイアウォールとして機能する VPC セキュリティグループに設定すべき。
  8. データベース認証: AWS ではデータベース認証に「パスワード認証」と「IAM DB 認証」の2つの方法が提供されており、自社のセキュリティプロトコルに合った方を選択する。
  9. 暗号化とバックアップ:「Encryption(暗号化)」セクションでは、DB クラスタの暗号化を有効にして、静止時のデータを保護することができる。AWS のKMS(Key Management Service)が暗号化キーを管理し、バックアップについては、「Backup(バックアップ)」 セクションで適切なバックアップ保持期間とバックアップウィンドウを選択する。
  10. メンテナンス:「Maintenance(メンテナンス)」セクションでは、自動のマイナー バージョンのアップグレードをオプトインして、希望するメンテナンス期間を選択でき、それによって、データベースクラスタが最新のパッチとアップデートで更新されるようになる。
  11. クラスタを起動する: 設定を全て行った後、選択した内容を確認し、「Create database(データベースの作成)」をクリックして新しい Aurora PostgreSQL DB クラスタを起動する。

このステップに従うと、Aurora PostgreSQL DB クラスタが起動し、デプロイが開始されます。AWS がリソースをプロビジョニングしてその設定を適用するため、このプロセスには数分かかるかもしれません。ステータスが「Available(有効)」になったら、DB クラスタはアプリケーションに接続され、使用できるようになります。

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https://docs.aws.amazon.com/AmazonRDS/latest/AuroraUserGuide/CHAP_GettingStartedAurora.CreatingConnecting.AuroraPostgreSQL.html

DB クラスタ作成時のAurora PostgreSQLの設定を示す図。

Aurora Postgres への接続

Amazon Aurora PostgreSQL のクラスタが稼動したら、次はデータベースへの接続の確立です。クエリの実行やデータベースの管理をしやすくするために、通常は SQL クライアントツールを使用し、接続には、データベース作成時に設定した適切な接続文字列と認証情報が必要です。

接続文字列は重要なコンポーネントで、基本的にクライアントツールが接続を確立するために使用するデータベースのアドレスであり、Aurora Postgres インスタンスのエンドポイント、ポート番号(デフォルトは PostgreSQL の 5432)、特定のデータベース名が含まれます。また、この情報は、RDS コンソールのデータベースの詳細ページの 「Connectivity & security( コネクティビティとセキュリティ)」のセクションで確認できます。

pgAdmin やSQL Workbench/J のような SQLのクライアントツールを使って、新しい接続プロファイルを設定することができます。以下はそのプロセスです:

  1. 接続インターフェースを開く:SQL のクライアントツールを起動し、新しいサーバーまたはデータベース接続を作成するセクションに移動する。
  2. 認証情報を入力する: データベースのエンドポイントを「ホスト」と「ポート番号」として入力し、DB クラスタの作成時に指定した「マスター・ユーザー名」と「パスワード」を入力する。
  3. SSL を設定する:データベースの SSL を有効にしている場合は、クライアントツールの接続設定にそれが反映されていることを確認する。通常は SSL を使用するオプションを選択し、SSL ルート証明書の場所を指定する。
  4. 接続のテスト:大抵の SQL クライアントツールには「Test Connection(接続のテスト」機能があり、これを使って、設定が全て正しく、クライアントが Aurora Postgres のデータベースと通信できることを確認する。
  5. 接続を確立する: テストが成功したら、プロファイルを保存して接続する。これでデータベースにアクセスできるようになり、SQL クエリの実行や管理タスクの実行を開始できるようになる。

安全なネットワーク経由で接続し、データベースのセキュリティグループが SQL クライアントの IPアドレスからのトラフィックを許可するように正しく設定されていることを確認しましょう。

データ移行および復元

データの Aurora Postgres クラスタへの移行や、リストアプロトコルの設定は、データベース戦略の重要な要素であり、AWS エコシステムには、このプロセスを効率化するためのツールとサービスがあります。

データのインポート

データ移行については、AWS の DMS(Database Migration Service)が効率的なオプションです。最も広く使われている商用データベースやオープンソースデータベースとの間でデータを移行できますからね。そしてこのサービスは、PostgreSQL から Aurora PostgreSQL へのような同種移行だけでなく、さまざまなデータベースプラットフォーム間の異種移行にも対応しています。

このプロセスでは、DMSでのレプリケーションインスタンスのセットアップ、ソースとターゲットのエンドポイント(それぞれ既存のデータベースとAurora Postgres クラスタ)の確定、移行するデータの概要を示すレプリケーションタスクの作成をします。また、DMS はソースとターゲットのデータベースを同期させるために継続的なレプリケーションを処理することができます。

関連記事(英語)5 Ways To Load Data Into AWS

バックアップとリストアのオプション

Aurora Postgres は、自動的にデータベースボリュームを Amazon S3 にバックアップし、システムボリュームとユーザ起動スナップショットをキャプチャします。このようなバックアップはディザスタリカバリのシナリオに重要であり、DBクラスタのセットアップ中にユーザによって指定された期間保持されます。

リストアについては、RDS コンソールから直接リカバリプロセスを開始でき、これはナビゲーションペインで「Snapshots(スナップショット)」オプションを選択して、リストアしたい特定のスナップショットを選択し、「Snapshots(スナップショット)」のリストア'アクションを選択することで実行できます。それによって、スナップショットから新しい DB インスタンスが作成され、破損や損失が発生した場合でも、データを既知の良好な状態に迅速にリストアできるようになります。

このインポートおよびバックアップサービスを活用することで、Aurora Postgres データベースのデータ整合性と継続性が保全され、それによってデータの安全性と必要なときのアクセスが保証されます。

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https://docs.aws.amazon.com/AmazonRDS/latest/AuroraUserGuide/Aurora.Connecting.html

Amazon RDS コンソールで DB クラスタの詳細を表示し、名前を選択する方法。

Aurora Postgresのセットアップにおける課題

Aurora Postgres のセットアップは、AWS Management Console によって効率化されているとはいえ、特に複雑な環境やレガシーシステムからの移行の場合、課題が生じる可能性があり、その課題は、設定の問題からパフォーマンスのチューニングまで多岐にわたります。以下に一般的な課題とトラブルシューティングを挙げてみましょう:

  • リソース割り当て
    • 課題:適切なインスタンスのサイズとストレージの決定が複雑な場合があり、過小なプロビジョニングはパフォーマンスの低下につながり、過大なプロビジョニングはコストがかかる。
    • 解決策: CloudWatch のような AWS の内蔵モニタリングツールを活用して、パフォーマンスのメトリクスを追跡し、リソースが逼迫している場合は、インスタンスのスケールアップを検討するか、インデックスやクエリを改良して効率化を図る。
  • セキュリティ設定
    • 課題:セキュリティのグループ、IAM ロール、暗号化の正しい設定によるデータベースの安全性の確保は、特にコンプライアンス要件が厳しい組織にとって複雑な場合がある。
    • 解決策:AWS のポリシーシミュレーターツールを使って、セキュリティのグループと IAM ポリシーを監査し、最小権限の原則に従い、必要な権限のみが付与されていることを確認する。
  • データベース・パラメーターのチューニング
    • 課題:Aurora Postgres にはさまざまな設定パラメータがあり、最適なパフォーマンスを得るための適切なバランスを見つけることは大変な場合があり、繰り返しテストする必要があるかもしれない。
    • 解決策:RDS Management Console の Parameter Groups をチューニングに活用する。AWS のベストプラクティスガイドを活用して推奨設定から始めることにより、観察されたパフォーマンスに基づいて必要に応じて調整する。
  • データ移行
    • 課題:特に PostgreSQL 以外のデータベースから Aurora Postgres にデータを移行する場合、データフォーマットの不一致や互換性の問題などの問題が発生する可能性がある。
    • 解決策:スムーズなプロセスのために AWSの Database Migration Service を使い、別のデータベース エンジンから移行する場合は AWS Schema Conversion Tool で互換性の問題を確認する。
  • ネットワーク
    • 課題:ネットワークを正しく設定するというのは、特に VPC では複雑である場合があり、誤った設定は、Aurora クラスタとアプリケーション間の接続性の問題につながる。
    • 解決策: VPC の設定、セキュリティグループ、およびサブネットの構成を確認し、コネクティビティの問題が解決しない場合は、VPC フローログを使ってネットワーク関連の問題をデバッグする。
  • バックアップとリカバリ
    • 課題:ディザスタリカバリの計画に不可欠なバックアップ手順の設定と復元プロセスの理解は、大変な場合がある。
    • 解決策:自動バックアップが有効になっていることを確認してリカバリ手順を定期的にテストし、ポイント・イン・タイムのリカバリやテスト用のクローン環境にはスナップショットを使う。

このような問題に対処する際には、常に関連する AWS ドキュメントの徹底的なレビューから始めましょう。また、AWS サポートは、複雑な問題や永続的な問題の解決に直接支援してくれる貴重なリソースです。

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https://aws.amazon.com/blogs/database/deploy-an-amazon-aurora-postgresql-db-cluster-with-recommended-best-practices-using-aws-cloudformation/
Aurora PostgreSQL のアーキテクチャ図。

ベストプラクティスと制限

Aurora Postgres のベストプラクティス

パフォーマンス・チューニング

パフォーマンスのための Aurora Postgres の最適化は、ワークロード要件に沿った適切なインスタンスタイプを選択することから始まります。Amazon RDS の Performance Insights を活用して定期的にパフォーマンスを監視や分析し、それによってプロアクティブなスケーリングとチューニングができるようになり、効率的なインデックスは、書き込み操作に過度の負担をかけることなく、クエリ速度を上げてくれます。

そして、コネクションプーリングをデプロイして、頻繁なコネクションのオープンとクローズによるオーバーヘッドを最小限に抑えましょう。また、クエリの最適化も重要です。SQL クエリを分析し、効率化のために最適化しましょう。遅いクエリは、Amazon RDS コンソールを使って特定することができ、AWS ではそれを最適化するための推奨事項が提供されています。

セキュリティ対策

Aurora Postgres のセキュリティは多面的であり、ネットワークレベルだと、セキュリティグループとネットワークACL を設定してインバウンドとアウトバウンドのトラフィックを制御します。分離を強化するために、インスタンスが VPC のプライベート サブネット内にデプロイされていることを確認しましょう。

認証については、ユーザーアクセスを管理するために IAM データベース認証を使う方がいいでしょう。これは、別のパスワード管理システムを必要としないことによって、AWS セキュリティのベストプラクティスに沿ったものです。また、Aurora データベースとアプリケーションレイヤー間の転送データを暗号化するには TLS/SSL を適用しましょう。

不正アクセスからのデータの保護には、AWS の KMS(Key Management Service)を使って静止時のデータ暗号化を有効にすべきです。さらに、セキュリティの追加層として、暗号化キーを定期的に見直し、ローテーションしましょう。

定期的なバックアップ

Aurora は自動的に DB クラスタのスナップショットを取得しますが、データ復旧の目的に沿ったバックアップ戦略を設定することをお勧めします。ビジネスニーズに適したバックアップ保持期間を決め、重要なデータについては、リージョン間の障害から保護するために、リージョン間のスナップショットのコピーを有効にすることを検討しましょう。

また、バックアップとリストアの手順を定期的にテストして、それが正しく機能していることを確認し、復旧プロセスのタイミングと仕組みを把握しましょう。このテストは、信頼性の高いディザスタリカバリの計画を策定するために極めて重要です。

Aurora Postgresの制限事項

Aurora Postgres は、強固で機能豊富ですが、ユーザのナビゲートが必要な制限があります。例えば、Aurora の高度な機能と性能の利点は、自己管理型のPostgreSQL と比べて、エンジンのバージョンや拡張機能が制限されるという代償が伴います。また、特定の PostgreSQL 拡張に対応していない場合があり、特定のアプリケーションにとってはそれが制限となる可能性があります。

もう一つの制限は、大規模データベースの管理であり、それには微調整とスケーリングが求められるため、Aurora では複雑になる可能性があります。また、自動スケーリングは有益ですが、スケールアップ操作中に待ち時間が発生する場合があります。Aurora はすべての PostgreSQL データ型と関数に対応しているわけではないため、アプリケーションの一部を書き換えたり、代替ソリューションを見つける必要があるかもしれません。


回避策や解決策については、積極的に計画を立てることが非常に重要です。移行前に、必要な PostgreSQL 機能の互換性を Aurora のドキュメントで十分に確認し、複雑なスケーリングに対しては、スケールイベントを予測し、潜在的なパフォーマンスへの影響を緩和するための監視システムを実装しましょう。

対応していないデータ型や関数に直面した場合は、他の AWS サービスやサードパーティツールを使ってギャップを埋めることを検討しましょう。例えば、AWS Lambda だと Aurora がネイティブに対応していない複雑な処理タスクを処理することができます。

そして、Integrate.io は、Aurora Postgres とのデータ統合と ETLプロセスをシンプルにする強固なプラットフォームとして特に有益です。ETL パイプラインを作成するための視覚的に直感的なプラットフォームがあり、大規模なコーディングをすることなく、異種ソースから Aurora にデータを変換してそれを格納するための貴重なものとなります。

また、Integrate.io は、データ移行、同期、変換をしやすくすることで、Aurora の制限のをいくつか克服することができ、その結果、Aurora Postgres の固有の制約にもかかわらず、企業は Aurora Postgres 内のデータの可能性を最大限に活用することができます。

Amazon Aurora PostgreSQL のセットアップでIntegrate.io ができること

今回、Amazon Aurora PostgreSQL をセットアップするわかりやすいガイドをまとめるべく、AWS アカウントのセットアップや必要な役割と権限など、最初の前提条件を巡りました。

本記事では、Aurora Postgres DB クラスタの綿密な作成を通して、AWS Management Console から強固なデータベースシステムの起動を保証する複雑な設定までのステップが詳しく説明されています。また、SQL クライアントツールを使ったデータベースへの接続で、安全な接続文字列と認証情報の重要性も強調されています。

データ移行と定期的なバックアップとリストアプロトコルの重要性が強調されており、それによって、しっかりとしたバックアップ戦略と、データを効果的に保護しリストアする Aurora の能力の必要性が強調されています。そしてパフォーマンスの微調整やデータの保護、および一貫したバックアップの確保のためのベストプラクティスが概説されており、卓越した運用の三位一体を形成しています。

ただ、Aurora Postgres 固有の制約も認められています。Aurora Postgres は強力なデータベースサービスですが、バージョンや機能の制限から大規模なデータベース管理の複雑さまで、様々な制約があります。ここで 、Aurora Postgres を補完する効率的な ETL ソリューションを提供するIntegrate.io の出番です。

Integrate.io はデータ統合をシンプルにし、潜在的なギャップを埋め、Auroraのデータ処理能力を強化します。

Amazon Aurora PostgreSQL と連携したIntegrate.io の可能性を、データ駆動型プロジェクトでぜひお試しください。14日間の無料トライアル個別のデモで、Integrate.io への深掘りや問い合わせ、このプラットフォームがどのようにあなたのデータ戦略を強化できるかをぜひご覧ください。

このオファーを活用して、Integrate.io がデータ駆動型の取り組みにどのように適合し、それを向上させることができるかを理解して、Aurora Postgres のセットアップがスムーズで効率的であるだけでなく、より広範なデータ エコシステム内で完全に最適化され統合されていることをぜひご確認ください。

Q&A:

Q. Aurora Postgres と従来の PostgreSQL のデータベースとの違いは何ですか?

A. Aurora Postgres は、クラウドに最適化されたバージョンの PostgreSQL で、従来の PostgreSQL のデータベースよりも、特にスケーラビリティ、可用性、耐久性に関する機能がいくつか強化されており、ハードウェアのプロビジョニング、データベースのセットアップ、パッチ適用、バックアップといった時間のかかる管理作業が自動化されています。

また、Aurora は、読み取り処理を複数のレプリカに分散させ、データを Amazon S3 に自動的にバックアップすることで、同じハードウェア上で動作する標準的な PostgreSQL の最大3倍という高いスループットを提供するようにデザインされています。

Q. Aurora Postgresでデータのセキュリティはどのように確されるのでしょうか?

A. Aurora Postgres のデータのセキュリティを確保するために、AWS は VPC を使ったネットワークの分離、SSL を使った転送中のデータ、AWS の Key Management Service を使った静止時の暗号化などの多層的なアプローチを実装することを推奨しています。

その他の機能には、データの耐久性を高めるための自動バックアップ、スナップショット、3 つのアベイラビリティ ゾーンにわたるレプリケーションなどがあります。また、IAM ロールはデータベースのユーザーとアプリケーションの認証に利用でき、VPC セキュリティ・グループを使って DB クラスタへのインバウンド・トラフィックとアウトバウンド・トラフィックを制御することもできます。

Q. Aurora Postgres でデータベースのパフォーマンスはどのように上がるのでしょうか?

A. Aurora Postgres は、データベースインスタンスあたり最大 128 TB まで自動スケーリングする、フォールトトレラントで自己修復可能な分散ストレージシステムによって、データベースのパフォーマンスを強化します。そしてこのサービスは、データベースの書き込み可用性に影響を与えることなく最大2つのデータのコピーの損失に対応し、読み取り可用性に影響を与えることなく最大3つのコピーの損失に対応するようにデザインされています。

また、パフォーマンスを最適化するには、RDS の Performance Insights でデータベースを定期的に監視し、Aurora の自動スケーリング機能を使って必要に応じてリソースを調整し、Parameter Groups でデータベースのパラメーターを微調整してワークロードごとに最適化する必要があります。