筆者が業界アナリストになったばかりの頃、ベンダーが重要な機能セットとエンジニアリングに焦点を当てていることに魅了されました。市場は、差別化されたツールや機能セットに基づいた市場参入戦略のために、【買収サイクル】、【新規立ち上げサイクル】、【開発サイクル】の間で変化しており、このような機能セットによるポジション争いが強力なテクノロジースタックを生み出し、プラットフォームのアプローチ、最終的な近代化やクラウドへの移行への道を切り開きました。しかしその一方で、機能面ばかりが注目され、長期的な成功に必要なソフト面の要素は見落とされていたのです。

強力なデータチームの構築、ビジネスニーズの理解、ガバナンスの確保、データ品質などは、より広範な成功要因に含まれます。データジャーニーの観点からは、ソリューションのプロバイダーによる優れた機能の提供だけでなく、それに見合うサポート体制が確実に備わっているようにすることが重要です。企業は、サポート体制がどのように機能しているか、ベンダーがどれだけ成功にコミットし、顧客の導入の成功に向けて積極的に取り組んでくれるかの重要性を見過ごしてはいけません。

うまくいくデータジャーニーと最強なCX(カスタマーエクスペリエンス)の成果の関連性

組織は、データ戦略の策定とその実行に注力しています。成功の鍵は、適切なツールセットの選択と、自らを顧客のパートナーだと考えているソリューションプロバイダーへの信頼にあり、大抵のベンダーはさまざまなサポートオプションを用意していますが、すべてのベンダーが長期的な成功にコミットしているわけではありません。多くの企業にはデータプロジェクトを最初から最後まで管理する技術的な専門知識がありますが、各ソリューションは、そのソリューションの開発を担当したエンジニアが一番よくわかっています。その結果、組織が自分で読み解くのが必ずしも簡単にできるわけではないような答えを要する疑問が生じるかもしれません。

また、導入や開発の過程で障害に直面したり、カスタマイズやベストプラクティスの採用でサポートが必要な時があるかもしれません。セルフサービスの時代には、このようなことはもはや重要ではないと思われがちですが、現実には、真のセルフサービス環境を提供するソリューションはほとんどなく、顧客のニーズ全てに対応できるわけではないのです。

なので、ソリューション選択の際に、組織は常にサポートとそのニーズを考慮する必要があり、それには、以下のような考慮事項が含まれます:

  • 現在 - 今日のテクノロジーに対するニーズの原動力は何か、そしてプロバイダーはオンボーディング、導入、価値実現までの時間をどのようにサポートするか。
  • 将来 - 選択したツールは組織とともに成長し、サポート関係は成功の将来的な継続に必要なものを構築することができるか。
  • - どのようなトレーニングが必要なのか、また、トレーニングの必要性が異なる場合、それはどのようなタイプのユーザーが対象なのか。
  • インフラ - 組織にどの程度の柔軟性があり、現在のエコシステムがどの程度複雑であるか。
  • モダナイゼーション - クラウドへの移行を含め、どのようなモダナイゼーションのイニシアチブに取り組んでいるのか。

組織は、現在のプロジェクトだけでなく、企業の規模が拡大した場合にも対応できるように、ソリューションのプロバイダーのサポート範囲とコミットメントを理解する必要があることから、このような考慮は、サポートを検討する際に全て重要です。