API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)、特にWebサービス API は、ソフトウェア開発業界を完全に変貌させました。過去12ヶ月のCIO(最高情報責任者)やその他の企業技術リーダーを対象とした調査では、API 利用者の数が驚くほど増加しており、調査対象のほぼ全員が、API が今後の戦略の構成要素になることに頷いていることが示されています。
API の重要性は、IT グループや開発チームの枠を超えており、企業のリーダーの 98% が、「API は組織のDX(デジタル変革)の取り組みに不可欠な要素である」と、さらに、97%が「API 戦略の成功は将来の収益と成長にとって重要である」と回答しています。APIは、Webサービスの接続、データの転送、その他無数の重要なビジネスタスクの処理に使用されているため、「API管理」というテーマはこれまで以上に重要となっています。
自社チームに正しいAPI 戦略があるかどうか確信が持てない場合、本記事における完全ガイドで、「API 管理とは何か」や「うまくいっている企業は今何をやっているのか」をみていきましょう。
API 管理とは
API 管理は、組織が APIの作成、開発、ドキュメント化、およびデプロイを監督するのに使うシステムのことであり、様々な組織で様々な方法で実現されていますが、どの方法もドキュメント化、モニタリング、セキュリティ、バージョン管理といった基本的なニーズに対応しています。
過去10年間で、ソフトウェア開発はWebサービス、マイクロアプリケーション、マイクロサービス・アーキテクチャへと大きくシフトし、こういったアプローチにより、モバイルアプリやインターネットサービスが大きく成長し、Webサービス API を介した情報交換が行われるようになりました。そしてこのような情報共有により、効果的なAPI管理戦略の必要性にスポットライトが当てられるようになりました。
現代にAPI管理が重要な理由
API は、企業のデータ、知的財産やその他の資産を、顧客、ベンダー、従業員、その他のアプリケーションに提供するものです。API は非常に重要であるため、API 管理は、組織が API を保護、管理、拡張し、さらに収益化する方法を確定するため、特に重要となっています。
API ガバナンス
API ガバナンスは、API 管理の最も重要な機能の1つであり、エンドユーザーに対して一貫した体験を提供することを主な目標としています。この合理的な体験は、APIコンポーネントの再利用、ライフサイクル管理、ドキュメント化、そして全体的に優れた API 発見能力の実践を組み合わせることで実現されます。
API 分析
大抵の API 管理のアプローチには、何らかの形で「API分析」が含まれており、デベロッパーは、「API がどのように使用されているか」についてのインサイトを、API メトリクスの一元的な収集と分析を通じて得ることができます。また分析は、API のパフォーマンスを測る方法も提供します。
APIの収益化
API の収益化とは、エンタープライズ API が収益を上げるために果たす役割を指し、カスタマイズされたサービスパッケージの販売、製品やサービスのライセンス供与、データの製品化などを通じて行うことができます。
API セキュリティ
API セキュリティも API 管理の重要な要素であり、攻撃や不正アクセスから API を保護する方法を確定します。旧来の SOAP Webサービスの API 規格は、より柔軟な REST API 仕様の規格やポリシーと比べて、「より安全であるが制限が多い」と見られがちです。
一方、REST APIの規格とポリシーは、多くの場合、規制要件や顧客仕様に沿ったもので、API 管理によって実施され、API管理は、バックエンドシステムへのトラフィックを監視するために使用されることが多く、通常はAPI管理プラットフォームが使用されます。
API管理プラットフォームの機能
API 管理ソリューションには様々な種類がありますが、一般的に以下のようなコア機能を備えています:
API デザイン
API 管理のソリューションがあれば、API のデザイン、公開、デプロイは簡単です。また、セキュリティポリシーの記録、説明文の作成、ドキュメントの作成、使用制限の設定、ランタイム機能の確定など、自社の全 API についてワンクリックするだけで関連情報を確認できるようにすることが可能であり、この機能には、SOAP API 用の XML や RESTful API 用のJSONを生成する機能もよく含まれます。
ゲートウェイ
適切な管理ソリューションは、API ゲートウェイとしての役割も果たします。つまり、APIのゲートキーパーとして機能するということであり、そうすることで、全 APIと関連するリクエストに対して適切なセキュリティ・ポリシーを適用することができます。また、適切な認証により、より高いセキュリティの確保が実現します。
ストレージ
API 管理で、API が便利に保管またはカタログ化され、必要に応じて社内外のステークホルダーにその公開ができます。また、カタログを自社のAPI のマーケットプレイスにして収益化を可能にすることで、ユーザーの API 購読や、使用時のサポートを受けたりすることができるようになります。
分析
レポートと分析ツールは重要かつ実用的であるため、API 管理のソリューションがこれらを束ねるのは都合がいいです。適切なプラットフォームは、全API の使用状況、負荷、ログ、履歴メトリック、およびその他のデータをモニタリングすることができ、アップタイムの追跡やエラーの通知も可能なはずです。
API 管理のプラットフォームに求められるもの
API管理のプラットフォームの機能は様々ですが、どのプラットフォームを選択するにしても、重要なコンポーネントは含まれているべきです。
まず最初に探すべきは、API コールと接続を自動化およびコントロールする機能です。これは APIプラットフォームの主な機能であり、どのオプションを選んでも装備されているはずですが、API のデザインや生成に関わる使い勝手はチェックしておきたいところです。
もう一つの重要な機能は、APIの実装やバージョン間の一貫性確保のための方法論です。新しいプロジェクトごとにゼロからコーディングするのではなく、既存のAPIを再利用できるバージョン管理システムや機能を探しましょう。
トラフィックのモニタリングと分析は、ハイエンドの管理プラットフォームで見られる機能です。トラフィック分析は、API がシステムに与える負荷を判断するための重要な機能であるため、選択したプラットフォームに確実にこの機能が備わっているようにしましょう。
管理プラットフォームによっては、パフォーマンスを上げるためのメモリ管理やキャッシングメカニズムを提供しているものもあります。これも、全システムに備わっている機能ではありませんが、多くのメリットをもたらすコンポーネントであり、LB(ロードバランシング)、フォールトトレランス、エンドポイント設定なども、多くの組織が重要と考えるパフォーマンス関連の機能になります。
API セキュリティとバックエンドの保護機能は特に重要であり、システムやデータの安全性を確保できるプラットフォームを利用することで、多くの時間と手間を省くことができます。
APIプラットフォームは、社内の開発チームによる構築も、iPaaSプロバイダーからのサービスとしての購入も可能ですが、大抵の開発チームは、時間と労力がかかることと、利用可能なサービスの質が高いことから、自分たちでのソリューション開発よりも、サービスとしての購入の方が有益であると考えています。
API 管理プラットフォームのアーキテクチャ
最高の API 管理プラットフォームは、複数のコンポーネントが連携して包括的な管理ソリューションを提供するアーキテクチャを特徴としており、そのコンポーネントには以下が含まれます:
- APIポータル:デベロッパーは通常、コードやその他のリソースを管理できるポータルで API を搭載し、デプロイする。
- ライフサイクル管理:デザイン、開発、テスト、デプロイ、廃止、終了といったAPI のライフサイクルの管理。
- ポリシーの管理:ポリシーのライフサイクルを管理する方法が含まれているはずであり、API のライフサイクルと同様の経路をたどる。
- 分析:ほとんどの API プラットフォームには、API の使用状況やパフォーマンスの概要に簡単にアクセスできるダッシュボードがある。
- APIゲートウェイ:クライアントへの API の提示を処理するソフトウェアのフロントエンドであり、マイクロサービス・アーキテクチャ内の管理コンポーネントとしても使用でき、B2Bのデータ交換を管理する。
API 管理のメリット
Integrate.io のような API 構築ソリューションで、デベロッパーはより効率的かつ効果的に作業できるようになり、API をより有効に活用できるだけでなく、エラーの追跡やステータスのモニタリングにかかる時間を短縮できます。さらに、適切な API ソリューションの利用は、以下のようなメリットをもたらします:
- 摩擦のない、直感的でユーザーに優しい開発環境で、API、エンドポイント、コネクターを簡単にデザインすることができ、複雑な統合フローの構成が、かつてないほどシンプルになる。
- API、テンプレート、コネクターなど、自社で保有する全アセットのカタログに簡単にアクセスでき、アクセスコントロールツールを使って、アセットの公開・非公開の権限を設定できる。
- オンプレミス、クラウドネイティブを問わず、Integrate.io の API 管理ソリューションのあらゆる側面を管理するための便利なウェブベースのデベロッパー向けポータルであり、全 API のユーザー、トラフィック、SLA、統合フローなどの管理が数回のクリックで可能。
- 強力なデータおよびアプリケーションツールによるリアルタイムの統合とオーケストレーションであり、ビジネスニーズに最適な導入オプションで、最適な方法でデバイスを使用可能。
- エンタープライズレベルのセキュリティ、可用性、スケーラビリティ、信頼性を備えた先進的なランタイムサービスの提供。
最先端のAPIプラットフォームには、データベースのシームレスな組み合わせや、完全なライフサイクル API 管理の提供など、さらに多くの利点があります。特定のプラットフォームに決めてしまう前に、API のデベロッパーや運営チームとミーティングを行い、API のニーズをすべてリストアップし、利用可能な管理プラットフォームの機能セットとマッチングさせましょう。
Integrate.io は API の包括的なコントロールである
企業の API、コネクタ、統合フローの管理は、もはやハードルや障害、余計な複雑さに悩まされることはありません。Integrate.io は、OS(オペレーティングシステム)やハードウェア、または iPaaSの クラウドソリューションで動作する、完全な API 管理プラットフォームを提供します。
完全な管理プラットフォームがないと、今日の API 主導のエコシステムにおいて、競争上不利な状況に陥る可能性があります。他の企業が DX や API エコノミーを取り入れる中、API を包括的に管理できなければ、取り残されてしまうかもしれません。その点Integrate.io は、柔軟な価格設定を活用しながら、企業が必要とする可視性、速度、および分析を保証します。
Integrate.io の 14日間の無料トライアルで、API Builder がどのようにあなたの企業をアップグレードするかぜひご覧ください。
関連記事: What Is an API Integration?