組織にとってデータがますます重要な資産になるにつれ、その品質と信頼性の確保は欠かせなくなっています。データオブザーバビリティは、組織がデータパイプラインの可視性を維持し、発生した問題を速やかに特定および解決するのを支援するプラクティスです。
以下は、データオブザーバビリティに関する最も重要なポイントです:
- データオブザーバビリティとは、組織のデータ内部で起こっていることの確認、時間の経過に伴う変化の予測、その情報を使ったより良い意思決定を行う能力である。
- データオブザーバビリティができるプラットフォームはいくつかあり、それぞれに独自の特徴と強みがある。
- 最も注目すべきデータオブザーバビリティのプラットフォームには、Integrate.io、Monte Carlo、Bigeye、Acceldata、Databand、Datafold などがある。
- このようなプラットフォームは、リアルタイムのアラート、異常を検出する ML(機械学習)のアルゴリズム、自動化されたレポート、直感的なインターフェース、強力な API 統合機能などの機能で際立っている。
- データオブザーバビリティのフレームワークを実装し、そのプラットフォームのいずれかを使うことにより、組織はデータに対する貴重なインサイトの取得、より良い意思決定、リスクの軽減が実現する。
そこで本記事では、2024年に人気の選択肢となりそうなデータオブザーバビリティツール7選を見ていきます。
はじめに
データが私たちの生活の中心になるにつれ、それが何を意味し、どのように機能するかを理解することがより重要になっています。データオブザーバビリティとは、組織内部で何が起きているかを確認する能力であり、データがどのようなもので、どこから来て、どのように集められているのか、そしてその情報をどのように活用すればより良い意思決定ができるのかを知るためのものです。
データオブザーバビリティとは、データが今どのような状態であるかを理解するだけではなく、データが時間の経過とともにどのように変化し、他の要因がデータの増減にどのような影響を与えるかを予測することです。また、データオブザーバビリティツールで、より良い意思決定を行い、リスクを少なくするために、データの意味を理解できるようになります。
ただ、データオブザーバビリティのフレームワークに従わないと、ツールだけでできることはそれほどないため、組織は必ずきちんと準備をしましょう。
本記事では、データに対するより良いインサイトを得るのに役立つ7つのオブザーバビリティプラットフォームについて見ていきます。2024年に向けて、このインサイトを活用することで、どのデータオブザーバビリティプラットフォームが自社に適しているかを判断するといいですね。
データオブザーバビリティツール7選
1.Integrate.io
Integrate.io のデータオブザーバビリティプラットフォームは、システムとデータの健全性を包括的に可視化します。また、直感的なメールアラートシステムにより、メトリクスが範囲外になると即座にチームに通知されることから、迅速な対処や問題の解決ができます。これは特に DataOps チームにとって有益で、上流のデータ問題を速やかに検出し、担当チームに通知して問題の調査や修正ができます。
また、Integrate.io のオブザーバビリティプラットフォームは、すぐに使い始めることができます。3つのアラートが無料で提供されている市場で唯一のツールであり、データオブザーバビリティを始めるにあたって最も費用対効果の高い方法です。
Integrate.io の特徴
Integrate.io には、強力なデータ分析および転送機能があり、あらゆるソースからのデータの迅速かつ効率的な移動、照会、分析を支援します。
以下に、その特徴の一部を挙げてみましょう:
- スタートアップ企業にとって費用対効果が高い:登録時に3つまでのアラートを完全に無料で設定できる。
- 複数のアラートタイプ:Nulls、Cardinality、Median、Variance、Skewness、Freshness など、最大9種類のアラートを設定できる。
- リアルタイムアラート:データに問題が発生した場合、リアルタイムで通知を受け取ることができる。
- 分析とレポート作成:データセットの傾向や繰り返し発生する問題を特定し、問題が発生する前に解決する。
2.Monte Carlo
Monte Carlo は、ML(機械学習)を活用してデータセットを分析し、その ML アルゴリズムは異常の検出、つまり問題発生前の予測ができます。
Monte Carloの特徴
Monte Carlos のアルゴリズムは、何がうまくいかなかったかという過去の例から学習し、その情報を使って将来のデータセットでそれが再び起こる時期を予測します。以下に、Monte Carlos が優れたデータオブザーバビリティプラットフォームである特徴をさらにいくつか挙げてみましょう:
- リアルタイムのモニタリング:企業がリアルタイムでデータを追跡し、潜在的な問題が発生したときにそれを特定することができる。
- 高度な分析機能:企業データの隠れた傾向やパターンを発見し、より多くの情報に基づいた意思決定を支援する。
- データの可視化:直感的にデータを探索および理解する。
3.Bigeye
Bigeye の強力な分析機能とデータ可視化機能により、チームにデータ主導の意思決定に必要な洞察力がもたらされ、データ品質を速く明確に測定、改善、伝達することができるようになります。
Bigeye の特徴
Bigeye の使いやすいインターフェースにより、データの設定や、正確性と一貫性の確保ができ、以下のような高度な機能により、コストのかかる問題に発展する前に、潜在的なデータ問題を発見することができます:
- 自動化されたレポート:データのインサイトをさまざまな部門やステークホルダーと簡単に共有できる。
- 多彩なダッシュボード:複数の担当者がリアルタイムでデータ品質メトリクスを追跡および監視できる。
- 洗練されたアルゴリズム:Bigeye で、潜在的なデータ問題を早期に特定することができる。
- 直感的なインターフェース:データチームがデータを詳細に調査し、それによってこれまで見過ごされていた深いインサイトが明らかにされる
- 強力な API 統合機能:複数のソースからのデータを簡単に接続できる。
4.Acceldata
Acceldata のデータオブザーバビリティクラウドは、企業の迅速なデータ監視、分析および管理を実現する画期的なデータオブザーバビリティプラットフォームです。このプラットフォームにより、データチームはリアルタイムのインサイトの獲得や、あらゆる問題の速やかな特定および対処ができます。
Acceldata の特徴
Acceldata の直感的な UI(ユーザーインターフェース)で、データの傾向の特定や監視がしやすくなり、完全に自動化された信頼性チェックにより、組織は何千ものテーブル上の誤ったデータを発見することができます。
データチームは、Acceldata の以下のような強力な機能を使うことで、複雑さが解消され、DataOps が効率化されます:
- ドラッグ&ドロップのインターフェース:ドラッグ&ドロップやコーディング機能を使って、複数のレイヤーやプラットフォームにまたがるデータパイプラインを分析できる。
- 完全自動化された信頼性チェック:欠落、遅延、不正確なデータをサッと特定する。
- 再利用可能な SQL(Structured Query Language)と UDF(User Defined Function):データをセグメント化して、5つのプログラミング言語でさまざまな次元の信頼性を分析する。
5.Databand
Databand は、データの正確性を確保したい企業に最適なプラットフォームです。このプラットフォームのデータオブザーバビリティツールは、データの問題をサッと簡単に検出することができ、それによって想定外の出来事がなくなり、すべてがきちんとスムーズに実行されるようになります。
Databand の特徴
Databand は、不良データがビジネスに影響を与える前にそれを特定するため、リソースの節約になり、また以下のような一連の機能により、高度で積極的な管理ができます:
- クロススタックの可視性:データタスクをすべて最初から最後まで俯瞰できる。
- アラートシステム:どのアラートが最も破損を引き起こしているかを把握することで、データインシデントの優先順位を効率的に決定する。
- DataOps の標準化:データの正確性と信頼性を確保するためのエンドツーエンドのデータリネージ。
6.Datafold
Datafold は、データ品質の問題を事前に検出して修正するデータオブザーバビリティプラットフォームです。Datafold を他のデータ管理ツールと統合することで、システム間でのデータ移動がしやすくなり、データエコシステム全体で一貫したデータ品質を確保することができます。
Datafold の特徴
このプラットフォームは、データ品質問題の詳細な分析を提供することから、問題の原因の素早い特定や、以下のような豊富な機能による素早い修正が実現します:
- 列レベルのリネージ:コードの変更が下流のデータセットおよび BI ダッシュボードに与える影響を確認できる。
- 1クリックでのリグレッションテスト:GitHub とGitLab を通じて CI(継続的インテグレーション)プロセスに統合し、リグレッションテストを自動化する。
- カスタムアラート:発生する可能性のある問題を常に把握できるように、SQL クエリをスマートアラートに変換する。
7.Soda
Soda は、組織がデータの期待値を監視、確認、調整するのを支援するデータオブザーバビリティプラットフォームです。
Soda の特徴
このプラットフォームにより、データエンジニアの調査や手作業での修正を待つことなく、リアルタイムでデータの問題を特定し、トラブルシューティングができます。以下はその主な機能です:
- コードとしてのデータ:チームは全データソースにわたるデータ品質を平易な英語でチェックおよび管理できるようになる。
- 異常検知:データの健全性を自動的に監視および管理する
- インシデント解決:データのサイロ化を解消し、データの問題を速く効率的に解決する。
データオブザーバビリティツールを選ぶ前に把握しておくべきこと
データ駆動型ビジネスにとって、データオブザーバビリティは不可欠であり、企業にとって、データを監視して、それがきちんと効率的に使われるようにするための適切なツールを持つことは、極めて重要です。
ここでは、どのツールが自社のビジネスに最適か、十分な情報を得た上で判断できるように、データオブザーバビリティツールに関するよくある質問を見ていきましょう:
Q. データオブザーバビリティプラットフォームが必要であることがわかる一般的な兆候は何ですか?
A. ビジネスが管理しきれないほどのデータ量に達したら、データオブザーバビリティプラットフォームが必要な時です。
以下に、データオブザーバビリティプラットフォームに投資すべきであろう兆候をいくつか挙げてみましょう:
- データの管理が追いつかなくなり、収益に影響が出始めている。
- 自分のビジネスがどのような状況なのかをより深く知る必要があり、学んだことに基づいて行動を起こせるようにしたい。
- データの保存や分析のツールが複数あり、そのすべてで何が起きているのかの把握が難しい。
- チームがシステムから必要なデータを取得や解釈して、ステークホルダーに実用的なインサイトを伝える際に支援が必要。
Q. 「データオブザーバビリティ」と「データモニタリング」の違いは何ですか?
A. データオブザーバビリティとは、システムの内部状態にアクセスしてそれを理解する能力を指し、それには、システム内で生成されたデータを閲覧および分析できることや、システム内のデータの流れを追跡できることが含まれます。データオブザーバビリティは、システムがどのように機能しているかを理解し、問題を特定してトラブルシューティングするために重要です。
一方、データモニタリングとは、システムのパフォーマンスを理解し、潜在的な問題を特定するために、データを収集および分析する継続的なプロセスを指します。また、データモニタリングでは、システム内のさまざまなソースからの継続的なデータ収集のためにモニタリングのツールやシステムを設定し、そのデータを使って問題や異常の特定に役立つレポートやアラートを作成します。
Q. データ主導の意思決定には、他にどのようなツールが重要ですか?
A. データに基づいた決断を下すのに役立つツールはたくさんあります。
まず、ソースからデータを抽出してデータベースまたはデータ ウェアハウスに格納する ETL ツールから始めるといいでしょう。
また、データのクレンジング、つまり抽出されたデータがクリーンで最新であることを確認したい場合は、データクレンジングツールの使用も検討するといいでしょう。
さらに、データパイプラインツールでシステムやデータベース間のデータ移動ができるようになりますし、データウェアハウスツールはデータ主導の意思決定に欠かせないものです。データウェアハウスツールは、データ主導の意思決定に不可欠なものであり、それでデータの収集、分析、保存に必要なフレームワークを得られ、必要なときにいつでもそのような情報にアクセスできるようになります。
あと、機密情報の安全な保管やクラウドセキュリティの強化が必要な場合は、データセキュリティツールにも投資すべきです。
Integrate.io がデータオブザーバビリティをシンプルにする方法を見てみよう
Integrate.io を使うと、より良いビジネス上の意思決定を行うのに必要なデータを、それがどこに保存されているかに関係なく全て追跡することができます。また、分析や重要な意思決定を迅速に行うことができるように、(データベースでなくても)あらゆるデータソースに接続し、そのデータを1つの場所に取り込むことができます。
これで、データの問題特定や正確性のチェック、正確なフォーマット化、会社の確実なデータ ガバナンス ガイドラインへの準拠ができるようになります。
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