ガートナーによると、2022年の全世界での政府のIT支出は、前年比6.5%増の5,580億ドル近くに達すると予測されています。テクノロジーの統合が社会に浸透するにつれて、政府、組織、企業はDX(デジタル変革)のプロセスへの着手が必要になっていますが、DXの成功の核となるのは、APIとデータベースなのです。
データベースの機能とは
データベースとは、ユーザーが簡単にアクセス、管理、更新できるように保存された情報の組織的な集合体であり、通常、あらゆる種類のデータの保存や管理、およびアクセスに使われます。つまり、データベースの主な機能は、よく整理されたデータと情報に基づき、より多くの情報を得たビジネス上の意思決定を組織が行えるようにすることです。
組織は、データベースを主に以下のような目的で使用します:
ビジネスプロセスの改善:データベースは、販売、注文処理、顧客サービスなどの情報を収集・分析することで、ビジネスプロセスの改善をサポートする。
顧客データの追跡: データベースは、SNSの利用状況、連絡先、購入履歴など、ビジネスや顧客に関する貴重な情報の宝庫である。
データの安全性の維持: データベースは、それ自体では安全ではなく、企業は、アクセス制御、暗号化、匿名化などの適切なセキュリティ対策により、データベース内の情報をサイバー犯罪者の手に渡らないようにすることができる。
一般的なデータベースの種類
データベースには様々な種類があり、一般的なデータベースの種類には、以下のようなものが挙げられます:
- リレーショナル
- OO(オブジェクト指向)
- 中央集権型
- 分散型
- NoSQL(Not only SQL)
- 階層型
- ネットワーク
- クラウド
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API(アプリケーションプログラミングインターフェース)の理解
API(アプリケーションプログラミングインターフェース)で、複数のソフトウェアコンポーネントの一連の定義とプロトコルを用いた相互の通信が可能になることから、複数のアプリケーションが相互に通信できるようにすることがAPIの主な目的になります。APIとその仕組みをもっと理解するには、APIをアプリケーションとサーバーの間の翻訳者または「仲介者」の一種として考えるのが一番です。プライベートAPIとパブリックAPIの仕組みについて、より深く理解すべく、以下の2つの例を見てみましょう:
- 例1:レストランに入り、友人と共にテーブルに座ると、ウェイターがやってきて注文をとります。ウェイターは注文を厨房に通し、厨房は料理の準備を始めます。料理ができあがると、ウェイターが運んでいき、あなたやお友達はその運ばれてきた料理を食べます。この場合、ウェイターによって、あなたは厨房と直接話すことなく、厨房とコミュニケーションを取れることから、【ウェイター】はAPIであると考えることができます。APIもこれと同じで、複数のアプリケーションやサーバーが、直接通信することなく、またお互いを理解することなく、メッセージをやり取りできるようにするものです。
- 例2:あなたが大事な会議に出席するとします。その部屋では、あなた以外の全員がスウェーデン語を話しています。幸いなことに、その部屋にはスウェーデン語と英語の両方を話す翻訳者がいます。翻訳者があなたのプレゼンテーションを英語からスウェーデン語に翻訳することで、ビジネスパートナーはあなたのメッセージを理解することができます。この場合、【翻訳者】はAPIと考えることができます。ちょうどAPIが複数のアプリケーションやサーバーが同じ言語でなくても通信できるように、翻訳者はあなたとビジネスパートナーが互いの言語を理解することなくコミュニケーションを取ることを可能にしているのです。
一般的なAPIの種類
APIに関しては、組織がAPI管理で活用できるさまざまなタイプがありますが、組織が利用するAPIで最も一般的なのは、「REST API」と「SOAP API」の2種類です。
- REST (Representational State Transfer)API:信頼性、拡張性、高速性で知られ、軽量なJSON形式(C、C++、C#、Java、JavaScript、Perl、Pythonなどのプログラミング言語と同様の規約を使用するテキスト形式)を使ってデータを配信する。
- SOAP(Simple Object Access Protocol)API:XMLを使用して、アプリケーション間でデータと情報を転送する。REST APIと比べると、SOAP APIは少し複雑で、適切に機能するにはより多くの先行データが必要である。
さらに、「ブラウザAPI」や「iOS/Android API」もかなり一般的になっており、ブラウザAPIは、JavaScriptでHTMLを操作し、ブラウザ内で独自のユーザーインタフェースを実現するものです。
APIのユースケース
APIの機能をもっと理解するために、一般的なAPIのユースケースをいくつか見てみましょう。
- データベースAPI:アプリケーションとデータベース管理システムとの間の通信を簡単に行うことができる。データベースAPIの実例は、Googleが所有するモバイルWebアプリケーション・プラットフォームである「Firebase」で見ることができ、そのプラットフォームでは、デベロッパーはリアルタイムで効率的にデータを同期・保存することができる。
- OS(オペレーティングシステム)API:Windows APIとLinux Kernel User-Space APIは、OS(オペレーティングシステム)のAPIの実例である。
- リモートAPI:このタイプのAPIは、通信ネットワークを通じて相互作用する。インターネットが通信ネットワークとして重要な役割を果たしているため、大抵のリモートAPIはWeb標準に基づいてデザインされているが、すべてのリモートAPIがWeb APIであるわけではない。
- Web API:APIの最も一般的なユースケース。HTTPプロトコルを用いて、WebアプリケーションやWebサービスからリクエストを送信し、サーバーからレスポンスを返す役割を担っている。また、モバイルアプリやWebサイトでは、機能性を高め、ユーザーにとって実用的なものにするために、Web APIが多用されており、Facebook、Netflix、Google、Chrome、Amazonなどは、日常的な機能の中でWeb APIを使用している。
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データベースとAPIの関係とは
データベースとAPIを両方しっかりと理解したところで、この2つの関係をより深く見ていきましょう。データベースとAPIの関係を見ると、この2つは異なるメカニズムでありながら、同時に動作することがわかります。基本的にデベロッパーは、データへのアクセスやテーブルの変更などを行うクエリを作成することでデータベースと通信することができ、一方、APIはアプリケーションとデータベース管理システム間の通信を可能にします。
総じて、APIによってデベロッパーはデータベースと会話し、情報を抽出することができます。ではなぜデベロッパーは、単にデータベースにクエリを実行するのではなく、API を使ったデータベースとの通信を選ぶのでしょうか?それは、APIを利用してデータベースと通信することで、単にデータベースを照会するよりもデベロッパーが利益を得ることができる理由が以下のように主に3つあるからです:
- クラウドコンピューティングの普及の支援:クラウドコンピューティングとサーバーレスのトレンドは、ますます高まっており、デベロッパーがアプリケーションからクラウドデータベースを利用する場合、APIの利用が最も効率的な方法となる。
- APIはどんな種類のデータベースでもいける:APIはデータベースのクエリを抽象化する追加レイヤーであり、最終的には、バックエンドとフロントエンドの両方のプログラマーは、バージョニングによってすべてが壊れてしまうことや、使用中のデータベースの種類を気にしなくて済むようになる。さらに、APIを使うことで、ユーザーにはデータベースと直接通信しないという選択肢ができる。
- APIでデータベースの保護ができる:データベースの情報へのアクセスのためのAPI利用で、データベースを保護するための付加的なレイヤーももたらされる。もし悪意のあるユーザーがデータベースのテーブルに直接アクセスした場合、データベースを完全に破壊してしまう可能性があるが、APIでは、有効なユーザーだけがデータベースにアクセスでき、有効なリクエストだけがデータベース内のデータを変更できるようなコントロールが可能。
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