デジタルアセットをシステムにリンクさせたいとき、絶えず新しい API を作成しないといけないわけではありません。再利用可能 API で、複数のアプリケーションやプラットフォームを簡単に統合することができ、それによって、時間の節約やパフォーマンスの最適化、データ追跡のさらなるシンプル化が実現されます。既存のAPIを活用することで、大幅な労力の削減と効率化を実現するとともに、必要な情報の管理を簡素化し、現在のデータスタックの機能性を向上させることができるのです。
アプリケーションの開発プロセスでは、アセット同士が通信できるように無数のAPI の追加が必要だと考えるかもしれませんが、全API の接続に固有のエンドポイントを作成する代わりに、アプリ、プラットフォーム、Webアプリケーション、マイクロサービスを1箇所で接続することができます。では、このAPI デザインを使うかを決める前に、再利用可能な RESTful API の長所、短所、および潜在的な利点について詳しくみていきましょう。
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REST API の再利用に都合がいい時
非常に小規模な企業では、REST APIの再利用は必要ないかもしれませんが、これはかなり、使っているアプリケーション、Webサービス、およびデータベースの数によりけりです。
一方、再利用可能 API の採用を検討するのは、次のような場合です:
- API 作成に時間がかかりすぎる。
- API やAPI キーの管理が難しい。
- 多様なデータベースがあり、簡単に接続できない。
- BI(ビジネス・インテリジェンス)のために複数のデータベースやアプリケーションに依存している。
- 多くの顧客やクライアントが社外から自社のアプリケーションにアクセスしている。
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再利用可能 API の利点
DevOpsのコストと時間を削減
DevOpsチームは、データソースやモバイルアプリケーションを追加するたびに別々の API を作成する必要はありません。再利用性によって、DevOpsのコストと時間が削減され、チームに雑務を強いるのではなく、ビジネスの成功につながる新しいプロジェクトを開始することができます。
データソースやモバイルアプリケーションごとに別々の API を作成するのは、コストと時間がかかることはもちろん、DevOpsチームにとって大変な作業となります。API の再利用性は、DevOps コストを低く抑え、チームが真のビジネスの成功につながる新しいプロジェクトの開発という重要な仕事に集中できるようにするための鍵であり、再利用可能 APIでプロセスを効率化することで、チームは組織の成長と成功に役立つ重要なタスクに集中することができるのです。
さらに、再利用可能 APIは、問題が発生した場合のトラブルシューティング能力の向上だけでなく、アプリケーションの開発時間を短縮し、開発における柔軟性を実現します。
中断なしでアプリケーションのサーバー間移動
ネットワークの管理方法によっては、多くの人がアプリケーションを使うようになると、アプリケーションの他のサーバーへの移動が必要になることがあります。理想的には、この問題を解決するスケーラブルな自動化が必要ですが、オンプレミスのサーバーを管理している場合、問題が起こる可能性があります。
再利用可能 APIを使えば、軽い中断がありつつも、新しいサービスの追加や、別のサーバーへのアプリの移動をできます。場合によっては、ユーザーは中断に全く気づかないかもしれません。
サーバー側のソフトウェア構築の時間を短縮
サーバー側ソフトウェアの構築には、JSONやJavaなどのコーディング言語に関する深い知識が必要になることがよくあり、ローコードプラットフォームでさえ、経験豊富なデベロッパーが関わらない限り、常に目標を達成できるわけではありません。
再利用可能 APIを使えば、アプリ同士が通信できるように、サーバーサイドのソフトウェア構築やスキーマの調整に費やす時間を削減できます。
生産性の向上
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、企業の10%近くが200以上のアプリを使用しているとのことです。そうなると、各接続に独立した API の使用を強いられた際、従業員はできるだけ効率的に作業したくてもそれが妨げられてしまいます。なので再利用可能 API で、従業員が情報やアプリに安全にアクセスしやすくできるようにしましょう。
安全性のリスクの低減
今日の組織は、安全性のリスクを真剣に捉えないといけません。再利用可能なアセットを利用することで、アプリやデータへのアクセス者を制御することができますが、再利用可能 API がなければ、アプリやウェブサービスに何百もの接続が必要になる可能性があります。そこで再利用可能 API を採用すると、デジタルアセットへのアクセス者を制御・監視しやすくなります。
例えば、再利用可能なAPIを1つ作成し、Oauth 認証を使って、資格のあるユーザーに複数のウェブサービスへのアクセスを提供することができます。管理が必要な認証の数を減らすことで、API プラットフォーム内の異常な振る舞いを発見しやすくするのです。
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再利用可能 APIが抱える潜在的な課題
適切なAPI プラットフォームがなければ、再利用可能 APIを採用する際に潜在的な課題に遭遇する可能性があります。プラットフォームを選ぶ前に、欠陥のあるセキュリティや拡張性の低さといった問題に当たらないような機能を確実に取得しましょう。ちなみに重要な機能には、次のようなものがあります:
- 一般的なデータベースとの容易な統合
- KPI に焦点を当てた柔軟なロギングとレポート
- 全データソースに対応したライブ API ドキュメント
- SSO認証、JSONウェブトークン、Oauth、ユーザー管理などのセキュリティオプション。
- NodeJS、Python、PHP、V8JSをサポートするサーバー側のスクリプティング。
- 無関係なデータベースを結合できるデータメッシュ
- 独自の API 接続が必要な場合のためのインスタント API 作成
再利用可能 API は、デベロッパーに多くの潜在的な課題をもたらす可能性があり、その多くは予測困難な場合があります。最大の課題の1つは、API そのものの複雑さです。デベロッパーは、API に依存するアプリケーションを構築する際に、そのAPI と効果的に相互作用するコードの作成が必要です。API と効率的に動作するコードのデザインは、ライブラリや標準的なWebサービスと動作するコードを書くことよりも複雑な場合が多いのです。
もう一つの大きな課題は、API は頻繁に新しいバージョンやリビジョンに更新されるため、それを使用する可能性のある多くのアプリケーションにとって大きな複雑さを生む可能性があるという点です。新しいバージョンが出るたびに、デベロッパーは自分のアプリケーションに互換性があるか、最新の変更点を実装しているかを確認しなければなりません。その結果、膨大な量の作業が追加され、テストやデバッグがしにくくなります。このような追加作業の負荷を予測できることが、再利用可能 API を採用する重要なポイントになります。
また、API の速度は、それを使うアプリケーションのパフォーマンスに大きな影響を与える可能性があります。API は時にレスポンスが遅くなったり、アプリケーションが正しく動作するためにある程度の入力が必要になったりすることもありますが、熟練のデベロッパーは、アプリケーションをデザインする際にこの点を考慮し、API のパフォーマンスが、顧客向け API の主要な焦点であるべき UX (ユーザーエクスペリエンス)を確実に損なわないようにします。
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