データから有益なインサイトを得るには、データソースを全て統合しないといけません。かつては高度な技術が求められて手作業でするものだったそのプロセスも、今では Workato、Zapier、Integrate.io などのデータ統合ソリューションを使うことでシンプルになります。

このようなプラットフォームはすべて、クラウド・コンピューティング・インフラ全体でデータソースを管理するために、さまざまな規模や背景の組織をサポートしており、それぞれが独自の強みを発揮しています。なのでビジネス要件と内部機能に応じて、各ツールの仕様や、それが現在のビジネスプロセスにどう適しているのかを検討する価値があります。

Workato と Zapier と Integrate.io には主に以下のような違いがあります:

  • Workato、Zapier、Integrato.io には、主な機能、使用方法、統合、価格設定、およびカスタマー サポート オプションに主な違いがある。
  • Zapier は中小企業で最も頻繁に使われており、Integrate.io と Workato には、中堅企業やエンタープライズユーザー向けの機能がより多く備わっている。
  • この3つのうち、Integrate.io には最も多様で評価の高いカスタマーサポートオプションがある。
  • Integrate.io と Zapier にはどちらも無料のバージョンまたは機能があるが、Workato には無料の利用枠や製品がないらしい。
  • Integrate.io は、そのわかりやすいツール、シンプルな価格設定、24時間365日のサポートにより、よく選ばれるツールである。

そこで本記事では、Workato、Zapier、Integrate.io を主な機能、統合、価格モデル、カスタマーサービスオプション、スケーラビリティの観点から比較し、各プラットフォームの核となる長所と短所、そして市場における差別化要因を見ていきます。

目次

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Workato とは

G2 の評価:星5つ中4.7


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Workato は、高度なデータ統合機能、API 管理機能、さまざまなビジネス・ワークフローやアプリケーションのインテリジェントな自動化を提供する iPaaS ソリューションです。このツールは様々なビジネスワークフローの統合に対応するのに使えますが、その機能は IT 、マーケティング、営業、人事、財務、サポート、製品のユースケースに最適です。

競合他社に比べ、Workato は中堅企業のデータ統合要件に対して、より強固なソリューションの1つであると多くの場合見なされます。

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Zapier とは

G2 の評価:5つ星中4.5


Zapier は、あらゆるビジネス規模と技術スキルレベルに対応する自動化および統合プラットフォームであり、そのネイティブな統合ライブラリには、ワークフローの自動化や、ビジネスツールと運用ツールの接続のための「ザップ」が数千ほど含まれています。

Zapier は最もシンプルな iPaaS オプションの1つであり、一部の領域では機能が限られていますが、AI などのその機能は急速に拡張されています。例えば、ユーザーは現在、カスタム AI チャットボットの作成や、平易な言語説明でのザップの設定、生成 AI ツールのワークフローとの統合ができます。

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Integrate.io とは

G2 の評価:5つ星中4.3


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Integrate.io は、データ統合と自動化のライフサイクルのあらゆる時点でユーザーに優しい顧客体験を重視する、最先端のデータ統合ソリューションであり、その中核機能は、ETL(抽出、変更、格納)、リバース ETL、ELT、CDC(変更データキャプチャ)、データオブザーバビリティに重点が置かれています。

このプラットフォームは導入が簡単で、コネクタやデータ変換をセットアップするための分かりやすいローコード/ノーコードツールが含まれています。また、Integrate.io には年中無休のカスタマーサポートと、さまざまなニーズや期待に応える多様なサポート手段を提供して今があります。

比較概要

Workato

Zapier

Integrate.io

主な機能

  • エンタープライズ iPaaS

  • 組み込み AI および統合

  • バリュー計算機

  • ノーコード自動化

  • ワークフロー構築

  • 見込み客およびデータの管理

  • ETL およびリバースETL

  • ELT および CDC

  • API 生成

  • データオブザーバビリティ



統合

  • 1,200以上の構築済みコネクタ

  • 営業・マーケティング、サイバーセキュリティ、AI、プロジェクト管理、カスタマーサービス、財務などの分野にフォーカス

  • 6,000以上のアプリ統合

  • アプリのカテゴリには、AI と BI(ビジネスインテリジェンス)、人事、販売とマーケティング、コマースが含まれる。

  • 数百もの希少および広く使われている構築済みコネクタ

  • データベース、クラウドストレージ、マーケティング、財務、その他の重点分野が統合ライブラリで利用可能

カスタマーサポート

  • セルフサービスのトレーニングとドキュメント

  • カスタマーサポート

  • 電子書籍およびホワイトペーパーリソース

  • 組織的なコミュニティおよび RevOps コミュニティ



  • ヘルプセンターとユーザーコミュニティ

  • チームプランとカンパニープランのユーザーはプレミアサポートを利用可能

  • 指定テクニカルサポートの有料オプション

  • ライブチャット、メール、電話による24時間365日のグローバルサポート

  • Zoom でのサポート

  • サービス状況のアップデート

  • ウェビナー、ホワイトペーパー、用語集

料金設定

  • ワークスペースの基本購入が必要

  • レシピは個別または 10、25、50、100のパックで追加可能

  • Workato の Web サイトでは、価格については不明瞭

  • 5段階の料金が設定されている

  • 無料プランには、シングルステップ ザップとノーコード エディターを備えた月あたり 100 のタスクが含まれる

  • ソリューションに依存

  • データオブザーバビリティと データウェアハウスのインサイトの無料オプション

  • 月額、年間、コネクターごとのサブスクリプションが利用可能

Workato と Zapier と Integrate.io: 主な機能

Workato、Zapier、Integrate.io はいずれも、さまざまなビジネスアプリケーションやユースケースに対応したスケールでのデータ統合に対応していますが、各ソリューションがユーザーに提供する機能セットは微妙に違います。以下で、各ツールで知っておくべき主な機能を見てみましょう。

Workato

  • 統合されたビジネスプロセスの自動化と統合を備えたクラウドネイティブアーキテクチャ
  • 400,000以上の事前構築済み統合レシピ
  • ローコード/ノーコード機能
  • 組み込み AI とユーザー製品の統合
  • テクノロジーパートナーとシステムインテグレーターのネットワーク

Zapier

  • シングルおよびマルチステップのザップ接続
  • フィルターとフォーマットツール
  • 6,000以上のアプリの自動化のためのコード不要のエディタ
  • カスタムロジックパスの構築とデータ保持
  • ベータ版のテーブル、インターフェース、AI チャットボット

Integrate.io

  • ノーコード、ドラッグ&ドロップの ETL および リバース ETL インターフェース
  • Salesforce のようなアプリケーションに特化した、何百もの ELT および CDC データコネクタ
  • データオブザーバビリティのモニタリングとアラート
  • ローコードによるデータ集約
  • 自動スキーママッピング

統合

各プラットフォームは、ネイティブ コネクタとユーザーがカスタム統合を作成できる柔軟なツールの組み合わせを通じて、ユーザーに広範な接続の機会を提供しています。

Workato

Workato のコネクタライブラリには、営業・マーケティング、製品・プロジェクト管理、カスタマーサービス、人事、財務・会計、DevOps・IT、生産性、AI・ML(機械学習)、オペレーション、コラボレーション、サイバーセキュリティといったカテゴリーのアプリ向けに、1,200以上のコネクタがあらかじめ構築されています。

そしてローコード/ノーコードの統合アプローチにより、ユーザーはビジネス プロセス ワークフローにとって最も意味のあるトリガーとアクションを設定できるようになります。また、統合にさらなるカスタマイズや柔軟性が必要なユーザーのために、ユニバーサルコネクタもあります。

Zapier

Zapier は、この市場で最も強固なネイティブアプリ統合ライブラリの1つであり、6,000以上の統合オプションがあります。ユーザーは、AI、BI(ビジネスインテリジェンス)、コマース、コミュニケーション、コンテンツとファイル、人事、IoT、IT オペレーション、ライフスタイルとエンターテイメント、マーケティング生産性、販売と CRM(顧客関係管理)、サポート、Web サイトとアプリ構築といったメインのユースケースからアプリを選択できます。

Workato と同様の方法で、ユーザーは、Zapier でシンプルな if/then ロジックとルールを使ってトリガーとアクションを設定するためのローコード/ノーコード インターフェースを得られます。 このカスタム自動化は「ザップ」と呼ばれ、単一または複数の統合ツールを使って設定できます。

Integrate.io

Integrate.io のコネクタライブラリには、ユーザーがローコード/ノーコードプロセスで接続したいと思うような中小企業、中堅企業、エンタープライズツールの統合が何百も含まれており、それには、一般的なビジネスアプリケーションと稀なビジネスアプリケーションの両方が含まれます。

また、Integrate.io の統合ライブラリでカバーされているカテゴリには、データベース、クラウドストレージとサービス、分析、広告、ロギング、BI ツールが含まれます。

Integrate.io の最もよく使われているコネクタオプションは、Snowflake、Salesforce、Netsuite、RestAPI、Amazon Redshift、Shopify、BigCommerce、Gorgias、HubSpot、Klaviyo であり、現在の要件に合うコネクタが存在しない場合には、ユーザーが新しいコネクタを提案するオプションもあります。

カスタマーサポート

カスタマーサポートのリソースと可用性は、iPaaS ユーザーにとって不可欠であり、特に、新しい、または特に複雑なデータ管理、統合、自動化プロジェクトに取り組んでいる場合はなおさらです。以下で、各ベンダーのカスタマーサポートの対応を見てみましょう。

Workato

Workato のカスタマーサポートリソースのほとんどは、セルフサービスです。Automation Institute には、オンラインコース、ドキュメント、コミュニティフォーラムがあり、問題を解決するための詳細なガイドが読者に提供されており、この他の問題は、ほとんどカスタマーサポートチケットを通じて解決されます。

Zapier

Zapier のサポートは、主にヘルプセンターと Zapier Community のコミュニティ主導の回答を通じて提供されますが、ユーザーは Zapier Learn によるガイド付きチュートリアルや24時間365日のバーチャルアシスタント、そして追加料金でより高度なサポート機能を利用することもできます。

Integrate.io

Integrate.io は、全ユーザーに24時間365日のメール、電話、チャットサポートを提供し、30日間のカスタマイズされたオンボーディングサポートを提供することで他社との差別化を図っています。また、エージェント主導のサポートソリューションも多数提供されているため、ユーザーは真のシステムエキスパートから回答を得られるという安心感を得ることができます。

料金設定

3社とも段階的な料金設定オプションがあり、それでユーザーはデータ統合および管理のニーズに最適なものを選択できるようになっています。

Workato

Workato は、製品のコストについて透明性をもった説明がされていませんが、基礎となるワークスペースから始まり、ユーザーが望むだけ「レシピ」を追加できるモデルであると説明されています。尚、価格については、Workato への直接のお問い合わせが必要です。

Zapier

Zapierには以下の5つのプランがあります:

  • 無料:月100タスク。
  • Starter:月750 タスクに対してひと月あたり19.99ドル。年額課金。
  • Professional:月2,000タスクに対してひと月あたり49ドル。年額課金。
  • Team:月2,000タスクおよび追加機能に対してひと月あたり69ドル。年額課金。
  • Company:価格については営業までの問い合わせが必要。

Integrate.io

Integrate.io の料金設定は、アラカルトモデルに従っているため、選択したソリューションに基づいています。なので、どのソリューションに払うか決める前に、まずは14日間の無料トライアルを試すといいでしょう。また、より広範な要件がある場合は価格が異なりますが、Integrate.io の各主要ソリューションの開始価格は以下の通りです:

  • ETL およびリバース ETL:年間15,000ドル、追加コネクタ1個につき年間2,000ドル。
  • ELT および CDC: 月額159ドル、年額課金、超過分は100万行につき49ドル。
  • API 生成:データベース API の生成と管理を含む基本製品で18,000ドル。
  • データオブザーバビリティ: 永久無料。
  • DWH インサイト: 無料のエッセンシャルプラン。

データ統合ツールのユースケース

企業はこれらのツールをどのように使っているのでしょうか?各プラットフォームの様々なユースケースを見てみましょう。

Workato

  • Slack:ノータッチ注文処理およびデータガバナンスの改善。
  • Autodesk:社内データ統合プラットフォームのベースラインフレームワークとして Workato を設定。
  • Broadcom:主に M&A 活動や IT プロビジョニングの準備のため、大規模な事業ポートフォリオ全体の自動化を実現。

Zapier

  • Calendly:顧客からのメッセージとコミュニケーションを一元化し、自動ルーティングで過剰発券を防いで応答時間を改善。
  • Veo:ソーシャル・チャネルから企業の CRM に自動的に接続され、レスポンスタイムとフォローアップを改善。
  • Zendesk:Zendesk のポッドキャストでは、番組のゲストにフォローアップの紹介フォームが自動的に送信され、それで Zendesk の視聴者とインタビュー対象者の選択肢を広げている。

Integrate.io

  • Fiverr:データスキーマを標準化し、複数のデータソースから数百万行の半構造化データおよび非構造化データを統合。
  • Adpeak:膨大な量のオーディエンスデータ、顧客データ、メタデータを処理し、ビジネスや広告に関する簡潔なインサイトを提供。
  • Bexio:Intercom と Salesforce のバックオフィスデータ統合とセットアップ。

Workato と Zapier と Integrate.io:どれが最適か

本記事のソリューションにはそれぞれ、ローコード/ノーコードでの使いやすさや、深い統合ライブラリなどの機能がありますが、価格設定、カスタマーサポート、市場重視の分野では、それぞれのツールがさまざまなアプローチと能力で差別化を図っています。

Integrate.io は、Zapier のような手頃で使いやすいツールと、Workato のような複雑だけど高価なツールの間に通常起こるギャップを埋め、アラカルトの価格オプション、わかりやすいツール、24時間365日アクセス可能な多様なカスタマーサポートリソースを提供します。

Integrate.io でデータパイプラインを気軽に構築しよう

Integrate.io は、コストや使いやすさといった重要な要素で独自の差別化を図りながら、中核的な機能で競合他社に遅れを取らない高品質のデータ統合ソリューションです。Integrate.io がどのようにデータパイプラインの構築に対応できるか、14日間の無料トライアルで実際にお試しいただくか、弊社のエキスパートによるデモをご予約いただき、より個人に寄り添った統合戦略についてぜひお問い合わせください。

Q&A

Q. データ統合ツールはどのような仕組みですか

A. データ統合ツールは、さまざまなソースやフォーマットのデータを、「信頼できる唯一の情報源(Single source of truth)」から閲覧、分析、利用できるまとまったデータセットに変換することで機能します。また、データ統合ツールは、ETL、データマッピング、データクレンジング、データ準備などのプロセスを使って、データが全て理解しやすく、実用的であることを保証します。

Q. Workato、Zapier、Integrate.io の主な違いは何ですか?

A. Workato、Zapier、Integrate.io には、主に以下のような違いがあります:

  • 3つとも多くのネイティブコネクタと統合機能を備えているが、Zapier では6,000 以上のコネクタをユーザーに提供している。
  • Integrate.io と Zapier は、Workato よりも手頃な価格で利用できるソリューションがあり、中小企業や中堅企業のユーザーにも適している。
  • Integrate.io は使いやすいだけでなく、競合他社よりもカスタマーサポートが充実している。